アーザーデガーン油田開発、中国が権益の70%を獲得
2009年09月29日付 Jam-e Jam 紙

【経済部】過去数年間にわたって、資金調達と開発本格化への期待が高まっていたイラン最大の油田アーザーデガーンの開発に関し、今後中国国営石油公社の手に委ねられることが、昨日スイスのローザンヌで決まった。

 ジャーメ・ジャム紙の報告によると、アーザーデガーン油田は我が国、そして世界でも最大級の油田であり、1379年〔西暦2000年〕に原始埋蔵量420億バレルの油田として発見された。

 アーザーデガーン油田はアフヴァーズの南西83キロのところに位置しており、面積は900キロ平方メートル以上である。

 同油田から産出される原油は、超重質原油という種類のもので、計画では現在アーバーダーンに建設中の第2精製施設で利用される〔=精製される?〕予定となっている。

 日本企業INPEX(国際石油開発帝石)は1382年〔西暦2003年〕、アーザーデガーン油田開発に投資を行う意向を表明、イラン南部に20億ドルの予算をつぎ込むことを決意した。しかし世界の列強によるイラン石油産業への圧力・制裁によって、日本は〔契約締結から〕4年後、アーザーデガーン油田開発へ向けた対イラン投資から事実上撤退、ある意味「ほぞ」をかんで、10%のシェア確保で満足することとなった。そしてイラン国営石油公社と中国国営石油公社(CNPCI=China National Petroleum Corporation International)との間の1年間にわたる交渉の末、開発計画の停滞が解消、最終調印へと至った。

 INPEXの撤退後、国内企業連合及びペトロパールス社が油田開発に着手、同油田に関しイラン国営公社の主要下請け企業となっている「イラン南部石油産出地帯国営公社」が試験的に、昨年エスファンド月〔2009年2月下旬〜〕に同油田から2万5千バレルの原油生産に成功した。現在、同油田からは日量3万3千バレルの超重質原油が生産されており、国営石油公社の発表によれば、生産量はメフル月末〔10月下旬〕までに5万バレルにまで引き上げられる予定だという。ただし、アーザーデガーン油田から5万バレルの原油生産を達成するという目標は、昨年バフマン月〔2009年1月下旬〜〕には実現される予定となっていた。

 石油開発プロジェクトでの資金調達を担っているNICO社(Naftiran Intertrade Co.)は、アーザーデガーン開発プロジェクトで90%〔※原文には70%とあったが、誤りと判断した〕のシェアを握っていたが、昨日の契約で、同社は中国国営石油公社に自らのシェアを譲渡、中国はイランの石油・ガスプロジェクトへの参入という手柄を、アーモンド・アイの日本人たちに見せつける格好となった。

 この契約により、NICO社が保有していた90%の株式から〔プロジェクト全体の〕70%にあたる株が中国企業に譲渡され、残りの20%をNICO社が、10%をINPEX社が保有することになった。これまでは、アーザーデガーン株式の90%をNICO社が、10%を日本側が保有していた。

 今回の契約締結により、アーザーデガーン油田開発計画にかかわる資金問題は解決へと向かう見込みだ。同油田の開発は2フェーズに分かれ、それぞれ日量で15万バレル及び11万バレルの原油生産が行われ、合計で日量25万バレルとなる予定。

 油田開発をめぐる国内の資金不足と海外からの投資の欠如が、当初の計画にもとづくプロジェクトの実行を阻んできた。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:17557 )