トルコ、ようやく京都議定書を批准
2009年08月26日付 Hurriyet 紙

トルコは遅れに遅れたものの、今日(26日)、正式に京都議定書を批准した。議定書の目的は温室効果ガスの発生を減らすことである。現在の悪い流れを押し留めるために、誰にでもできることがある。例えばテレビをリモコンで消すだけではなく、スイッチを切ることで年間32.91kgもの二酸化炭素排出を抑えることができる。

トルコは今日(26日)、地球環境の悪化を食い止めるため生み出された唯一の国際活動の一員となった。遅れに遅れたものの、トルコは2009年初めに京都議定書に参加することを決定し、関連する法案をトルコ大国民議会で採択、国連へ提出していた。手続きが完了するまでの90日間が今日で満了となった。

■京都議定書とは?

京都議定書とは、地球環境の悪化に対する対策として国連が1997年に日本の京都市で開催した環境会議において、参加した各国政府によって採択された合意。これによれば、先進諸国は温室効果の原因となる二酸化炭素の排出を2008年から2012年までに5.2%削減することを見据えている。国連の資料によると、2001年以降84ヶ国がこれを批准し、34ヶ国が批准に向け)合意した。最後にロシアが2004年11月18日に参加したことにより、その90日後の2005年2月16日付けで本議定書が施行された。しかし、法的な拘束力がなかったため、この合意のあとも温室効果ガスの減少はみられなかった。また全世界の温室効果ガス排出量の25%を排出しているアメリカや、1.5%をもつオーストラリアはこの議定書にサインしないと発表した。こうして京都議定書は最初からつまづくことになった。環境保護団体などは、アメリカをはじめとする先進国が京都議定書に参加し定められた規則に従うべきだと訴えている。

(中略)

■エーゲ海地方で高い数値

トルコ全土で2422人を対象に行ったアンケートによると、経済活動が活発で収入も多い地方、たとえばエーゲ海地方で、二酸化炭素排出量がもっとも多く、東にいくに従い数値は下がる。車などの交通手段による一人当たりの二酸化炭素排出量も、エーゲ地方が同様に一番多い。南東アナトリアでは数値は最低となる。家庭からの二酸化炭素排出量では、地中海が低く、内陸アナトリアでは高くなる。気候の影響で、南から北へ数値があがる。

■トルコは火力発電所だらけ

(国連に提出された)レポートにおいて、もっとも注目される点のひとつは、トルコのエレルギー生産方法である。トルコでは、1990年から2006年の16年間に、水力発電による発電力が2倍に増加し、130億8600万ワットに達した。この増加にもかかわらず、トルコにおける消費電力のうち、水力発電分が占める割合は40%から25%に減少した。トルコは、うなぎのぼりの電力消費に対応するため、石炭や天然ガスによる火力発電所に依存している。火力発電所がトルコの消費電力にしめる割合は75%に達する。

■農業生産からは少なく、廃棄物から多い

 もうひとつの注目される点は、1996年から2006年の間に、農業部門からの二酸化炭素排出は大幅に減少した。これに対し、ゴミなどの廃棄物からの二酸化炭素排出は記録的な増加を示している。堆積した廃棄物がくさって大気中に濃度の高いメタンガスを含む「ゴミ・ガス」を放出している。この種のガスの一部は、二酸化炭素の24倍もの影響力をもつ。

■総排出量は、ヨーロッパの第7位

トルコに一人当たりの二酸化炭素排出量は少ないが、人口が多いため、総量としては大きくなる。このため、2006年の排出量をみると、トルコは2006年の数字では、ヨーロッパの30の国の中で第7位となる。一方、一人当たりの排出量ランキングでは、後ろから2番名である。

■トルコの状況

トルコは、環境に関する合意への署名が開始された(1992年の)リオ・デ・ジャネイロの環境サミットにスレイマン・デミレル首相が決定権をもつ代表として参加したものの、「リオ宣言」には署名を行わなかった。経済協力開発機構(OECD)の一員として環境条約の追加第1リストに載っていたトルコは、署名のかわりにリストからの削除を求めてロビー活動を行った。結局第1リストからは外されなかったが、2001年には第2リストから削除された(実際には、削減ノルマを負わされるのは第1リストなので、第一リストからの除外だけでよかったはずだった)。リオ宣言に署名しなかったため、京都の会議に実質的に参画することなく、また自動的にBリストに入っていなかったため京都議定書の適用外となったトルコは、京都議定書の参加国にならず削減ノルマを負うこともなかった。

こうしてトルコは地球温暖化問題において、動きの遅い、世界の動向の横目でみながら時間かせぎをする国となった。署名期間中は(リオ宣言の)基本合意への署名をしなかったが、それでも2004年には直接、議会に提出され、(基本合意は)採択された。この合意によってもたらされた最も重要なノルマである温室効果ガスの排出記録の提出は2006年になって、つまり「リオ宣言」から14年経って、国連へ提出された。この記録によって、トルコは1990年に1億7千万トンだった排出量を、2004年には3億5700万トンまで、つまり110%、増加させていることが明らかになった。これによって、世界の排出量の1.3%を占め、世界で13番目に温室効果ガスを排出していることが明らかになったトルコは、ついに今日、京都議定書へ参加した。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:17288 )