アメリカ議会外交委員会、23票対22票で「アルメニア虐殺」決議案を可決
2010年03月04日付 Radikal 紙

アメリカ下院議会外交委員会において「アルメニア虐殺」決議案が22票対23票で可決された。トルコ政府は決定を非難し、在ワシントン大使のナムク・タンを協議のため、召還した。

政府の発表では、アメリカ下院議会外交委員会において、アルメニア側の主張にもとづく法案が可決されたことに関連し、「我々は、トルコ民族を犯してもいない罪で告発するこの決議案を非難する」としている。発表によると、トルコの在ワシントン大使であるナムク・タンがこうした展開を協議するため、今晩、アンカラに召還されたという。

首相府記者広報センターのインターネットのサイトには「政府見解」が掲載され、アメリカ下院議会外交委員会で、1915年の事件に関して、アルメニア側の主張に基づく法案が可決されたことに対する遺憾の意が示された。

発表は以下のとおり。

「トルコ民族を、犯してもいない罪では告発するこの法案を我々は非難する。この法案を支持した人々は、歴史の真実と、歴史家の間における本件での見解の相違を無視し、政治的目的をもって、誤った不正義な態度をとった。

法案は、1915年の事件に関し、具体的な歴史誤認を含むのみならず、完全に一方の見方から準備されたものである。トルコは、第一次世界大戦の間に、アナトリアの民族が皆体験した辛い過去の事件が、歴史家により、先入観をもたずに科学的なやり方で、歴史資料と関連文書に基づいて調査されることが必要だと信じている。政治家が歴史家たちの分野に介入することは常にマイナスの影響を作り出す。

我々は、法案がアメリカ下院議会外交委員会で認められれば、望まれていない結果へと道を開くであろうことを、かねてより、本件に関する話し合いの過程ではっきり示してきた。全ての忠告にも関わらず、委員会によって可決されたこの法案は、トルコとアメリカの関係に悪影響を与え、トルコとアルメニアの関係通常化の努力を停止させることを我々は強く懸念している。

この可決は、トルコがアメリカとの間で進めてきたまざまな共通の問題に対する歩みへし、マイナスに影響する可能性がある。また、この可決は、残念ながら、戦略的視線の欠如を示すものでもある。ワシントン大使のナムク・タンは、こうした展開を協議するため、今晩、アンカラに召還された。」

■ギュル大統領:結果には私達の責任はない

アブドゥッラー・ギュル大統領は、アメリカ議会外交委員会によってアルメニア側の主張にもとづく法案が可決されたことに対し、「不適切であり、遺憾に思う」とし、「決定はトルコの人々に対し、いかなる拘束力ももたない。この投票結果があらゆる場面でもたらすであろう負の結果は我々の責任ではない。」と述べた。

大統領府広報センターから行なわれた書面での発表は以下の通り。

「この決定は不適切であり、私は遺憾に思っている。決定はトルコの人々に対し、いかなる拘束力ももたない。歴史的事実から遠いこの一方的な法案がアメリカ下院議会外交委員会によって可決されたことは、トルコとアメリカの関係にふさわしいものではなかった。このような展開は、南コーカサスでの平和と独立の確保、民族間の恒久的平和の確立の方向での努力に悪影響をあたえるだろう。政治的利益のために行われたこのような決定は、歴史と歴史学に対する冒涜である。この投票結果があらゆる場面でもたらすであろう負の結果はトルコの責任によるものではない。」

■アルメニア:喜ばしい

アメリカ下院議会外交委員会が1915年の事件に関してアルメニア側の主張にもとづく法案を可決されたことは、アルメニアで歓迎された。アルメニア外相エドワルド・ナルバンジャンは、ロイター通信に行なったインタビューで、「この決定に大きな満足を感じている」と述べた。ナルバンジャン外相は、「この展開は、アメリカが人間の普遍的人権を尊重していることの新たな証拠であり、人権侵害の罪をなくす過程でも重要な一歩となった」としている。

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( 翻訳者:近岡由紀 )
( 記事ID:18606 )