Fikret Bilaコラム:政府の「クルド問題解決策」の方針に変化
2009年09月04日付 Milliyet 紙

「クルド問題解決策」と名付けられたプロセスを、「国民統一プロジェクト」と呼び始めた与党側は、方針を変えた、または新たな方針をとったと言えるだろう。
プロセスの初期には「境界」を明確にしなかった政府は、特にイルケル・バシュブー参謀総長が8月30日にメッセージを寄せて以降、「同様」の態度を取り始めた。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の直近の演説における強調然り、ベシル・アタライ内務大臣の直近の記者会見然り、DTP(民主市民党)との「間が開いたことを」示している。
当初、枠組みを定めずに出発した政府は、ひと月後、憲法第3条で述べられているものについては議論の外にあることを宣言した。与党側は、DTP―PKK筋と、彼らを未だその内容が不明な解決策を通しどこまでも援助する知識人らを、孤立させているように見える。

■ディヤルバクルへの返答

エルドアン首相は一昨夜、警察学校で、新たに定まり始めた態度をより明確にした。「どんな条件下においても、国家と政府がテロ組織またはテロリストと交渉すること、彼らと議論の場に着くことは断じてない」と述べ、DTPがディヤルバクル集会で述べた要求に早急に返答した。イムラル島からの要求とDTPの発言に対し、憲法第3条の制限下に止まることを強調し始めた政府が、次第に「DTPの責任を問う」という方向に舵を切ったことが見て取れる。エルドアン首相の側近顧問の1人と知られ、イェニ・シャファク紙で「ヤスィン・ドアン」の名で記事を書いているヤルチュン・アクドアン氏の昨日の記事は、この態度の明確な例だ。
アクドアン氏の昨日の記事の見出しはこうである:
「DTPの恐ろしい発言はプロセスを困難にしている」
その記事でアクドアン氏は次のように述べている:
「DTPは、民主的解決プロセスを、クルド系の国民の基本的権利と自由を発展させ、問題を軽減するための改善策でなく、政治的クルド主義を飛躍させる踏み台にしようとしている。すべての問題をオジャランを救い、PKKを合法化することに収斂させてしまっている」
そして、次のように続けた:
「解決策の目的は、オジャランをクルド問題解決プロセスに関わらせ、彼を救い、PKKとその闘争を合法化することではない。」
アクドアン氏は、DTPを厳しく批判していた:
「DTP党員らの今日の状態は、『王よりも王制を支持』することに似ている。つまり、オジャランがしばしばこのDTPを見下すのは当然のことなのだ…」

■悲観的空気

アクドアン氏の記事は、将来に対する悲観も含んでいた。DTPを批判して、次のように述べている:
「様々な人々を扇動し、解決プロセスを支援する人々すら恐れさせる怖れを知らない物言いは、問題をより深刻化させる。ディヤルバクルでの発言はプロセスを熱心に支援する多くの人々を挑発・刺激し、そして、もしかして、と考えさせ始めただろう。」

■誤算

政権側の発言と態度の変化には目を見張るものがある。もしも政権がDTPをこのように見ているなら、ことの始めに「誤算」があったということだ。政府がDTPとPKKをよく分析せず、準備の足りないまま出発したことを示す。
アクドアン氏がDTP党員について用いた、「王よりも王制主義者」という例えは、実は、与党に代わり中身の知れない解決策を、政府にまして支援した者たちについても言える。政府側の新たな態度と発言は、どのような状況でも政府を支援する、または支援しなければならない者たちがしばらくして後ろを振り向いたとき、彼らが政府の支援を受けることができないことの徴である。」

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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:17371 )