3人の少年、強盗殺人の容疑で逮捕:動機は「楽しいことがしたかった」から
2010年03月09日付 Iran 紙


【事件部】聖地参詣ツアーの企画責任者の男性が強盗に遭い、ナイフで刺されて殺害された事件で、その犯人が3人の少年であったことが判明した。

 容疑者の少年らは昨日、強盗・殺人事件の現場検証の中で、強盗殺人の動機を「楽しいことがしたかったから」と述べた。他方、これ以外にテヘラン東部で発生した3件の類似の事件の謎を解くための特別犯罪捜査が、現在続けられている。

 本紙事件部記者の報告によると、事件はエスファンド月10日〔3月1日〕火曜日夜に発生した。聖地参詣ツアーを企画しているガーセムさん(男性46歳)は、夜11時頃、仕事場から帰宅する際、銀行の自動支払機に立ち寄り、お金を引き出した。そして自宅へ向けて歩き出したところ、ガーセムさんは突然バイクに乗った少年らに襲われ、少年のうちの1名によって、腕と胸の二カ所を刺された。少年らはガーセムさんからカバンをひったくり、現場から逃走した。

〔中略〕

 強盗犯らの特定に向けた捜査が始まった。すると、ある中年男性が警察のもとを訪れ、強盗殺人事件の謎を解明する手がかりを警察にもたらした。なんとこの男性は、「数時間前、ウチの息子が友人2人と共謀して、カバンの窃盗・ひったくりに関わったことが分かりました」と打ち明けたのだ。

 こうして、17歳の少年ファリードが逮捕され、すぐさま仲間らと共に窃盗と強奪を働いたことを自供、「2晩前、友人モハンマド・レザー、およびミーラードと共に、マジーディーイェ地区で、一晩で3人の人物に対して強奪を働きました」と供述した。

 こうして、本件ならびに容疑者の身柄は刑事警察第4基地の捜査官らの手に委ねられることとなり、ファリードの自供をもとに、共犯の少年2名を発見、身柄を確保した。

 容疑者らの身柄は逮捕後すぐに、刑事警察第10課に移され、警察による科学的・専門的取り調べを受けた。その中で、容疑者ミーラードは殺人を自供した。

凶悪犯とのインタビュー

Q:何歳?
A〔ミーラード〕:17歳。

Q:どうして盗みなんか思い立ったの?
A:俺たちは盗みをするつもりなんか全然なかったんだ。あの夜、モハンマド・レザーと一緒に、ファリードの家に酒を飲みに行ったんだ。で、ナイフを買おうってことになった。俺たち、いつも携帯しているんだ。カネを集めようって段になったとき、モハンマド・レザーが「ナイフを買うカネなんか、強奪しちