イランと米露仏代表、核燃料のイランへの供給をめぐる協議で新たな合意
2009年10月22日付 Jam-e Jam 紙


【政治部】昨日、テヘランの〔研究用〕原子炉で用いられる〔核〕燃料の供給をめぐる合意文書の草案が決まった。その中で、イランと〔燃料供給〕契約を結ぶ相手がロシアとなることが確定した。他方、フランスは〔協議の〕最後の瞬間まで、今回の合意文書の中で一定の役割を保持しようと懸命の努力を続けた。

 イラン国営通信(IRNA)の報道によると、三日間にわたってウィーンで行われた協議の参加国に対して昨日提示された合意文書の草案では、イランに〔核〕燃料を供給する契約の実行責任国として、ロシアが指名された。とはいえ、この合意文書を受け容れるか否かについての各国の最終的な見解は、本国に持ち帰ってそこで検討を行った上で発表されることになっており、同合意文書の提示が核問題の終結を意味するわけではない。

 ロシアがイランへの燃料供給契約の実行国として指名された道のりは、決して平坦なものではなかった。数週間前、イラン・イスラーム共和国と5+1諸国がジュネーヴで協議を行った後、ロシアがフランスとともに、テヘラン原子炉用の濃縮度20%の核燃料供給国となる見込みだとの情報が報じられた。それによると、イランから送られた燃料をロシアが20%まで濃縮し、その後この燃料をフランスが炉で用いられる燃料棒に変換する、という筋書きだった。

 この報道はもちろん非公式のもので、正式な形で発表されたのは、イラン、アメリカ、ロシア、フランスの四カ国が、テヘラン原子炉で使われる燃料の供給方法について合意を得るための協議を、メフル月27日〔10月19日〕月曜日にウィーンで開き、そこに国際原子力機関(IAEA)代表も参加する、という内容だった。

 イランがフランスをウィーンでの協議から排除したとの情報を国内の複数のニュースサイトが報じたのは、ウィーンで開かれた協議初日が終わったときのことだった。その翌日、イランのマヌーチェフル・モッタキー外相は、イランは自らが必要としている燃料をアメリカ及びロシアから確保する意向であることを、正式に表明した。

 イラン・イスラーム共和国はフランスを排除した理由として、同国がイランとの過去の約束を履行しなかったことにあると表明している。フランス政府は以前、様々な協定の中でイランと交わした約束に違反したことがあり、我が国との協力について芳しくない過去がある、というのである。

 フランス政府がイラン政府との協定違反を犯した最も重要な例として挙げられるのが、フランスにある「ユーロディフ」(ヨーロッパ・ウラン濃縮機構)の〔ウラン〕濃縮工場をめぐる問題である。ユーロディフをめぐる協定は、イスラーム革命前に〔イランとフランスの間で〕交わされたものだ。

 イランは以前から、ユーロディフの株式を保有している。フランスとイラン両政府の間で結ばれた協定では、イランがユーロディフの株式の10%を保有することが定められている。しかしフランス側は協定に違反して、イランがもつこの株式を凍結してきたのである。

 国家安全保障最高評議会書記の顧問を務めるアボルファズル・ゾフレヴァンド氏によると、革命前に購入した株式の量からすれば、我が国は今頃、ウラン原料〔※ウラン精鉱のことか?〕及び六フッ化ウラン・ガス数トン分を〔ユーロディフから〕受け取り、それを〔イランに〕持ち帰ったり〔他に〕転売したりすることも可能であるはずだが、しかし現在ユーロディフで生産されたウランはフランス政府の管理下に置かれている〔=イランの自由にすることができない状態にある〕という。

 同氏はまた、ここ数ヵ月間の我が国に対するフランス政府の敵対的な態度についても指摘し、次のように述べている。「合法的な協定をこのように自ら踏みにじるような国を、どうして信頼することができようか。彼らのここ数ヵ月間の態度も、状況をさらに悪化させている」。

 ゾフレヴァンド氏はさらに、我が国の核問題をめぐってニコラ・サルコジ仏大統領が示している対応についても触れ、「ここ数ヵ月間のサルコジの対応は、われわれに対してあからさまに敵対的なものであった。フランスは我が国の内政問題にも干渉している。彼らはまったく信用ができない」と指摘する。

 サルコジ大統領は西洋諸国の首脳のなかでも、我が国の核問題に対して、つねに最も急進的な態度を取ってきた。同大統領は何度もはっきりとした口調で、核兵器獲得を目指しているとしてイラン・イスラーム共和国を非難、軍事攻撃をちらつかせて我が国に脅しをかけてきた。

