アレヴィー派集会所へも―ギュル大統領の歴史的なトゥンジェリ訪問
2009年11月05日付 Radikal 紙


大統領として19年ぶりにトゥンジェリを訪問したギュル大統領:どの国民もこの国最高クラスの国民だ

大統領として19年ぶりにトゥンジェリを訪問したアブドゥッラー・ギュル大統領は、町の人たちに歓迎された。同大統領は、トルコがドイツ次ぐヨーロッパ第2の国であると話し、「もちろん異文化が混在する。これが我が国の豊かさでもあるのだ。どこにいても、わが国民はこの国の最高クラスで永久の国民である。トゥンジェリは、アレヴィー派文化が色濃く残る県である」と話した。

アブドゥッラー・ギュル大統領は、エラズーに専用機で着陸した後、悪天候のため陸路でトゥンジェリに入った。(故)トゥルグト・オザル大統領後、19年ぶりに同県を訪問したギュル大統領は、ファルク・チェリキ国務大臣、YÖK(高等教育機構)ユスフ・オズジャン博士、AKP(公正発展党)のネジャーティ・チェティンカヤ議員、レハ・チャムルオール議員と共に訪れたトゥンジェリの県庁前で、ムスタファ・タシュケセン知事、DTP(民主市民党)のエディベ・シャーヒン・トゥンジェリ市長、軍警察(ジャンダルマ)メフメト・チョルテン地域司令官、その他の関係者、および市民により迎えられた。出迎えの際に2人の子供がギュル大統領に花を贈呈した。

ギュル大統領は、県庁の前で雨の中到着を待っていてくれた国民と少し話をし、意見を聞いた。多くの人々が大統領に雇用を増やしてくれるよう望んでいることが明らかとなった。この間に、「親愛なる大統領、我が県にようこそ。ブルマゲチト村にジェムエヴィ(アレヴィー派集会所)を作ってください」「ようこそ、我々の尊敬すべき大統領」と書かれた横断幕が掲げられた。

同大統領は、その後ムスタファ・タシュケセン県知事を訪問した。タシュケセン県知事は、ギュル大統領に、ムンズル・チャイ(川)にかかる市の入り口でもあるマミキ橋が写っている写真を贈呈した。大統領として、トルコ全土を訪問したいと願っていると話すギュル大統領は、県庁での会見で以下のように述べた。
「今日トゥンジェリにいることを本当に嬉しく、光栄に思います。ここにいる喜びを言葉にしたいです。久しぶりにトゥンジェリに来ることができた大統領であることを嬉しく思っています。トルコはドイツに次ぐヨーロッパ第2の国です。異文化が混在するのは当然です。これがわが国の豊かさだと思っていますから。どの国民も、我が国の最高レベルで永久の国民です。ツンジェリは、アレヴィー文化が色濃く残る県ですね。このあと、市民団体の代表と会う予定があります。彼らの問題を聞くつもりです。9月4日に大統領府を訪ねてきた人が、ツンジェリ大学の開校式に招待してくれました。他県と同様、ツンジェリにも大学があるとは、なんと喜ばしいことでしょう。独自の文化、異文化が存在するこの町に来ることができて本当に光栄です。天候がよければ、ムンズル谷やムンズル・チャイを見たいと思っていたのですが。今度トゥンジェリを訪問する際には、これらの場所を見るつもりです。」

■「デルスィムへようこそ」の横断幕

大統領のトゥンジェリ市役所訪問のため、横断幕が掲げられた。この横断幕には、「親愛なる大統領、デルスィムへようこそ。トゥンジェリ市役所」と書かれていた。トゥンジェリでは、ギュル大統領の訪問のため、警備体制が強化された。電波かく乱器が設置され、街では時々携帯電話の通話に支障が出た。


■アレヴィー派集会所を訪問

政府内で「アレヴィー派問題解決」に向けた取り組みが進められている中、アブドゥッラー・ギュル大統領の訪問日程にも、「解決」を支持するメッセージが込められている。同大統領は、ハジ・ベクタシュ・ヴェリ文化協会のアレヴィー派集会所を訪問した。ギュル大統領は、集会所で、ジャラール・カラギョズ副会長および幹部に迎えられた。ギュル大統領は、カラギョズ副会長の「集会所を初めて訪問するに人は、友好、民主主義、平和を願ってロウソクに火をつけてもらうのです」という話を受け、ロウソク台に行き、彼のために燃やされるロウソクを見つめた。
カラギョズ副会長は、アレヴィー・アカデミーの設立を依頼した。アレヴィー派集会所を礼拝所として承認してもらうように依頼した同副会長は、「親愛なる大統領、この件を優先していただくようお願いします。我々は、兄弟であるスンナ派の感情をよく理解し、敬意を払っております。彼らも、我々の感情に敬意を払ってくれれば、兄弟として平和に過ごせるはずです」と話した。


■反対運動が行われた

ギュル大統領の訪問前に、トゥンジェリでは約200人のグループが反対運動を実施した。サナット通りに集まったグループは、「デルスィムがファシズムの墓になる」「デルスィムは誇りである。その誇りをきちんと守るべきである」「デルスィムにダムはいらない。」「殺人鬼アメリカ、共犯者AKP」などのスローガンを掲げた。


■爆発物捜査

ギュル大統領の訪問時間が近づくと、トゥンジェリでは警備が最高レベルに引き上げられた。大統領の訪問ルート上にあるマメキ橋の下のムンズル・チャユで爆弾検査が行われた。エラズー警察署潜水部の潜水士たちが、早朝に爆弾探知機でまずマメキ橋の下を捜索した。その後、ムンズル・チャユの中まで潜り、爆弾と爆発物の捜索を行った。雨のため水が濁り、水位が上昇したムンズル川で、悪条件の中、活動を続ける潜水士の爆弾捜査は約1時間続いた。

この間ギュル大統領のトゥンジェリ市役所訪問前に、市の中心部と市役所周辺では、警備が強化された。ギュル大統領が通るルート上には警察官が配置され、市役所への通りはバリケードで交通規制された。

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:17817 )