TÜYAPの名誉ゲストはなぜ左派の人のみなのか
2009年11月08日付 Zaman 紙

イスケンデル・パラ氏がザマン紙の記事に、「ここ20年の間、トルコイベントセンター(TÜYAP)の『名誉ゲスト』リストになぜ『右派』系の作家がいないのか?」と述べ、論争を起こした。私たちもこの問題を、様々な見解をもつ作家たちに尋ねた。デニズ・カヴクチュオール氏はTÜYAPの名のもとにこれらの批判に答えた。

今日(8日)はイスタンブル・トルコイベントセンター(TÜYAP)ブックフェアの最終日である。28回目となるこのフェアに、読者たちは本を買うため、また詩人や作家に会うために来ている一方で、文学界では他の論争が起きている。イステンデル・パラ氏は水曜日にザマン紙に掲載された記事で、TÜYAPに関する今日まで考えも付かなかった問題を問いかけたのだ。「ここ20年の間、TÜYAPの『名誉ゲスト』リストにはなぜ『右派』系の作家がいないのか?」と書いたパラ氏は、TÜYAPのこの態度を非難した。私たちもこれを、『右派』作家と認知される人物たちに取材した。TÜYAPコーディネーター取締役デニズ・カヴクチュオール氏へこの問題に関する意見を聞いた。

カヴクチュオール氏はこのような差別はないと述べているが、イスケンデル・パラ氏が投げかけたこの問題に関する右派側の意見は様々である。ある作家たちは、一般的に「左派」と呼ばれる作家たちが(賞の選考において)「右派」を無視しているという点でパラ氏に同意する一方で、この種の不平が無意味だと述べる意見もある。大多数の人々は、誰が名誉ゲストに選ばれようと気にも留めないのだ。

■ イスケンデル・パラ氏のコラム

「…TÜYAPは、右派の理念をもつイスタンブル広域市庁舎(İBB)から、例えば、宣伝の援助を得ることができたかもしれないし、フェアへ(訪れる人々ための)特別交通費を要請したり、無料送迎バスを手配させたりできたかもしれないが、それ以上に、今日まで右派と知られるある作家を特別ゲストにすることを考えもしなかった。考えたとしても、良心がこれを許さないだろう。誰もが知っているように、毎年、我が国の先駆者である作家をTÜYAPブックフェアでは名誉ゲストとして紹介している。その名は世間で話題となり、それについての評判や催しがなされ、著書が前面に売り出される。実際に調べればわかるように、TÜYAPの歴史において、右派側の名前がこの特別ゲストのリストに書かれたことは無いのである。この理由は、右派の作家たちが左派の作家たちより才能がないという訳ではなく、―それとは反対で、右派の一部作家たちは、左翼の作家たち全員を(その才能で)羨まさせている―左派的理念が形骸化した「他人事を決め込む」姿勢をもっているからである。私の嘆きが、時代遅れとなった右派―左派の考えによるものではないことをおわかりだろう ― そうではなくて、私の目的は、右派と左派がもういい加減、共に歩調を合わせることが必要であること、健全な歩みのためにこの協調が不可欠であることを喚起することである。しかしながらもう何度も経験し、よくわかっていることなのであるが、1968年に活躍した、古い戦闘的世代がいなくなるまでは、あの「他人事を決め込む」姿勢も我が国から無くなりはしないだろう…。」

■ デニズ・カヴクチュオール氏は何といったか?

イスケンデル・パラ氏のコラムを読むまでは「左派」作家、「右派」作家という概念を考えたこともなかった。私にとっては「良い文学」「それ程良くない文学」がある。そのため、文学を生み出す人たちも同じ基準で評価してきた。例えばセザイ・カラコチは、陶酔している詩人である。これらは私の個人的な意見である。

■話題が「名誉作家」に移ると

名誉ゲスト作家・画家(イラストレーター)はトルコイベントセンター(TÜYAP)ブックフェア協議委員会によって決定される。「名誉ゲスト作家・画家」はTÜYAPによって表彰されるのではなく、彼らがその年にTÜYAPを表彰するのである。フェアが始まるかなり前に選ばれた作家・画家と面会が行われ、彼らからその年のブックフェアを表彰することが要請されるのだ。

TÜYAPブックフェア協議委員会は、代表ドアン・フズラン氏、ジャレ・パルラ氏、セミフ・ギュムシュ氏、フスン・アクアトゥル氏、ジェヴァト・チャパン氏(1年間の休会)、セリム・イレリ氏、そしてトルコ出版協会とTÜYAPから選出された2名の代表から成る独立した組織である。名誉ゲスト作家または名誉ゲスト画家の表彰には、文学的・芸術的な資質と同じぐらい、人柄と人生に対する姿勢も判断基準となる。この点から考えると、特に、人生を挫けさせる気運がますます高まり、人々の道徳心の喪失が顕著に見られるこの時代に、TÜYAP名誉ゲスト作家と名誉ゲスト画家たちがある一定年齢以上の人々の中から選ばれていることも偶然ではないだろう。

(後略)

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( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:17832 )