イスラエル、国際的批判の強いパレスチナ人家族の再統合を禁止する法律を再延長
2009年07月30日付 al-Quds al-Arabi 紙

■イスラエル、パレスチナの家族再統合を禁止する法律を6度目の延長

2009年07月30日付クドゥス・アラビー紙HP1面

【ナザレ:本紙ズヘイル・アンドラウス】

クネセット〔イスラエル国会〕は一昨日の夜遅く、47対12で、グリーンライン〔1967年戦争の停戦ライン。パレスチナ自治区との境界線〕を跨いでのパレスチナ人家族の再統合を禁止する法律として知られる市民権法の施行 について、2010年の7月までの延長を決定した。延長はこれで6回連続となる。

 市民権法は毎年更新を必要とする暫定法として2003年に制定されたもので、一部が グリーンラインの内側〔=イスラエル領内〕に居住し、他の一部が1967年占領地〔=ヨルダン川西岸地区とガザ地区〕もしくはイスラエルが敵国とみなしているアラブ諸国に居住している家族の統合を禁止する法律だ。またこの法律は、イスラエル市民(イスラエルに住むパレスチナ人)の配偶者 にイスラエル市民権を付与することも禁止し、彼らが1948年占領地〔=イスラエル領のこと〕に入国するための許可書すら出さないとするものである。

この法律が議論された際、国民民主同盟〔=アラブ系政党のひとつ〕の国会内会派長であるジャマール・ザハーリカ議員は、「母親を子ども達から、夫を妻から引き離しても、政府は恥とも思わない。それでいて世界に“イスラエルは民主主義国家だ”などと言い張っている」と、ネタニヤフ政府を攻撃した。

 ザハーリカ議員は以下のように続けた。「世界中のあらゆる人権組織がこの法律を非難し、アラブ人あるいはパレスチナ人だからという民族的帰属を理由に人権を侵害する人種差別的な法律だと評している」「イスラエル最高裁ですら、パレスチナ人家族の再統合の全面禁止は問題だとして人道的なケースへの配慮を政府に求めた」「イスラエル政府は法律の改正を行い、人道的ケースを審査する委員会の設置を定めた条項を追加した。しかしその次に来る条項は、並ぶものがないほどの厚顔さで、結婚している者、あるいは子どもがいる者は人道的なケースに含まれないと定めているのだ」。

 そしてザハーリカ議員はこう問いかけた。「夫を妻から引き離し、父を子ども達から引き離すことは、あらゆる人間にとって“人道的なケース”とみなされるものではないのか? イスラエルの法律はパレスチナ人を人間と認めず、家族と離れて暮らすことなどどうでもいいと思っているようだ」。

 そしてこう締めくくった。「人種主義の厚顔無恥に際限はないのか? 恥を知れ!」。

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( 翻訳者:倉井彩 )
( 記事ID:17221 )