外交貨物から密輸骨董品が発見:一部が報道陣に公開
2009年10月05日付 Jam-e Jam 紙

【事件部】テヘラン南部税関を通過しようとしていた外交貨物の中から、歴史的に貴重な骨董品数千点が発見された事件に関し、これらの品々が税関関係者立ち会いの下、報道陣に公開された。

 報道中央局が伝えたところによると、イラン・イスラーム共和国税関の報道官は公開された骨董品を前にして、これらの品々は発見された骨董品数千点のうちのほんの一部にすぎないと説明、これらはセバスチャン・ザワラという名のアルゼンチン外交官の個人的な荷物として、国外に持ち出されようとしていたものだと述べた。

 モハンマド・ベフブード・アーハニー報道官は、これらの古代の遺物の価値について、「これらは国民アイデンティティと一国の歴史を物語る〔第一級の〕資料であり、これに値打ちを付けることはできない。一国民の歴史的アイデンティティに対して、物質的な観点から値打ちを付けることは不可能なのだ」と語った。

 同報道官はさらに、「他方、一次的な専門調査によると、これらの品々の価値は極めて高く、またその種類も多岐にわたるため、値打ちを付けられる一部の品々の価値を判定しようとすれば、多数の専門家が必要となるだろう」と指摘した。

 同報道官は、「我が国の骨董品や古代の遺物が外交貨物として密輸されるような事態は、これが最初ではないし、最後でもないだろう。世界の各国でも、外交貨物は我が国と同様に、税関検査を免れているのか?」との問いに対し、次のように回答した。「領事関連の条約により、外交貨物は税関による検査を世界中で免除されている。しかし、各国の税関が貨物に対して不審を抱いた場合も、それらを検査できないということではない」。

 同報道官はその上で、次のように明かした。「疑わしい外交貨物があるとの情報があれば、税関はただちに外務省ならびに関係大使館の代表者たち立ち会いの下、貨物検査を行うことになっている。今回の貨物に関しても、このようなことが行われた。そして検査をしたところ、このアルゼンチン外交官の貨物から骨董品や古代の遺物数千点が発見されたのである。申告では、この貨物は個人的な荷物・家財道具ということになっていた」。

 同氏はこの密輸貨物の中に入っていた骨董品の種類について、「イスラーム前のパルティア・サーサーン朝時代のコイン、極めて古い写本、イスラーム初期・中期の金属・陶器類などがこの貨物の中から発見された」とし、さらに「動物の毛皮や体の一部分、昔の刀剣類や銃器、碑文、古い時代に作られた貴重な扉、極めて貴重な金箔付きコーランや文書、アンティークな装飾品なども、この貨物に含まれていた」と語った。

 同氏はさらに、「この貨物に含まれていた品々の種類は極めて広範囲に及び、それだけで大規模な展覧会、あるいは博物館を開くことができるほどだった」とし、「もし税関をはじめとする関係者がうっかりしていたら、これらの貴重な品々は国外に持ち出されていただろう」と述べた。

 同氏は今回発見された骨董品・古代の遺物が今後どうなるのかについては、「この密輸品の種類は極めて広範囲に及ぶため、法的手続きを踏んだ上で、密輸品の種類に応じて分類され、関係機関に委ねられることになるだろう」と語った。

 同氏は今回の密輸品の提供に国内分子も関与していたことに遺憾の意を表明し、「現在、法的チャンネルを通じて、事件の関係者らへの捜査が行われているところである」と述べた。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:17592 )