エジプトの大学で女子学生のニカーブ着用が司法を巻き込む論議に
2009年12月22日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ エジプトの大学、ニカーブ着用学生の学生寮への入場を認めよとの司法判決に控訴

2009年12月22日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【カイロ】

 カイロ最大の大学の一つであるアインシャムス大学は、ニカーブ〔目以外を覆い隠すタイプのベール〕着用女子学生の学生寮への入場を許可せよとの司法判決に対し上告すると決定し、同判決の執行停止願いを提出することにした。大学当局の公式情報筋が月曜日に伝えた。

 同じ情報筋によると、大学当局は判決の執行停止を求めて意見書提出を行い、最高行政裁判所へ上告するという。

 行政裁判所は日曜日、アインシャムス大学のニカーブ着用学生について、学生寮への入場を認め、今年9月の新学期にアインシャムス大学のアフマド・ザキー・バドル学長が出したニカーブ着用学生の学生寮居住を禁じた決定の停止を求める判決を出した。

 裁判所は判決理由で、ニカーブを着用することは自由の一つであり、いかなる行政部局であれ、その着用を全面的に禁じることはできない、と述べた。

 今月27日には、アインシャムス大学、カイロ大学、アズハル大学というエジプトの三大大学がニカーブを着用しての試験場入場を禁じたことに対して訴訟を起こしたニカーブ着用女子学生への判決を、行政裁判所が下す予定になっている。

 アズハル総長であるムハンマド・サイイド・タンターウィー師が9月に出した声明で、「ニカーブはイスラームと全く関係がない」と言ったことを受けて、ここ三カ月の間、教育機関におけるニカーブ着用についての論争が勃発していた。

 タンターウィー師は10月に、アズハル付属のすべての教育機関でのニカーブ着用を禁じ、教師が男性の場合にのみ許可するとした。同様に、アズハルのイスラーム教育機関に付属する大学の寮でもニカーブ着用を禁止した。

 同様にユスリー・ガマル教育大臣も今学期の冒頭、学校内でのニカーブ着用を禁じた1995年の教育省決定を有効にすると発表していた。

 エジプトの大多数の女性はヒジャーブ〔髪を隠し顔は出すタイプのベール〕を着用しており、ニカーブを着用する女性は少数であるが、ニカーブを着用する女性の数はここ数年で増加している。

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( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:18151 )