父が容疑者ジェムに宛てた手紙
2009年09月20日付 Yeni Safak 紙

ジェム・ガリプオールの拘束中の父、ニダ・ガリプオール氏は、息子が自首を拒んだときのため、彼に宛て手紙を書いていた。

弁護士アイテキン・カヤ氏が別紙に書き移した手紙で、ニダ・ガリプオール氏は、ジェムを深く愛していることを強調し、「何かの間違いがおきた。お前はなにか失敗をしたのだろう。法廷と弁護士を信じなさい、自首しなさい」と書かれている。カヤ弁護士は、ジェムが素直に自首したため、手紙を彼に見せなかったと述べた。

ヒュッリイェト紙の情報によると、同紙は、ミュネッヴェル・カラブルトさん殺害の容疑者ジェム・ガリプオールの父であり、拘束中であるニダ・ガリプオール氏が息子宛に書いた3枚の手紙を見つけたという。ガリプオール氏は、9月15日に委任状を受け取るために彼のもとに訪れた弁護士アイテキン・カヤ氏へこの手紙を渡し、手紙の中で、息子へ「自首しなさい。司法を信じなさい」と呼びかけている。

カヤ弁護士は、ニダ・ガリプオール氏が法医学報告書の裏に鉛筆でなぐりがきのようにメチェクチャに書き、カヤ氏が手書きで清書した手紙を、ジェム・ガリプオール容疑者に渡さなかったと述べた。カヤ弁護士は、手紙がニダ・ガリプオール氏によって息子へ、最終的な段階で自首しなそうな場合に備えて書かれたものであると述べ、以下のように語った。

「ジェムが私を信用せず自首しようとしなければ、手紙を彼に渡すつもりでした。私たちの間に自首をめぐり問題が起きていたら、『見なさい、君のお父さんもこれを書き送ったのだ』と言うつもりでした。しかし、あの子の状態は普通でした。あの手紙を見せて彼をさらに悲しませたくはなかったのです。手紙を渡せば、おそらく随分と感傷的になってしまったことでしょう。ただ彼の父の気持ちを彼に伝えました。」

■父から息子へ宛てた手紙

ニダ・ガリプオール氏が書いた、「愛する息子へ」で始められ、「ずっとおまえを愛してきた、愛している、これからも愛する。父より。」という言葉で締めくくられている手紙は以下の通りである。

■何か間違いが起こり、君は自分を見失ったのだろう

何か間違いが起こった。おまえはとてもつらい日々を過しただろう。私たち家族もつらい日々を過した。願わくば、私たちがこの苦難の日々を乗り越えられるように。息子よ、これからおまえがするべき必要なことを書く。弁護士のお兄さんの話をよく聴くように。彼はとても経験豊富で、家族ぐるみの付き合いのある人だ。彼の薦めに従うように。全てを説明しなさい。彼もそれを望んでいる。彼が強調するようにいったことは、強調しなさい。息子よ、人は過ちを犯すものだ。恥ずべきこと、ひどく苦しむことをしてしまう。それはしてはいけないことだ、だが人生には時々、困難な状況は起こるものなのだ。おまえも過ちを犯した。おそらく、自分自身を見失ったのだろう。結果はおそろしいものだ。おまえの心の中にはずっと穴が開いたままになるだろうことはわかっている。私も、おまえの母さんも兄弟たちも、この穴を埋めてあげたい。互いに結びつこう。未来を見るのだ。神に祈っている。おまえも祈りなさい。司法を信じなさい。

■何をしたとしても、私たちはおまえを愛している

愛する息子よ、苦しみは愛でもって乗り越えられる。お前も罪を償って(刑務所から)出るのだ。いつかかつてのように一緒に暮らそう。母さんも、兄弟たちも、おばさんも、おじさんたちも、従兄弟たちも、みんなお前が大好きだ。みんな悲しんだが、過去は戻らない。お前が何をしたとしても、私たちはお前を愛している、それも深く。私は出合う人全てに、おまえが素晴らしい子だと話しているよ。

■私たちは車を壁にぶつけたのだ、たいしたことでは無い、お前が無事ならば

望まないのに、何かの間違いが起きた。車を壁にぶつけたようなものだ、たいしたことは無い(上に線が引かれ消されている)。お前が無事で、元気なら。私はこれから必要なことは全てするつもりだ。お前がこの苦しみと恐怖に負けないために、あらゆることをしよう。新しい日々が始まるのだ。強くなれ。信念を絶やすな。絶対に希望を失ってはいけない。信じなさい、過ぎてきたこの何ヶ月に比べれば、もっとずっと良くなるだろう。私はお前を決して一人にはさせない。お前は私の命よりももっと大事だ。お前を絶対に一人ぼっちにはしない。私の愛する息子よ。

■絶対に興奮しないように 過ちと向き合うのだ

それが何であろうと、お前が何をしようと、私はただお前の味方をする。お前のような息子がいることをずっと感謝し、喜んできた。この幸せ、この誇りは私が生きている間、ずっと続くだろう。ここにいる間、ずっとお前のこと、いいことだけを考えていた。その内にわかるだろう、おまえの(これからの困難な)日々は数える程のもので、いつか過ぎてしまう。家族揃って、昔のように、お前たちの成功を見ることができるだろう。どうか今日までしてきたように、お父さんを信じなさい、私の言うことを聴きなさい。弁護士のお兄さんを信用しなさい。彼が黙秘権を使えと言えば、その通りにしなさい。これはお前の権利だ。絶対に興奮しないように。何度も言う、お前は過ちと向き合うのだ。全てを説明しなさい。私にとってもとてもつらいことだが、お前はもう自首しなければいけないと思っている。

■おそらく、あの家族はもっと苦しんでいる

私は身も引き裂かれるような気持ちでいる。しかし息子よ、このように悶え苦しんでいるのは、ただ私や私たち家族だけではないことを知って欲しい。あの子の父親も、家族も、おそらく、もっと苦しんでいるはずだ。この苦しみを説明することは難しい。お前も苦しんでいるだろう、お父さんにはわかっている。だが、ずっと言ってきたように、お前はもう大きくなった(最初に、「大きくなった」の変わりに、「一人前の男になった」と書かれてあり、それは消されている)。とても高い教育を受けた。ずっと優秀だった。私をいつも誇らしい気持ちにさせた。小さな体、大きな心、そして信念でこのつらい出来事を乗り越えることを信じている。

■絶望に陥るな

追伸:健康に気をつけるように。食事をよく取るよう注意しなさい。逃げること、人生を諦めることでは何も得られない。どうか忘れないでほしい、私の唯一つの希望は、私が引退したあと、お前とお前の兄弟たちが仕事を引き継いでくれることだ。

お前をずっと愛してきた、愛している、これからも愛する。父より。

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( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:17498 )