男児暴行魔に死刑判決
2010年01月26日付 Iran 紙

【事件部】「悪魔の隠れ家」で10人の男児を暴行したアフガン人の男に対し、テヘラン刑事高等裁判所は死罪を言い渡した。

 本紙記者の報告によると、事件は86年エスファンド月28日〔2008年3月18日〕、ある若い男性がシャフレ・レイ〔※アフガン人など貧しい人が多く住むテヘラン南部の地域〕警察に、40歳の魔男による犯罪行為を告発したことで発覚した。

 男性は訴えの中で、次のように述べた。「今日のお昼、息子がいつもより遅く帰宅した。家に入った息子が恐怖に満ちた顔色をしていることに、私は気が付いた。何か良からぬことが起きたと感じた私は、何が起きたのか息子に問い質そうとした。しかし、息子は何も話そうとしなかった。しかしついに息子は、ある見知らぬ男から乱暴されたことを口にした」。

 これを受け、捜査官らは〔被害男児の〕アーラシュ君への取り調べを始めた。アーラシュ君はその中で、事の顛末を次のように述べた。「事件のあった日、がらくたの入った手押し車を押していた浅黒い顔の男から、1千トマーン〔約90円〕札を一枚もらいました。男は僕に、手押し車からがらくたを出すのを手伝って欲しいと言ってきました。ところが、僕が〔男の住んでいる?〕廃屋に入ると、男は僕を暴行し始めました」。

 事件被害者の協力で、魔男の似顔絵をコンピュータ・グラフィックで作成したところ、「年少の息子がアフガン人の男から暴行を受けた」との訴えが数名の男女から寄せられた。そしてついに、87年ファルヴァルディーン月〔2008年3/4月〕、警察による捜査の結果、魔男が逮捕され、取り調べを受けた。

 男は当初、男児暴行の容疑を認めたが、しかし取り調べが進むにつれて、自供を覆すようになった。そこで、テヘラン州刑事裁判所第77法廷のアクバル・サーイー裁判長の命令で、男児10名が法医学や身元鑑識課のもとに送られ〔、男児らの身体検査が行われ〕た。

 他方、司法の捜査の結果、〔容疑者の〕ナズィール・アフマドがジャリールという名の別のアフガン人男と共謀して、11歳の男児を暴行したことが判明した。ジャリールの隠れ家が特定され、男は突入捜査で逮捕された。

 ナズィール・アフマド逮捕から6ヶ月、仮拘束中の男は無条件での釈放を求め始めた。しかし法医学の検査の結果、被害者男児の証言が正しいことが確認され、事件は新たな局面に入った。

 そして捜査が終了し、被告ならびに共犯の男の最終弁論が行われたことを受け、テヘラン州刑事裁判所第77法廷のアクバル・サーイー裁判長、ならびに4名の補佐裁判官(ブーミー、モラーディー、ナスィーリー、及びマレキーの各判事)は一致した見解として、ナズィール・アフマドに死刑、ジャリールに鞭打ち100回を言い渡した。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:18341 )