ハマースのマシュアル政治局長がダマスで演説
2009年06月26日付 al-Quds al-Arabi 紙

■抵抗の継続 と、分裂状態の終結に向けた働きかけを確認
■マシュアル氏、“我々は6月4日時点での国境線を持つ国家を受け入れるものである」「オバマ大統領の立場は十分ではない」

2009年06月26日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ダマスカス:本紙カーミル・サクル】

ハマース政治局長ハーリド・マシュアル氏は、昨日木曜、〔パレスチナ〕民衆にとって最低ラインを形成する計画とは、1967年6月4日時点での停戦ラインを国境とし、エルサレムを首都とする完全なる主権国家として、パレスチナ国家を建設することであると述べた。

マシュアル氏は昨日の夕方、パレスチナ各派の指導者たちと、パレスチナ国内のハマース指導部の一部が出席する中、ダマスカスで行った演説でこう述べた。「パレスチナ民衆にとって最低ラインを形成し、またすでに我々が共通の政治プログラムとして国民和解文書において受け入れを表明した計画とは、全ての入植地を撤廃し、〔難民の〕帰還権を実現した後、1967年6月4日時点の停戦ラインを国境とし、首都をエルサレムとする、完全なる主権国家としてのパレスチナ国家を建設することである」と述べた。

またマシュアル氏は、バラク・オバマ米大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の演説を受けて、ハマースが地域情勢をどう捉えているか についてはこう述べた。「パレスチナ問題とは、自治や統治権、国旗、国歌、治安組織、援助国からの資金といった問題ではない」「パレスチナ問題は、祖国や、アイデンティティ、自由、歴史、土地、すなわちエルサレムに対する主権の問題であり、帰還権の問題である。我々の土地は統治権よりも重要であり、国家の前に解放が必要だ」。

続けてマシュアル氏は、「パレスチナ難民たちの故郷への帰還は、国民全体の権利であり、500万人以上の難民たちがそれぞれ有する個人としての権利なのである。いかなる指導者や交渉人も、彼らの権利を無視することなどできない」として、「“帰化”や“代わりの祖国”といった考え方、特にヨルダンへの帰化を断固拒否する。ヨルダンはヨルダンであり、パレスチナはパレスチナなのだ。パレスチナ以外にパレスチナの代わりになるものは無い」と強調した。

そして抵抗を継続するとのハマースの立場をあらためて強調 し、「祖国解放と権利奪還のための戦略的選択として、我々は抵抗し続ける。どの国家であれ、我々の民が占領に抵抗するのを禁じる権利は無い」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:瀧崎康仁 )
( 記事ID:17100 )