国民教育相、「若年層人口がへり、児童数も減少傾向」
2010年01月11日付 Radikal 紙

国民教育省による、人口増加率の後退とそれに伴う教育への影響に関する取り組みが、活発になっている。チュブクチュ国民教育相は、(人口に関する)調査結果を発表した。小学校に入学する児童の数は毎年8万人ずつ減少し、1万8千もの小学校が児童不足のために閉校となっているという。

ニメト・チュブクチュ国民教育相は、トルコにおける人口増加率の後退による教育への影響をAKŞAM紙に発表した。これによれば、この4年間で小学校に入学した児童の数は毎年約8万人ずつ減少しているという。また、1万8千の小学校が児童不足のため閉校となっている。いくつかの地域では新しい学校の需要が底を打った。また、マルマラ海地域とエーゲ海地域では、人口のバランスについて若年層が減少している。人口増加率はこの6年で4.8人から2.2人へと落ちた。住民登録システムにより明らかになったデータにもとづいて、新たな取り組みが行われる。学区、教室の数、クラスの規模、県ごとの学校の分布などが改めて整備される予定。

■エルドアン首相にも提出
国民教育省による、人口増加率の後退とそれに伴う教育への影響についての取り組みは衝撃的な結果を生んだ。同省によるこの決定は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相にも提出された。ニメト・チュブクチュ国民教育相は、AKŞAM紙で、この問題に関する重要な発表を行った。

■小学校の建設は中止の見通し
チュブクチュ国民教育相は、人口増加率が後退している旨を述べ、次のように話した。「この4年間では連続的に前年に比べ小学校の児童数は7万人から8万人減っている。人口が流出している地域では1万8千もの学校が児童不足のため閉校となっている。このままでは学校を廃校とせざるを得なくなってしまう。目下学校の建設は中止される見通しだ。その例として今後ベシクタシュでは学校を建設しない予定である。ここでも人口は減少しているからだ。ベシクタシュでは1教室あたり18人減っている。一方で高齢者層は増加している。今後、小学校は新たに人口増加が見込まれる地域につくる予定だ」

■6年で30年分の後退
ニメト・チュブクチュ国民教育相は、人口問題は大変構造的な問題であると話し、次のように述べた。「マルマラ海地域とエーゲ海地域では人口のバランスが逆三角形になりつつある。人口増加については南東アナトリア地域が最も多く、2番目は東アナトリア地域となっている。人口増加率は短期間で4.8人から2.2人へと落ちた。6年間でこの数字まで落ちてしまった。数字が2を切るということは人口の減少を意味する。この減少率はフランス、ドイツ、ギリシャにおけるここ30年間の減少に匹敵する」

■早婚への後押しを
チュブクチュ国民教育相は、次のように言葉を続けた。「他国の例を見てみると、人口増加率は2%以下に落ちるともとの数値に戻すことができなくなる。2%以下に落ちないうちに対策をとらなければならない。たとえば、スウェーデンでは結婚時の平均年齢が20歳~22歳ほどに下がった。スウェーデン政府は、若い年齢での結婚や子供を持つことを推進する財政支援を行っているのだ」

■恐ろしいほどの不均衡
国民教育省による報告書によると、教育水準が低く、低収入である地域においては人口が増加している一方、収入水準が高くなるにつれて結婚し子供をもつ割合は低くなるという。この問題は地域的な不均衡とともに、さらに差が広がっている。

■仕事もこどもも
人口の流動が各国間の競争にも深く影響すると強調するニメト・チュブクチュ国民教育相は、「変化しつつある女性の社会的地位やキャリアや自分の楽しみを優先する姿勢も、人口減少傾向における重大なファクターとなっている」と話した。また同大臣は、複数の県では「なぜここに小学校をつくらないのか」という声が寄せられているが、「この地域の人口は減っているためつくっていない」と返答していると述べた。

■ギュルベン・エルゲンをモデルに
さらに、チュブクチュ国民教育相は、芸能人が社会における重要なモデルケースとなっていることに触れ、これまではファトマ・ギリキやアジダ・ペッカンといった多くのスターが、こどもを持たないか持ったとしても1人であったと述べた。しかし、同大臣によれば、現在ではギュルベン・エルゲンのように複数のこどもを育て、さらに同時に第一線で仕事を続けている芸能人が社会的モデルとして支持されるべきであるという。さらに、チュブクチュ大臣は、同様のケースとしてハリウッドでも多くのスターが複数のこどもを持ち、社会にメッセージを投げかけていること、そして、こうした状況が欧米において政策として支えられていることを紹介した。「しっかりとした世代が育つためには、家族に頼る部分が多くある」と話すチュブクチュ大臣は、兄弟姉妹がいることは、団結、思いやり、協調性といったプラスの効果をもたらすと説明した。

■2月の教員の配属はなし
ニメト・チュブクチュ国民教育相は、2月に教員の配属を行わない旨も加えて話した。同大臣は、年に一度7月に配属を行うことで財務省と合意したと述べ、次のように話した。「当面、教員の配属は行わない予定だ。こうして教師が9月からの新年度が始まる前に配置されることは、教師側の家族にとっても生徒側にとっても悪影響とならないことが確認されている。また、私立学校で働いている教師については一年の中ごろに配属を行うことで、当該の学校から新しい職場に異動している。私立学校教育を邪魔してはいない」

■トニー・ブレア前首相から、4人のこどもがいるというメッセージ
チュブクチュ大臣は、ヨーロッパでこどもの数を増やすために特別政策を実施していることに触れ、その顕著な例を引いた。「イギリスでは、首相在任中にトニー・ブレア前首相の妻は4人のこどもを産んだ。そして同時にこれを政策としても利用した。ブレア前首相はメッセージを発し、世論の注目を引くため、育児休暇を使って子育てに参加したのだ」。同大臣は、世界ではすでに人口計画など過去のものであると述べた。

■1億人に満たない
国民教育省による取り組みによると、トルコの人口は今後20年から25年の間は増加するが、1億人には達しないという。2050年には人口が8898万6千人になる見込み。
今後行われるあらゆる人口増加計画において、トルコの人口は今後20年から25年の間は増加を続けるものの、出生率の後退によって総人口は1億人には達しないだろうと予測されている。人口増加率が落ちているため、今日の若年層が年老いた後は9500万人から9800万人で頭打ちとなる見通し。トルコの人口は2030年代以降減少を始めるだろう。トルコ統計機構(TÜİK)もこの予測を裏付けており、すでに報告書が出されている。これまでになされた調査によると、トルコの人口増加率は2020年で0.8%、共和国設立から100年目にあたる2023年で0.7%、2030年で0.5%、2035年で0.3%へと後退する見通し。

■2040年には8850万人に
2040年にはトルコの人口は0.2%の増加で8862万9千人になる見込み。2046年には人口増加率は限りなく0%近くにまで落ち、8916万5千人になる見通し。2047年以降については減少の途をたどる。2047年には人口増加率はマイナス0.00052%まで落ち、人口は8916万1千人まで後退する。2050年にはマイナス0.000958%となり、人口は8898万6千人となる見込み。

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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:18239 )