こんなこと知ってたら巡礼も楽
2009年12月06日付 Zaman 紙

巡礼、それは素晴らしい行い。巡礼はどのようになされるか、サファーとマルワの間には何が起こるのか、いつアラファ(アラファート)に登るか。

読者の皆さんはこれらのほとんどを知っているでしょう。では、巡礼において重要ではない、あるいは些細なことのように見えるポイントにどのくらい気付いているでしょうか。もし来年以降、巡礼に行く予定があれば、または近しい人がそうであれば、より快適で、より幸福な巡礼を行うために以下のことを知っているとよいでしょう。

■ 文句を言ってはいけない

サウジアラビアに着いたその瞬間から、不平を言うことを忘れて下さい。あなた方が得られる答えは大体、同じです:「我慢、我慢、巡礼者よ」。禁止つまり「ハラーム」という単語もよく耳にする言葉の一つになります。この言葉を聞いたが最後、あなたができる最良のことは状況を受け入れること。得られた答えがどれほど理屈にあっていないものだとしても、このように対応するのが良いでしょう。文句を言ったところで何も変わりません。ですから、口論をすることで時間を無駄にしないようにしましょう。気分を損ね、神聖な義務行為へのモチベーションが低くなってしまいます。

■ 何時間も歩く準備が必要

以前に巡礼を行った人やイマーム、説教師たちが言う「巡礼には若いうちに行きなさい」という薦めを軽んじてはいけません。若いうちに巡礼に行くことはその宗教的徳と同じぐらい、身体的な事実によって裏打ちされていることなのです。神聖な義務を果たす人々はエネルギッシュで、健康体で、強くあることが非常に重要です。カアバ(カーバ)に行くというときに、(あなた方にお金がたくさんなければ)カアバのすぐ隣、あるいは近くに泊まれること、礼拝を行い、義務を遂行し、ホテルに戻って休めることを期待してはいけません。確かにこのような人もいます。しかしながら、200万人の中でのこの割合は非常に低いものです。ハレム(カアバがある場所)から10キロ、15キロ離れたところに泊まる巡礼者たちの数はとても多いです。若い、あるいは元気(これを「力強い」とも言うことができる)でいることは、カアバ巡礼の間、もしくはサファーとマルワの間を行き来する上でとても大事なことです。これら全てのことを行く前に何度も聞いた、あるいは読んだことのある(そして無論、ことの重要さを解さなかった)人としてこの場で私が言えるのは、若いうちに行って下さい、ということです。あなた自身が疲弊しないためにも、他のムスリムたちに迷惑をかけないためにも。

■ 荷物は一つではなく、二つ準備するように

巡礼時期の混雑の中、自身に保障を与えたければ、荷物は一つではなく、二つ用意するのが良いでしょう。他の国々のサービスがトルコのもの程優れていると思ってはいけません。二つの鞄にはそれぞれ日常使う服(など)を入れて下さい。二つめの鞄は小さなものにして、それを手荷物として機内に持ち込むことをお薦めします。もしものことがあれば、あなたはスーツケースなしで2、3日を過ごさなければならなくなります、それか(この備えがなければ)荷物が全くない状態で過ごさなければならなくなるでしょう。もちろん、全ての人がこの困難を経験する訳ではありません。そもそも、トルコの企業と宗務庁が真剣に事に取り組んでいるのですから。しかし忘れてはならないのは、巡礼はトルコで行われないということです。基本的な問題や需要が全ての場所で同じとは限らないのです。

■ 行列がないところはない

聖なる地に着いたらそれ以降、どこへ行こうとあなたの自由です。信じられない程の混雑や行列に備えて下さい。急いではいけません、遅れたといってパニックに陥らないようにしましょう。

■ 素晴らしい瞬間

あなたはマッカ(メッカ)に到着し、ホテルに落ち着きました。準備も完了し、すぐにでも出かけたいと思っています。頭の中で、心の中で、魂の中で、あの素晴らしい対面の興奮を感じています。どんなに自分を抑えようとも、自分自身に向かって「私はそれほど影響されないだろう」、「全く、彼らは大げさに言っているんだ、その光景がなんだって言うんだい」、もしくは「それは印象的だろうけど、でもね…」とさえ言っていたとしても、自分が間違っていたことを知るには、カアバを(一目)見るだけで十分でしょう。言葉は途切れ、時は止まり、その日まで経験してきたことの意味が無くなってしまう、カアバの素晴らしい魔法にかかってしまうでしょう。最も良い祈りをそこで捧げ、最も心のこもった礼拝を行うでしょう。敬虔になるのもよし、ただ信仰告白を行い、イスラームが命ずるそれ以外の義務を遂行しないのもよし、カアバの素晴らしさを前にして無感動でいるのは不可能でしょう。最も美しい建物、最も美しい景色、最も美しい町々、最も美しい自然もカアバの前には無意味に映ります。

■ 巡礼の最も簡単な秘訣

午前8時から午前11時まで巡礼を行うことができます(カアバに入ることができる)。午前11時から午後1時半の間は、近寄らない方が身のためです。もし昼の礼拝を巡礼の場で行いたければ、午後1時半以降、行くのが良いでしょう。しかし、最も良いのは昼の礼拝後に行くことです。巡礼時にカアバが空くことはあり得ないでしょう。夕方の礼拝の30分後と午前3時の間、最も快適に巡礼を行うことができます。
巡礼の際に、(聖なる由のある)黒石に、カアバ神殿に、それかマカーム・イブラーヒームに触りたければ、急がないで、(時計回りとは逆に巡っている際に)左の歩を少し内側に出して下さい。一歩毎に(内に向かって)左に寄っていくのです、ただ急がないで。少しずつ、少しずつ行えば、3周目の終りにはカアバの壁の端まで達することができるでしょう。カアバを触るためには、ちょっとの押し合いへし合いは我慢しなければならなくなります。それ程の辛労は負わなくてはなりません。

■ カアバの側で礼拝を行うために何をしたらいいか

この答えは非常に簡単です。大体がマッカで行うことは他に何もないために、早い時刻からカアバに着くようにすると良いでしょう。カアバを仰ぎながら昼の礼拝を行うために、午前8時からそこへ行き、祈りをしながら、義務ではない礼拝をし、時間を過ごすことができます。礼拝を知らせアザーンが詠まれたら、集団礼拝を行う機会を得ることができます。

(後略) 

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( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:18019 )