PKKメンバー投降の舞台裏
2009年10月20日付 Radikal 紙

イムラル島で終身刑に服しているアブドゥッラー・オジャランは、政府が始めた「民主的解決」プロセスが行き詰っていると主張し、北イラクにあるカンディル山とマフムル・キャンプから2つのグループがトルコに投降することを10月9日に要請していたことが明らかになった。
オジャランのこの呼びかけは「1週間検討、吟味され」、DTP(民主市民党)と内務省との会談の後に発表されたと主張されている。

DTPに近い筋から、さらにその他の情報源から得られた情報によると、分離主義者のリーダーであるアブドゥッラー・オジャランが行った、トルコ国外から3つのグループを投降させるための呼びかけは、今月9日に行われた弁護士との面会において口に出されたという。PKKに近いフラト・ニュース通信はオジャランの言葉を「修正を加えながら」次のように報じた。
「政治の先導なくして結果を出すことはできない。そして政治も行き詰ってしまった状態だ。今は、政治家たちも行き詰っている。私には、この状況を打開するためにうってつけの提案がいくつかあるので、実行するつもりだ」
ヨーロッパ、カンディル山、マフムルからトルコへ3つのグループが投降するようにというオジャランの呼びかけを伝えられたイラク北部の組織リーダーは、この件に関し行動を開始し、(投降メンバーの)名前をひとりひとり明らかにした。オジャランが今月9日に発言した内容は、14日に発言したかのように報じられた。1週間の間報じられず、「発言されたばかり」のように伝えられたオジャランの言葉は、以下のようであったといわれている。
「民主政治には深刻な行き詰まりが生じている。クルド問題に関連して発生している行き詰まりを打破し、民主政治の未来を切り開くことが必要だ。このための私が提案するのは、以前トルコにやって来た「平和の使者」のように、ヨーロッパから、また国内ではマフムルから、そしてクルド人も住んでいる南部(イラク北部を指す)から2つのグループが、クルド人がこの国でどのように暮らすか、そして共に暮らすことができる不可欠な原則を提唱し、クルド人の民主的権利や自由に関する基本的な要望を議論するためトルコへ来ることである」

■PKKは準備をし、DTPは政府と連絡
治安関係者からの情報では、オジャランのこの提案はDTPにも伝えられ、党幹部たちは政府や内務省筋と連絡を取っていたことが明らかになった。DTPのメンバーは政府の姿勢を尋ねたという。DTPメンバーがPKK(クルド労働者党)メンバーの投降について「柔軟な対応」を望んでいるとされる一方、PKKの「平和の使者」が来る日にDTPがシュルナクのスィロピ地区で集会を開く予定であると発表され、そのことが政府側を不快にさせる原因になったことがわかった。DTPのアフメト・チュルク党首に17日電話をしたベシル・アタライ内務相は、この電話会談で、投降してくるメンバーを市民団体や知識人からなるグループが迎えることにより意義があり、大規模な出迎えは挑発と混同される」ことが予想でき、社会が神経質になっていることを考慮する必要があると話したという。
またオジャランはPKKメンバーのトルコへの投降にあたり「大使」の役を行うため、1999年にトルコへやって来た「平和の使者」と呼ばれたPKKメンバーのうちセイディ・フラトを、また少し前に釈放されたアイセル・ドアンを推薦したことがわかっている。

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( 翻訳者:川原田喜子 )
( 記事ID:17700 )