エーゲ大学歯学部学部長任命問題で、歯痛つづく
2009年11月28日付 Radikal 紙

学長が高等教育機構の学部長任命に意見:そのような伝統はない

高等教育機構は、エーゲ大学歯学部在籍の85名の教員メンバーのうち9名の支持を得たジャラール・アルトゥンチュ教授を歯学部の学部長に任命。しかし任命後に起きた集団辞任への反響が続いている。そんな中ジャンデエル・ユルマズ学長は「一般的かつ基調的な」見解を大学組織による決議と合わせて明らかにした。同学長はこのような任命は前例がないことに言及し、「わたしはこの問題について個人的な意見を述べる気はありません。これは歯学部が今回の問題と向き合ってどうにかするべきことがらです」と話した。

エーゲ大学歯学部学部長が「高等教育機構により任命」されたことに対し、学部執行部、1学科を除いた6学科長が辞任でもって反対の意を示した。この事件について世論でも反響がある。

今回の集団辞任は、アルトゥンチュ教授の学部長任命後に大学側から意見書の発表さえ先んじた。大学側はこの任命を「大学への干渉」と位置づけており、大学ホームページ内の一般向けの掲示には次のような説明が公開されている。

「エーゲ大学はトルコの主要大学であるだけにとどまらず、大変重要な研究機関です。この重要性は一大学としての任務を全うする方法のみならず、非常に多くの大学と研究機関の手本となるべき伝統と姿勢をもっていることに由来しています。エーゲ大学でさまざまな地位の責任者の選定は、今後も長く手本を示しうる民主的な体制の中でこそ実現されるのです。たとえ学部長任命の権限を法的には高等教育機構が有しているとしても、我々周辺では今日まで続いてきた伝統でもって指導者の決定は自分たちで行なうことになっています。エーゲ大学執行部が変わってもこの伝統は変わることはありませんでした。以上のように考えると、先日6つの学部で行なわれた「学部長候補決定」は伝統に沿う形で下されたものであり、学長としてもこの伝統に沿って高等教育機構へ申し入れを行ないました。」

■ 遺憾と懸念

学部長の任命について高等教育機構は、学部の意向と学長の申し入れを受け入れずに任命を行なったのだとする声明では次のようにも述べている。

「この問題について、たとえ法的に高等教育機構に(任命権が)あったとしても、大学の意向を重視することは、責任者任命の合法性強化と組織内の民主的伝統を補強する態度と言ってもよいでしょう。組織の伝統と民主的慣習に反する印象を与え、エーゲ大でこれまで見たこともない学部長任命手法が大学と世論で大学への干渉として受け取られていることは、非常に遺憾であり、この懸念を分かち合いたいと願っています。」

■ 大学側が意見書

エーゲ大ジャンデール・ユルマズ学長は集団辞任に関する個人的な見解は明かしたくないとしながらも、「一般的かつ基調的な見解」が意見書の中に盛り込まれていると明かし、次のように続けた。

「わたしは当たり前の決定をしたまでです。もしなにか学長としての声明を発表すればまっすぐにことは私の手に負えないこととなります。『学長がこう言った』などとみなさんがわたしの発言だけに注目するでしょうから。そうはいっても一般的かつ基調的な考えも大学からの意見書に書かれています。わたしは大学の意見書という範囲に留まる必要性を感じています。しかし任命は我々の伝統に背くものでした。エーゲ大としてもこれまでこのような状況に直面したことがありません。この事件について個人的な見解を述べる気はありません。今回の出来事は歯学部がどうにかすべき問題です。そのためにわたしが手を出すのは道理とは言えないでしょう。」

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:17965 )