20%のウラン濃縮作業、ナタンズで始まる
2010年02月10日付 Mardomsalari 紙

イラン原子力庁の報道官は、3.5%に濃縮されたウランを〔遠心分離機に〕注入し、濃縮度20%のウランを生産するための作業が、ナタンズで開始されたことを発表した。

 アリー・シールザーディヤーン報道官は昨日午後、このことについて次のように述べた。「アリー・アクバル・サーレヒー‐イラン原子力庁長官‐、ならびに同庁のその他の関係者たちの列席のもと、3.5%に濃縮されたウランを〔遠心分離機に〕注入し、濃縮度20%のウランを生産するための作業が、ナタンズの〔ウラン〕濃縮施設で始まった」。

(中略)

 イラン・イスラーム共和国は自国の国際原子力機関(IAEA)常駐代表部を通じて、20%を上限とする〔濃縮〕ウランを生産するとの自国の決定を、公式文書の中で発表していた。

 イランは2009年6月2日、IAEAに対し、建設中のテヘラン研究用原子炉向けの〔ウラン〕燃料の提供を文書で申請し、IAEAは提案の中で、アメリカやロシアにイランの申請について通知していた。しかし、これらの国々はイランに濃縮度20%の〔ウラン〕燃料を提供することに〔‥‥〕難色を示していた。

 他方、火曜日の朝、イラン外務省報道官は、〔3.5%の濃縮ウランと20%の濃縮ウランの〕燃料の交換をめぐる議論の可能性は依然として残されていると述べた。

 イラン原子力庁長官も、…(中略)…「本日から遠心分離機へのウランの注入を始める」と述べ、次のような考えを示した。「ブシェール発電所向けの3.5パーセントの濃縮ウラン燃料を生産するために現在稼働中の、ナタンズの〔ウラン濃縮〕施設のメイン・ホールに設置された生産ラインは、いずれも休止することなく動き続けている。私たちはこのために(濃縮度20%のウランを生産するために)、〔メイン・ホールとは別に設けられた〕研究用(試験用)ホールに164機の遠心分離機が連結された1カスケードを用意している」。

 同長官はさらに、「このカスケードは、テヘラン研究用原子炉向けの濃縮度20%のウランを、月に約3~5㎏生産することになる。テヘランの原子炉ではひと月に1.5キログラム〔の濃縮度20%のウラン〕を必要としており、この量〔=今回のカスケードが月に生産する濃縮ウランの量〕は私たちがテヘラン原子炉で必要とする量の2倍である」と語った。

 同長官はその上で、「テヘランに常駐しているIAEAの査察官は、事前の通告にもとづき、イランとIAEAの間で結ばれた合意に従って、このプロセスを監視し、核物質の測定を行うことになっている」と指摘した。

(後略)

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( 翻訳者:高山奈美 )
( 記事ID:18481 )