Ferai TINCコラム:日本の鳩山首相の去就とトルコ政治
2009年12月25日付 Hurriyet 紙

私はニュースの全容が完全にわかるまで慎重だ。すぐにペンを取り、思いつきを述べるようなことはしない。確認が取れないうちに、ことの次第を理解する前に、意見することはできないのだ。

そんな性分だから、今日は日本の首相、鳩山由紀夫氏について語るのが一番良いだろう。

なぜならば、(トルコ国内では)将校たちが議長の暗殺計画を企てていたことが政府によって確認され、参謀本部は彼らが他の議員をマークするよう任務を受けていたと発表するなど、事件が非常に複雑だからだ。

というわけで、鳩山氏について書くことにしよう。日本で50年間続いた保守的な政権を倒し、新たに国のトップとなった首相と関わる不正について説明したい。

というのもエルズインジャンやエルズルムでは、2名の検察官のそれぞれの立件が、非常に混乱しているのだ。どう書けば良いだろう?国家諜報機構、警察、軍警察(ジャンダルマ)の間のいがみ合いを理解することは、この塵埃の中では不可能だ。国家内での衝突が昨今厳しさを増している中からトルコは抜け出せていない。でもこの事件は異なる。国家が音を立てて崩れている。

鳩山氏の話だが、選挙前に集められた献金に関し秘書が不正を働いたのが判明すると、彼は国民の前に出て謝罪した。

昨日の朝(12月24日)行われた記者会見で鳩山氏は「このような事態になったことに関し、猛省しております」と語った。私は日本の人々がうらやましい。いつの日か私も(トルコで)政治家、軍人、民間人、誰でもいいから「この件に関して非常に責任を感じています」と言うのを聞くことがあるだろうか。

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専売公社の労働者たちは10日間ストライキをおこなった。政府の彼らに対する仕打ちは何と厳しかったことか。ストライキが非合法であるかのように。

しかし一昨日(12月23日)EU加盟に関する交渉団議長のエゲメン・バウシュは、記者たちの取材に対し(私も新聞で読んだ)、EU改革のために「日程を決めたい」と語った。2008年に発表された国際プログラムでは、日程はあった。昨日確かめたのだが、例えば、社会政策・法の調整施行の予定表では、労働者のストライキ権の整備に関する改革が2009年内に実現されるはずであった。

これには公的機関の労働者のストライキ権も含まれている。改革が今年中に実行されていれば、おそらく今回のようなひどい事態も起きなかっただろう。きっと。

さてはてどこまで書いただろう。鳩山氏の政党活動用に集められた献金が、誰によって献金されたのか、完全には明らかになっていない。検察の捜査によると、献金を行ったと見られる何人かはすでに死亡しており、そのリストに名前の上がった何人かは、献金の事実を否定している。

検察によれば、鳩山氏に罪はない。彼の政策秘書がやったことだという。しかし鳩山氏は「このような事態になったことについて、皆様に深くお詫びする。ただ信じていただきたいのは、この件に関して全く知りませんでした」と語っているのだ。

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昨日の朝(12月24日)、ディヤルバクルで強制捜査があり、自治体首長らが逮捕された。クルド問題の解決、あるいは正式名称「国民統一プロジェクト」の具体的な最初の一歩としては、少し奇妙な感じがしなかっただろうか。民主市民党の解党やら首長らの逮捕やら。

何はともあれ、私が一番心に残った鳩山氏のことばで締めくくろう。
「今回の件に関してお詫びします。ただ今後も政治家としての使命を果たしていきたいと思います。辞任は、政権交代を望み投票してくださった国民に対し、無責任です。しかしもし国民の、辞任を求める声が強くなれば、辞任します。」

さあ、鳩山政権はどうなるか。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:18144 )