次期内閣をめぐる話し合い、始まる
2009年08月22日付 Jam-e Jam 紙


【政治部】マフムード・アフマディーネジャード大統領が指名した内閣の陣容が明らかになったことに伴い、国会からの信任票獲得へ向けた話し合いが、公式・非公式を問わず始まった。

 大統領は木曜日、イラン国営放送テレビ第一チャンネルの番組に生出演し、第10期政権の閣僚候補らの氏名を披露、その選出過程について説明を行った。

 報道中央局が報じたところによると、アフマディーネジャード大統領はこの番組の中で、大統領の職務の中で最も困難なものとして閣僚の人選を挙げ、「時代の必要性を見極めるためには、国が今何を必要としているかを知り、分析し、明確にすることが求められる。また多くの善き人々の中から、この必要性にあった人々を選ばなければならない。これは大変困難な仕事だ」と語った。

〔中略〕

 大統領は続けて、閣僚候補の選出にあたって国会とどのようなやりとりがあったのかについて言及し、次のように述べた。「政府と国会は真摯で意義のある意見交換を行っている。しかし指名する閣僚候補らについて290名の全国会議員と調整することは、不可能である」。

 大統領はその上で、「政府は国会に対してきちんとしたすり合わせを行っていない、と指摘する議員も中にはいる。しかし彼らが言う国会とは、自分自身、あるいは彼らが所属するグループのことでしかない」と述べ、さらに「政府は国会の多数派と会合を行ってきたし、少数派とも今後会合を持つ予定である。これらの会合の中で、閣僚候補らの人選の過程や候補らの特長について説明してきたし、今後も行う予定である」と語った。

 アフマディーネジャード大統領はまた、「同時に、どの議員も平等に同じ一票をもっているのであって、国会を代表して発言しているような人々の姿勢は誤っていると思う」とも述べた。

 大統領はその上で、次のように強調した。「同時に、次の点も忘れてもらっては困る。すなわち、閣僚を選ぶのは大統領の権限であると同時に義務であり、大統領は自らの見識にしたがって閣僚を国会に指名し、国会は指名された人々に対して信任投票を行う、ということだ」。

 アフマディーネジャード大統領はさらに、「政府は閣僚候補らについて自分たちと調整を行うものだと期待している人々も、中にはいる。そのような人々は、自身を一議員としてではなく、国会そのものだと考えている」と気色ばんだ。

 「こういった御仁も敬意を払うべき存在だが、しかし政府が290名の議員と調整することなど、どうしたらできるというのか」。大統領はこのように述べ、さらに「中には、大臣とは大統領・国会両方から命令を受けるべき立場にいるなどと考えている人々もいる。このような考え方は、国政を混乱させるだけだ」と続けた。

〔中略〕

 大統領は続けて、「4〜5名の閣僚候補は間違いなく信任を得られないだろう」との発言が一部議員から出ていることに関し、「どのような根拠からこうした発言が出ているのか、見当も付かない。国会は現在休会中であり、信任投票も無記名だからだ」と反論、その上で「敢えて指摘したくはないが、一部の議員は自らの個人的な意見に〔国会全体を〕同調させようと考えているようだ」と不快感を表した。

〔中略〕

ラーリージャーニー国会議長「もっとよい人材を活用することが可能」

 木曜日、大統領がテレビ第一チャンネルの生放送を通じて国民に語りかける中、同日朝、技術者イスラーム協会は会合を開き、国会議長ならびに国会第二副議長が閣僚信任の際の基準について自らの見解を明らかにした。両者はまた、大統領が指名した閣僚候補らへの国会の対応の見通しについても語った。

 イラン学生通信の報道によると、アリー・ラーリージャーニー国会議長はこの会合の中で、〔‥‥〕閣僚の人選に際しては候補らがしっかりとしたプランを持っているかどうかが重要だとの認識を示し、「大臣の地位に就く者は、正確で論理的なプランをもっていなければならない。また、もしプランを実行に移したいのであれば、必要とされる経験・訓練を積んでいなければならない。〔‥‥〕」と述べた。

 ラーリージャーニー議長はどの省庁でも事情は同じだと強調した上で、「大臣には、十分な専門知識と経験がなければならない。これは遊びではない。そうでなければ、仕事のレベルが落ちてしまう」と続けた。

〔中略〕

バーホナル国会副議長「少なくとも閣僚候補の4〜5名は信任を得られないだろう」

 モハンマド・レザー・バーホナル国会副議長(技術者イスラーム協会総書記)もこの会合で発言し、大統領が指名した第10期政権の閣僚候補のうち、少なくとも4〜5名は信任を得られないだろうと予想した上で、「後任として指名された閣僚候補らは、前職の閣僚たちよりも仕事ができない、というのが国会の見立てだ。〔大統領の方針と〕一致していないというのが、アフマディーネジャード氏が一部の閣僚を解任したときの理由だが、解任の理由としてそれで十分だと考えない限り〔、新たな閣僚候補らを前職よりも仕事ができると見なすことは困難である〕」と述べた。

 バーホナル副議長は、大統領の〔閣僚候補を指名する〕書簡は水曜日の夜遅くに国会に接到したことを明らかにした上で、「国会よりも前に、国営メディアを通じて閣僚候補の名前を披露するという大統領のやり方は、いうまでもなく〔国会にとって〕不満を残すものだった。これまでにない、逸脱的(ビドア)なやり方だ」と批判、さらに「このようなやり方は法に抵触するものではないものの、メディアを通じて閣僚候補を明らかにする前に、まず国会に指名するというのが旧来の方法・慣例というものだ」と不快感をあらわにした。

 バーホナル副議長はさらに続けて、国会関係者はアフマディーネジャード大統領が一部の人々を閣僚候補に再指名しなかったことに納得していないと指摘し、「例えば、ランキャラーニー氏〔前保健相〕は有能で活動的な人物だ。マルズィーイェ・ヴァヒード=ダストジェルディー女史も〔大臣として〕受け容れ可能な人物ではあるが、しかしいずれにせよ、国会関係者はこのこと〔=ランキャラーニー氏が保健相候補として再指名されなかったこと〕に関して、納得していない」と述べた。

 同副議長はまた、ファッターフ〔前電力相〕やジャフロミー〔前労働相〕も第9期政権で相応の働きをしたにも拘わらず、第10期政権には加わっていないことを問題視した上で、「いずれにせよ、後任として指名された閣僚候補らは前職よりも仕事ができない、ということは指摘しておかねばならない」と述べた。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:17286 )