24歳の青年、ネズミ講の被害に遭い、自殺未遂
2009年10月15日付 Jam-e Jam 紙


【事件部】あるネズミ講に投資をしたために財産を失った24歳の青年が、自殺を図り、生死の境をさまよっている。

 青年の名前は、この際どうでも良いだろう。青年はいまや、一人では最低限のこともできない不具の体となってしまった。現在24歳の彼は、残念なことに近年キノコのように増殖を続け、国家・国民の資産を略奪しては突如として姿を消す、ネズミ講の甘い罠にかかってしまった。莫大な富を手に入れるという夢のために、なけなしのお金を詐欺師たちに渡してしまった数百、数千の人々は、こうしたネズミ講のせいで路頭に迷う生活を余儀なくされているのだ。

 あるネズミ講の末端勧誘員に欺され、つい数日前まで億万長者の夢に浸っていた24歳の青年。そんな彼は今や、自殺未遂を犯し、自立した生活を続けることも困難な、体の麻痺した若者になってしまった。今日ネズミ講の犠牲者となったのは、この青年だ。明日は誰の番になるのだろうか?

事件の始まり

 経済犯罪対策第三課のアフマディー予審判事は、この若者の事件について、ジャーメ・ジャム紙に次のように述べている。
数日前、若者の両親が検察庁を訪れ、訴えを起こした。インターネットを通じて幅広く投資家を勧誘していたあるネズミ講に、子供が200万トマーン〔約20万円〕の投資をしたというものだった。資金の多くは、借金をして工面したものだったという。

若者はそれからしばらくして、新たな投資家の勧誘を始めた。ネズミ講の甘い約束によると、新たな投資家を獲得すれば、その分配当が得られるからだ。こうした約束が偽りだったことに気が付くと、若者は彼を勧誘した人物のところを訪れ、初期投資した200万トマーンの返還を求めた。しかし、返ってきた返事はノーだった。

自殺を図る

 ネズミ講を訴えた両親の話によると、この返事を聞いた24歳の若者は絶望し、億万長者の夢は悪夢と変わった。若者は多量の薬物を口に入れ、自殺を図った。若者は病院に搬送され、重い中毒症状のために両足に麻痺が残ってしまった。

 経済犯罪対策第3課の予審判事は、次のように述べている。「この訴えを受け、本件の捜査を命ずる司法命令が下った。捜査官らは、事件についての情報を収集、商社の看板を掲げて活動していたネズミ講の事務所を閉鎖し、同事務所にいた数名を逮捕、彼らに対する取り調べが始まった」。

 同判事は、さらに次のように言う。「捜査の第二段階が始まると、このネズミ講の末端勧誘員は手広く宣伝を行い、投資をすれば巨額の配当金が支払われると約束をして、勧誘を行っていたことが判明した。勧誘員はさらに、従業員の募集や投資額に応じた保証配当金の支払いなどを宣伝する広告を出し、広範囲に多くの人々を勧誘していた。勧誘された人々の中には、巨利が得られるという夢のために子供の装飾具を売ってまでして資金を工面し、領収書も取らずにネズミ講に財産を預けてしまった人もいた」。

 同予審判事は続けて、「本件に関する捜査は今も続いており、このネズミ講の活動について新たな情報が得られ次第、速やかに公表する予定だ」と述べた。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:17704 )