マシャーイー、窮地に:最高指導者も解任を要求か
2009年07月22日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】次期政権の第一副大統領に任命されたエスファンディヤール・ラヒーム=マシャーイーが、同ポストをはじめとする内閣の重要ポストから外される公算が高まっている。

 第9期政権で文化遺産・手工業・観光庁長官を務めている同氏は、先週木曜日、大統領から第一副大統領への昇格が発表された。しかし、過去4年間の同氏の問題の多い言動の数々が災いし、同氏が政権の要職に就くことに対して、政治関係者らの間からは反発の声が再び沸き起こっていた。

 ここ1〜2年、政治関係者らはマシャーイーを副大統領兼文化遺産観光庁長官から解任するよう求めてきたが、アフマディーネジャード大統領はこれらの圧力を頑として受け容れようとしなかった。しかし、昨日国会副議長が明かしたところによると、ラヒーム=マシャーイー解任を求める見解を今回、革命最高指導者がアフマディーネジャードに書面にて通達した模様だ。

 モハンマド・ハサン・アブートラービー国会副議長は、「ラヒーム=マシャーイーを副大統領をはじめとする政権の要職から外すことは、体制が下した戦略的決定事項だ」とした上で、「エスファンディヤール・ラヒーム=マシャーイーを副大統領から解任するよう求める革命最高指導者の見解が、大統領に書面にて通達された」と述べた。

 ホッジャトルエスラーム・ヴァルモスレミーンのセイエド・モハンマド・ハサン・アブートラービー副議長はイラン学生通信とのインタビューの中で、さらに「一刻も躊躇することなく、ラヒーム=マシャーイーの解任、ないしは同氏からの辞表受理を大統領は発表すべきだ」と主張した。

 同副議長はまた、これは革命最高指導者の真剣な要求によるものであり、また大多数の国会議員たちが求めていることでもあるとした上で、「この要望は、革命最高指導者の見解、及びウラマーやマルジャエ・タグリード〔シーア派宗教最高権威〕の意見を尊重した結果、〔国会議員側から〕数ヶ月前に大統領に対して出されたものである。この要望は現在も、真剣かつ厳格な形で、国会議員らの要求として残っている」と言明した。

 ガズヴィーン選出の同議員はまた、「大統領はラヒーム=マシャーイーの辞表受理ないしは解任に向けた行動を取ることで、イスラーム革命最高指導者の見解に従い、偉大なる宗教権威たちに敬意を払い、国会の毅然とした意見に前向きに答えるべきだ」とし、さらに「〔7月20日の〕預言者の召命祭に革命最高指導者が明示されたように、体制の高官を〔適切に〕選任し、イスラーム共和国体制の効率的な運営を図るべく、〔国会等の要求に対して〕論理的・理性的・倫理的・法的な対応を取るよう努力しなければならない」と指摘した。

「ラヒーム=マシャーイー任命を見直さなければならない理由はどこにあるのか」

 その一方で、この報道がなされる前、大統領上級補佐官に任命されたセイエド・モジタバー・サマレ=ハーシェミーは「ジャーメ・ジャム・ワールドネットワーク」の中で、第一副大統領にラヒーム=マシャーイーが任命されたことに対して、明確な議論や理由付けがないままに反対の声が上がっていると指摘、同氏の第一副大統領任命が見直されることはないだろうと述べた。

 サマレ=ハーシェミーは、大統領がいかなる選任を行おうとも、賛否は付きまとうものだとした上で、「国会で閣僚の信任投票が行われると、100もの反対票をもらってしまう閣僚候補もいる。しかしそれでも、結局は〔過半数の信任票を受ければ〕信任されるのだ」と開き直った。

 同氏は、「ラヒーム=マシャーイーは誰よりも、大統領とともに仕事をしてきた人物だ」とした上で、「大統領は個人的に、マシャーイー氏と様々な経験や関係を共有してきた。大統領は彼をよく知っている。それゆえ、彼には第一副大統領として他よりも良い仕事ができるのだ」と指摘、さらに「実際のところ、マシャーイー氏の仕事とは、政府や周辺の諸々の政府委員会が決めたことをフォローアップしたり、大統領が不在の時に職務を代行したりすることなのだ」と続けた。

 サマレ=ハーシェミー氏はその上で、ラヒーム=マシャーイーが解任されなければならない必然的かつ明確な理由は出されていないとし、さらに「国民は大統領に票を投じ、信任した。大統領もまた、マシャーイー氏を信頼している」と強調した。

 サマレ=ハーシェミーはその後ファールス通信とのインタビューの中で、自らの発言がきちんと伝わっていないとし、「このインタビューの中で私は、この件〔=マシャーイーが副大統領職にいること〕についてこれまで変更はなされてこなかった、と述べたのであって、今後変更があり得ないということではない」と述べ〔、自らの発言を後退させ〕ている。

「アフマディーネジャードは問題のある人物を排除すべきだ」

 他方、ラヒーム=マシャーイーを第一副大統領に任命したことに対する政治関係者らの反発の声は、いまだ止む気配を見せていない。

 国会の原理派に属するアリー・レザー・ザーカーニー議員はファールス通信とのインタビューの中で、次のように述べている。「アフマディーネジャードは、疑問を持たれたり、人々を失望させたりするような動きは自重し、問題のある人物を自らの周辺から排除することで、国民が同氏に与えた二度目のチャンスを最高の形で利用すべきだ」。

 同議員はさらに、大統領が最近行った一部の極めて醜悪な人事は合理性をまったく欠いた行為だと批判した上で、「大統領は、第一副大統領の地位に座る資格のないような人物を、第一副大統領に指名した。マシャーイー氏にはその資格がないばかりか、彼が現在政権にいることに対して、すでに様々な抗議の声が上がっている」と述べた。

 ザーカーニー議員は、このような人事は第10期政権だけでなく、原理主義、さらにはイスラーム体制の公益にとっても深刻な災厄をもたらすものだとし、「大統領は過去の政権にいた人物を擁護するという誤った慣習を、現政権に伝染させないよう努力すべきだ」と注文を付けた。

 同議員はその上で、「いずれにせよ、責任ある地位を占めるに値しないだけでなく、悪意ある者たちに付け入るスキを与えるような一部人物を登用することは、政府に対する失望をもたらしかねない行為であり、見直すべきだ」と語った。

〔中略〕

「マシャーイー任命は見直すべき」

 イスラーム連合党のモハンマド・ナビー・ハビービー総書記も、「第9期政権でマフムード・アフマディーネジャード大統領は、国政運営にあたり、原理派の能力をフルに活用してこなかった。われわれは大統領が、第10期政権でこの点にきちんと注意を払ってくれることを望んでいる」と語った。

 サナンダジを訪れたモハンマド・ナビー・ハビービーは記者団を前に、国政のあらゆる領域が一部の人々によってのみ運営されるような事態は、今後に悪影響を及ぼすだろうと強調しつつ、次のように述べた。「第10期政権の内閣のポストについて、政権に分け前を要求するような権利は、どの政治団体にもない。大統領から意見を求められた時のみ、相談に乗ることができるにすぎない。大統領をサポートするのは、われわれ全員の義務なのだ」。

 同氏はこのように述べ、同時に「大統領は原理派のすべての能力に目を配った上で、閣僚候補を国会に指名すべきだ。大統領にとっていいことは、政府や国民にとってもいいことだからだ」と指摘した。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:17030 )