ドラマ「カパルチャルシュ」にでてくるシャイフみたいな人いるの?
2009年10月11日付 Yeni Safak 紙

シリーズドラマ、「カパルチャルシュ」でジェマルはアラブの族長(シャイフ)に驚異的な(値段の)絨毯を売って店を守っている。昔のトルコの映画に出てくるような、札束を驚きもせずに渡すアラブのシャイフを彷彿とさせる客は実際にいるのかをカパルチャルシュの中小業者たちに尋ねた。

atvで放送されたカパルチャルシュシリーズは、トルコの映画の中で、欲しい品質の商品を買うため、値段を見ないで買い物をし、ポケットからドルの束を即座に取り出す “金持ちのシャイフ”のキャラクターを彷彿とさせる。トルコの映画の中でも、アラブ諸国からトルコへやってきた、石油の富があるシャイフらは、お金を湯水のように使っている。実際の生活では、カパルチャルシュに来る有名人たちがいると聞くが、しかしこうした客の実態は真実なのであろうか?ポケットのドル束と共にやってきて、買い物をする人はいるのだろうか?カパルチャルシュに出向き、店主達に尋ねてみた。

■VIPな客はVIP待遇を

私が話をした中小業者のかなり多くが、この質問をすると笑った。おそらくこのような客はいないようである。語ってくれたところによると、カパルチャルシュはしかしながら本物な場所であるとみられている。頻繁に有名人やお金持ちがカパルチャルシュを単に歩いたり、店をのぞくという目的で訪れ、店の前を通りがかって行く。さらにカパルチャルシュは高いというイメージがあるために、特にここでは買い物をしないのである。

かなりの有名人やお金持ちの客がとりわけ1人でカパルチャルシュを見て歩くこと、そうして目にとまったいかなる店に入ることも、ほとんどあり得ないことである。もし、やってきた客をもてなす者、もしくは案内人のうちの一人があなたを知っていれば、おそらく店に立ち寄る可能性があるだろう、本人が買い物をするのならばである。
こうして来た客はVIPとしてやってきて、VIP待遇を受け、買い物をする予定であれば、お付きの者によって大きな会社に遣られる。このタイプの客へは出費を惜しまないことが求められる。これは中小業者が行うのは不可能である。つまりドラマの中のように、中小業者はジェマルがシャイフに絨毯を売って店の危機を救うというのは、ほぼあり得ないことのようだ。

■ 金持ちは自分自身を隠す

しかし、バザールにそのような客がいるという話があがった。トンバック細工販売店のメフメト・アルカンさんは「カパルチャルシュにはいつの時代にも必ずかなり有名で私たちが知るよしもないようなすごくお金持ちの客がもてなされている。誰も自分が金持ちであるようなそぶりは見せません。正体はしばらくしてからバザールで評判になる。お金持ちは自分の正体を隠すのです」と語った。そこへは客としてマイクロソフトのある大株主である女性がやってきたらしい。

■ シャイフ達は私達の元へ来る

一方絨毯屋達の間で有名人やお金持ちに絨毯を売る唯一の人物がある、それはハカン・エヴィンである。今日に至るまで、とても多くの有名人へ絨毯を売ってきた。ドラマの中の客のような人はいるのかいないのかを尋ねると、「いないことがあるだろうか、もちろんいる。絨毯を気に入った時にはお金を決して惜しまない。4か月前サウジアラビアの王子である海軍司令官がここへやってきた。とても高いとはいえないが、48,000ドルの買い物をした。このお客は夫人と来た時には、値段はつりあがる。100,000ドルが200,000ドルにまで達した。」と答えた。

■ 特別な絨毯の注文も本当に来た

ハカン氏は、このような客はいないと語る中小業者は、どのみちそうした客に提供する品物がないのだと言った。「この手の客達はとても物知りである。“ラッキーだ。王様が来て買い物をしていった”などということはない。絶対に直接やってくることはない。事前に仲介者が調べる。店を見て回ることは稀である。不意にやってきた客の最も高額な売り上げは80,000ドルである。」と続けた。

ハカン氏は、映画に出てきた驚異の絨毯の10倍の大きさをもつ絨毯の注文がきたけれども、実際に作ることができなかったと言った。そして、「サウジの王様は私達に注文をくれた。20×20の絹糸を用いた絨毯だった。ご要望の時期に、作ることができないため、注文を受けられませんと答えた。この注文は200万ドル近い値段になりそうだったが、作ることは不可能だった。映画の絨毯は1.5メートル近い大きさだった。でも注文はその10倍の大きさだった。」と話した。

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( 翻訳者:猪股玲香 )
( 記事ID:17634 )