初のイラン製駆逐艦が公開
2010年02月20日付 Jam-e Jam 紙


【政治部】イラン・イスラーム共和国軍海上部隊の誇り高き技術者ら、ならびにその他の優秀なる選りすぐりのイラン人研究者らによって設計・製作された、イラン初の駆逐艦「ジャマーラーン」が、アーヤトッラー・ハーメネイー全軍総司令官の勅令の下、特別式典で正式に、国軍海上部隊の戦力に加わった。これにより、イラン・イスラーム共和国は複雑かつ高装備の軍艦・駆逐艦を〔独自で〕設計・製作・配備することのできる、世界でも限られた国々の仲間入りを果たした。

 この式典で、ハーメネイー全軍総司令官は駆逐艦ジャマーラーンの各部を視察、この偉大なる国民的成果がもつ様々な特長を間近から観察した。

 駆逐艦ジャマーラーンは三つの使命、すなわち対空、対地、そして対潜の三つの領域で、最先端の装備を有した軍艦だ。

 海上部隊教育センターを卒業した技術者らに加え、〔国内の〕数十もの大学や研究・技術機関に勤める選りすぐりの研究者たち、さらには民間の専門家たちが、駆逐艦ジャマーラーンの設計・製造に協力した。

 駆逐艦ジャマーラーンは同じクラスの中では、先端的な艦船の一つに数えられ、ヘリコプターの輸送や給油の能力を兼ね備えている。同駆逐艦の主要システムの一部は、〔世界でも〕数カ国しか有していないものだ。しかしイラン人技術者たちは、この独占状態を打ち破り、この重要システムの設計・製造能力を我が国にもたらすことに成功した。駆逐艦ジャマーラーンは責任の極めて重い、たゆまぬ科学的努力の成果に他ならない。同駆逐艦建造にあたり、駆逐艦内部の部品・装置・システムとして140万点以上が用いられている。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は今回の視察の中で、海上部隊の歓喜にあふれた若き隊員たちに感謝のことばを述べた上で、「国の力と進歩のカギは、信仰心高き若者と、希望と熱気にあふれた彼らの精神・やる気に様々な仕事を委ねることにある」と強調した。

 視察の間、海上部隊の司令官・責任者たちは〔ハーメネイー最高指導者に駆逐艦ジャマーラーンについて〕必要とされる説明を行った。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は視察後、軍司令官ならびに駆逐艦ジャマーラーンの設計・製造に関わった関係者たちを前に、「本日は、実にめでたき甘美なる一日である」と指摘した上で、次のように付け加えた。
今回の重大な成果は、神への希望・信用・信頼の結果であり、〔国への奉仕という〕我らが若き世代の決意を、これまで以上に確固たるものにするだろう。彼らのこうした決意・希望こそ、駆逐艦の製作という事実以上に重要かつ喜ばしきことなのである。

 ハーメネイー師は自己の能力・才能を知り、この大いなる恩寵を理性的に認識し、偉大なる仕事に勇気をもって取り組むことこそ、国の進歩と力の礎に他ならないと指摘し、次のように語った。
〔われわれが抱いている〕一部の期待は一見したところ、野心的にすぎるように思えるかもしれない。しかし〔神への〕信仰と信頼の光の中で大いなる努力を行えば、一見不可能に思えるような仕事も、可能になるものだ。それゆえ、各種軍艦の建造に向けた今後の仕事が、〔ジャマーラーンの製造よりも〕はるかに重要かつ偉大なものとなることは、間違いない。

 同師は、イランが海洋技術の面で数百年に及ぶ伝統を有していることを指摘した上で、最近の数世紀にわたって腐敗した専横的支配者たちがイランを支配したことが、海運でのイランの弱体化を招いたと述べ、次のように強調した。
世界におけるイランとイラン人の力・威信・名誉が失われるようなことを、イスラームとイスラーム共和国が許すようなことはない。〔革命以来の〕ここ30年間で、名誉の精神と国民・国家へのアイデンティティの回復が成し遂げられたのは、〔イスラームの〕こうした考え方のおかげなのである。