 しかしこうした対応にもかかわらず、イランとの交渉から外されることを甘受することは、フランスにとって受け容れがたいことであった。イランがフランス排除を表明すると、同国はイランとの核燃料供給をめぐる協定の当事国の一つであり続けることに、こだわりを見せ始めたのである。

 フランスは核燃料の供給国としては世界第一位であり、アメリカやロシアはフランスの後塵を拝している。フランス政府がイランとの核燃料供給をめぐる協定に加わろうと懸命な努力を行ったのも、恐らくこのことが理由だと思われる。フランスは協定に加わることで、核燃料供給国第一位の座を保持することができるからだ。

 フランス排除が正式に発表された火曜日以降、同国がこうした努力を開始したのも、このことが理由だった。ウィーン交渉筋によると、フランス代表はIAEAに対して、最終合意案に自国の名前を挿入するよう、強烈な圧力をかけたという。

フランス「償いをする」

 最終的に、フランスはテヘラン原子炉への燃料供給に関する合意文書に生き残るために、〔‥‥〕これまでの振る舞いを改め、新たな約束についてはしっかりと守ることを表明した。

 報道中央局の報道、及び情報筋の証言によると、テヘラン原子炉への燃料供給に関する協定にフランスが参加できるよう、ウィーン協議のフランス側代表はイラン政府への仲裁をIAEA事務局長に求めたという。

 ウィーン協議に近い別のある情報筋は、「フランスはそうるすことで、イランとの原子力協力についての自らの過去の振る舞いを改めようとしている。テヘランにある研究用原子炉への核燃料供給に関するイランとの協定当事国の一つとしてフランスを受け容れるよう、イラン政府に促すのが狙いだ」と強調している。

「協議は全体的に建設的なものだった」

 こうした動きによって、フランスは表面上、イランへの核燃料供給者としての役割を確保するための合意を、ロシアから取り付けることに成功した。しかしイラン・イスラーム共和国は依然として、ロシア政府を協定の実行国として指名しており、フランスとの直接交渉を拒否する強硬な姿勢を崩していない。

 イランのアリー・アスガル・ソルターニーイェIAEA常駐代表は、ウィーン協議終了後、テヘラン原子炉への燃料輸送について、協議の中で合意文書の草案が用意されたことを指摘した上で、イラン学生通信(ISNA)に「すでに述べたように、今回の原案は〔本国に持ち帰って〕検討する必要がある。今のところ、原案に賛成するか反対するかについて、何も言えない」と述べた。

 同代表は「イランは協議初日の終わりに、提案国の中からフランスの名前を外すことを明らかにしたが、合意文書の原案にはフランスの名前が書き込まれている」ことについて、「ロシアとアメリカがイランへの燃料供給の用意があることを表明した後、IAEAがフランスもこのことについて協力を希望している旨、申し入れてきた」ことを指摘した。

 「フランスはウィーン協議に参加したが、われわれは協議の初めにフランスのイランにける核活動〔=イランとの原子力協力?〕について再検討を行い、私自身、過去30年間のフランスのイランに対する約束違反について問題提起をした。その上で、今後の協議やあり得べき協定にフランスが参加することを、われわれは望んでいないことを指摘した」。

 ソルターニーイェ代表はこう述べ、さらに続けて「われわれが望んでいるのは、ロシアとの協定を基本とした協力であることを、われわれは表明した。合意文書の原案には、アメリカやフランスといった他国の名前も言及されているが、協定の主な相手国はロシアになるだろう。フランスやその他の国は、ロシアを補完する形で〔協定に〕関与することになるだろう」と語った。

 ソルターニーイェIAEA常駐代表はまた、今回の協議は全体として建設的で、成功したといえると評価し、「われわれは自らの論点や考え方を提示した。IAEA事務局長は協議にすべて参加し、調整役を演じた。話された内容を総合して、〔‥‥〕《協力合意文書》という形で文書の取りまとめを行った。〔‥‥〕」と語った。

 同代表はその上で、「加盟各国間の〔話し合いの〕円滑化を図るという本務をIAEAが果たしたのは、過去数年間で初めてのことだ。われわれは今回のことを、IAEAの一加盟国として支持する」と述べた。

「今回の協議のすべての当事国が協力した」

 ムハンマド・エルバラダイIAEA事務局長は記者団を前に、ウィーン協議はテヘランの研究炉で必要とされる燃料供給の方式を確立するためのものだったとし、「この原子炉は、医療用アイソトープの製造という人道主義的な分野で利用されるものだ」と述べた。

 IRNAの報道によると、エルバラダイ事務局長は信頼醸成措置として、また〔今後のさらなる〕協議への道を開くための方策として、今回の協議の開催はどうしても必要だったとの見方を示した上で、「今回の協議のすべての当事国が〔協議成功のために〕協力をした」と評価した。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:17714 )