上エジプトで警察とコプト教徒が衝突、教会は与党議員の関与を非難
2010年01月07日付 al-Quds al-Arabi 紙

■エジプト警察とコプト教徒が衝突、教会が 与党議員の関与を非難

2010年01月07日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【カイロ】

クリスマス・イブ [訳注:コプト暦で1月6日]に起きた武装した人物たちによる攻撃で、6人のコプト教徒と警察官1人が死亡した事件から一夜明けた 木曜日の昼前、上エジプトのナグウ・ハンマーディー市で警察と3千人以上のコプト教徒が衝突した。同市の司教は与党国民民主党の有力 議員たちがコプトへの襲撃に関与しているのではないかと非難している。

仏通信社(AFP)が入手した証言と治安筋の情報によると、3千人以上のコプト教徒がナグウ・ハンマーディーの病院に集結、水曜から木曜日にかけての夜の襲撃で犠牲となり、病院に搬送されていた遺体の引き取りを拒否して、「迫害にNO! 我々の魂と血を十字架に捧げる!」と叫んだ。

同じ情報筋によると、コプト教徒たちは病院から路上に出て デモを行おうとしたが、警官隊に阻止された。デモ参加者たちは軍に向かって投石、それに対して軍は催涙弾と放水で応戦し、彼らを散会させようとした。コプト教徒らは警官隊が包囲する中、病院前でデモを続けている。

 ナグウ・ハンマーディー市のキュロス司教は、コプト教徒への襲撃を手助けしたとして、警察および与党国民民主党の有力議員たちを非難している。カイロからAFPが行った電話会見で司教は、「[襲撃事件の]容疑者の一人であるハマーム・カンムーニーは危険人物としてよく知られた男で、拘束されていて当然のところを、国民民主党に所属する市の有力議員たちにそそのかされた警察は彼を自由の身にした」と訴え、先週の間、同市の多くのキリスト教徒の携帯に「クリスマスにはイスラーム教徒がキリスト教徒に報復する」との脅迫メールが送られていたと続けた。

(中略)

 治安筋によると、同市が位置するケナ県内のある村で、キリスト教徒の青年がイスラーム教徒の少女を拉致・暴行したとの容疑をかけられている事件が、今回の襲撃に関係していることを示す兆候があるという。ナグウ・ハンマーディー市に近いファルシュート村で発生したこの事件は同地区のイスラーム教徒たちの怒りを買い、コプト教徒が所有する家屋や薬局などが放火された。

コプト教徒は中東のキリスト教徒の中で最大の宗派であり、8000万人のエジプト人口のうち6~10パーセントを占めると推計されている。コプト教徒たちはエジプトで継続的な差別や嫌がらせにさらされているとの疑念を抱いており、特に軍や警察、司法、大学などの重要ポストから遠ざけられていると考えている。

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( 翻訳者:中島希 )
( 記事ID:18241 )