 イスラーム革命最高指導者はまた、イランのもつ富と資源を略奪することができなくなったことが、世界の抑圧者たちの怒りの真の理由であると指摘し、次のように付け加えた。
革命前、力に物を言わせる世界の抑圧者たちは、イランをあたかも「所有者のいない食卓」であるかのように見ていた。欲しい物は何でも、略奪していた。しかし目覚めしイラン国民は、今や〔抑圧者たちが〕略奪をほしいままにしていたこの食卓を片付けてしまった。世界の覇権主義者たちは抵抗と独立希求の罪で、イラン国民に対して怒りをぶちまけ、陰謀を企んでいる。

 同師は、イラン国民の抵抗は歴史的な実験であり、未来の世代にとって大いなる教訓となるであろうと指摘し、次のように付け加えた。
力に物を言わせる世界の抑圧者たちは、イラン国民の抵抗の前に失敗を重ねてきた。アイデンティティを保持し、自らの本源的能力を信じ、神への信仰に頼れば、国民の意志が大国の支配下に置かれることはあり得ないということが、証明されたのだ。

「イラン国民の敵は怒りと無力感に襲われている」

 イスラーム革命最高指導者は、バフマン月22日〔2月11日の革命記念日〕での人民による偉大なる伝説〔=革命記念日で多くの人々が体制支持の官製デモに参加したこと〕を受け、イラン国民の敵は怒りと無力感に襲われていると指摘した上で、「忘れ難きあの日、数千万人の人々の敬虔なる心と抵抗に満ちた声は、抑圧主義諸国に対する嫌悪の念を一致して叫んだ。この美しき永遠なる真実によって、覇権主義者たち、殊にアメリカは無力感と絶望、そして怒りに襲われたのだ」と語った。

 同師は、最近の米大統領及び政府当局者の発言は、イラン国民に対する怒りと絶望の現れに他ならないと指摘し、「イランが核兵器を作っているなどという古びた戯言を聞くにつけ、国民の敵たちがプロパガンダの領域でも全くの無力感に陥り、同じことを繰り返さざるを得なくなっていることが分かる」と続けた。

 イスラーム革命最高指導者はその上で、次のように強調した。
イスラーム共和国はこの種の戯言に対して、感情的な応対をするようなことはないだろう。なぜなら、これまで何度も言ってきたように、われわれの宗教的基礎・信条は、この種の兵器を人類の〔?〕破壊の象徴として禁じているからだ。それゆえ、われわれは核兵器・核爆弾を全く信じておらず、それを追い求めてもいない。

 同師はさらに、次のように続けた。
世界の横暴な抑圧者たちのプロパガンダとは反対に、われわれが追い求めているのは、イスラームのすべての共同体に、誇り高き名誉の精神を目覚めさせることである。実際これまで、〔イランの〕イスラーム国民・体制の努力によって、イスラーム的覚醒とアメリカをはじめとする抑圧者たちへの嫌悪の念が、〔イスラーム諸国民の間に〕日増しに高まりつつあるのである。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、「イランが近隣諸国に敵対的な行動を取っているなどと、アメリカやその他一部の西洋諸国は偽りの宣伝を行っている」と指摘した上で、「このような主張が偽りのものであり、アメリカとシオニスト体制は対立を煽ることで、イスラーム世界の真の敵、すなわちアメリカとイスラエルからイスラーム共同体の注意を逸らそうとしているにすぎないということを、我が国の近隣諸国もよく理解している」と述べた。

ペルシア湾に対するイランの政策

 イスラーム革命最高指導者は、イラン・イスラーム共和国のペルシア湾に対する政策について、「地域諸国は、われわれの兄弟、隣人である。互いに集まり、理性的な政策を推し進めるならば、ペルシア湾全体を地域の諸国・諸国民すべての利益になるよう管理することが可能となると信じている」と述べた。

 同師は、外国人の存在が地域の安全を損なう要因となっていると指摘し、「対立を煽り、謀をめぐらせることが、外国人の常套手段である。これまで多くのケースで、彼らの分裂扇動的陰謀・策略は失敗に終わってきたが、今後も同じように、各国の理性的行動によって、こうした〔敵の〕企てが無力化されることを、われわれは望んでいる」と語った。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:18555 )