メディア代表団のエルサレム訪問にヨルダンの組合が「イスラエルとの関係正常化だ」と反発
2009年09月10日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ヨルダンの職能組合、メディア代表団のエルサレム訪問を“正常化”とみなす

2009年09月10日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【アンマン:本紙】

ヨルダン外務省が組織したメディア関係者の代表団が火曜日からエルサレムを訪問中だが、イスラエルとの関係正常化に反対する人々によるこの訪問への反対キャンペーンが、昨日水曜日にも続けられた。職能組合はこの訪問を“正常化”だとみなしている。

昨日水曜日に組合評議会の臨時会合が開かれ、14の組合の代表者とジャーナリスト組合のアブドゥルワッハーブ・アル=ズガイラート組合長が出席した。評議会は声明を出し、イスラエル大使館からのビザ取得は、正常化に組する行為だとの見解を示した。

しかしジャーナリスト組合の組合長はこの評議会の姿勢を拒否し、イスラエル人と接触しないことを条件に公務として組合員がパレスチナを訪問することを許可するという、ジャーナリスト組合の規定を改めて確認した。この規定は1994年にヨルダンがイスラエルと和平条約を結んだことを受けて、組合が決定したものである。

組合評議会は声明でイスラエル大使館からのビザ取得は正常化に組する行為とみなされると述べながらも、ジャーナリスト組合がイスラエルとの関係正常化に反対する活動に果たして来た役割は称賛した。また、12紙が参加した今回の訪問をボイコットした独立系の『アル=アラブ・アル=ヤウム』紙にも賛辞を送った。

ヨルダンの職能組合はいずれも、組合員がいかなる形式であれイスラエルと関わることを禁じており、違反した組合員には組合員資格の剥奪を含む罰則を科している。組合の大半はイスラーム勢力が握っており、組合員の数は合わせて9万人を越える。
(中略)

 メディア関係者のエルサレム訪問はヨルダン外務省によって組織された。1967年にエルサレムが〔イスラエルに〕占領されて以降、イスラームおよびキリスト教の宗教財産がイスラエル宗教省の管轄化におかれることを防ぐため、ヨルダンがその監督を続けてきたが、訪問団はそうしたヨルダン政府の努力を視察する予定である。組合の関係正常化抵抗委員会は、訪問に参加したジャーナリストたちの名前をブラックリストに載せると警告しており、ジャーナリスト組合はこれを非難している。

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( 翻訳者:中島希 )
( 記事ID:17488 )