犯罪容疑者に被害者関係者がリンチ要求
2009年10月11日付 Radikal 紙

シャンルウルファのヴィランシェヒルで8歳の子どもを虐待しようとしたとして罪に問われている2容疑者がリンチを要求された。

シャンルウルファ県のヴィランシェヒル市で、8歳の少女D.Kちゃんを金銭により騙そうとしたとされる二人の容疑者が、逮捕され連行された警察署において、被害者少女の親族からリンチを要求された。事件を聞きつけ集まった約1000人は容疑者の二人の引渡しを要求し、無理やり警察署内に入り込もうとした。力で阻止されたその集団は、容疑者のものだとされる小型トラックを破壊する一方で、緊張状態が最高潮に達さないよう、軍警察も警察署の前で加勢部隊として任務を命じられた。
事件は今日(11日)の10時頃にエヴレンパシャ地区のセルチェ通りで起きた。パンを買うために家族におつかいを頼まれて商店へ向かったD.Kちゃんに、通りに停車していた小型トラックに乗った二人の人物がお金を渡し彼女を誘拐しようとした。知らない人に誘われたことで恐がり家へと逃げたD.Kちゃんは、そのことを父親のメフメト・Kさんに説明した。メフメト・Kさんとほかの家族は通りに出て、63/011ナンバーの小型トラックに乗った30から35歳くらいの二人に殴りかかった。通りでの諍いに気付いた近隣の人々が警察に通報し、通報を受けた警察が諍いを止める一方、二人の容疑者は逮捕された。
2人の容疑者は逮捕されたが、姓名は明かされておらず、トラックとともにカラジャダア大通りにあるヴィランシェヒル市庁舎の突き当たりにあるイェニマハッレ警察署に連行された。この間に通りに集まった群衆は、事件がD.Kちゃんの誘拐目的であったことを知ると、容疑者たちをリンチするために警察署まで行進した。電話で事件の知らせを受けた多くの人々も加わったその群衆は、しばらくして警察署の前に集合し、「彼らをわれわれに引き渡せ」と叫び始めた。
逮捕された容疑者たちが、「子どもを誘拐しようとし」、「子どもの臓器を盗んで売り」、「カイセリで子どもを誘拐した人物たちである(訳者註:今年の9月のバイラムにカイセリで子供三人が行方不明となっている)」という噂が広まったことで、しばらくすると警察署の前には約1000人が集結した。歩哨にたつ警官たちを追い越して警察署内に入ろうとした群集は、そこにいたその他の警官たちの介入により力で阻止された。激怒した群集と警察勢との間で押し合いとなった。中に入り、容疑者たちに罰を与え、リンチすると叫ぶ群衆は、その後容疑者たちが使用し、警察署前に止められた63/011ナンバーのトラックを破壊し始めた。トラックをひっくり返し、窓ガラスを割り、トラック荷台部分の布を引き裂いた怒り狂った群集は、入ることの叶わなかった警察署に向けて石を投げ始めた。
警察はこれを受けて、怒り狂った群集を散らすために、空に向かって銃を撃ち、続けて3つのガス爆弾を投げつけた。一方、この騒動で、そして投げられた石などにより二人の警官が軽傷を負った。緊張状態の高まりを受けて、ヴィランシェヒル市軍警察の兵士たちは加勢部隊としてヴィランシェヒル市庁舎と、その先の容疑者たちのいる警察署での警備が命じられた。警告にもかかわらず分散しない群衆は、引渡しを要求している容疑者たちを保護しているとして警官たちに何度も野次を飛ばした。この緊張状態により、シャンルウルファからも多くの警官がヴィランシェヒル市へと派遣された一方で、市の警察長官であるイブラヒム・バイェル氏は群集をどうにか落ち着かせようとしたが、功を奏しなかった。

■ 民主市民党(DTP)出身の市長は拍手喝采を受けた
ヴィランシェヒル市で緊張状態が続く一方で、民主市民党系のレイラ・ギュヴェン市長もまたこの群集のもとを訪れた。到着するや拍手喝采を受け、「最も偉大な市長、われわれの市長」という称賛を受けたギュヴェン市長は、群集に落ち着くよう述べ、警察署内へと入り署長らと話し合いを始めた。ヴィランシェヒル市内では、警察署前に群衆が集まる原因となった緊張状態は現在も続いている。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:17633 )