身分証明書から「宗教」欄削除へ―欧州人権裁判所、判断
2010年02月02日付 Yeni Safak 紙

欧州人権裁判所が、トルコ共和国の身分証明書に宗教の項目があることは欧州人権条約の宗教および思想の自由に関する第9条に違反すると判断した。

欧州人権裁判所は2日、トルコ国籍のスィナン・ウシュクという人物が2005年に申請した案件について判決を下した。

裁判所は、宗教や信条を表明する自由には、その裏返しとして、人は自分の宗教や信条を明らかにすることを強いられない、という側面もある
とした。

トルコ政府の「2006年以降は、身分証明書に宗教を明記することは強制されていない」という弁明は不十分であるとされ、裁判所はウシュク氏の訴えにある通り、個人の宗教や信条に関して調査することは政府の役割ではなく、これは国家の中立の原則に反する結果を生み出すという結論に達した。

申請者からの要求はなかったため賠償金は支払わない。

ウシュク氏は2004年にトルコで裁判所への申請において、身分証明書の宗教欄に「アレウ゛ィー」と記載することを要求したという。イズミル地裁は宗務庁からの意見に基づき、アレウ゛ィー派は独立した宗教ではないという理由からこの訴えを却下した。 なおトルコでは2006年以降、本人が希望すれば宗教欄を空欄にすることが可能である。

ウシュク氏は欧州人権裁判所への申請において、トルコは公正な裁判および差別の禁止に関する条項にも違反していると主張したという。

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( 翻訳者:川原田喜子 )
( 記事ID:18391 )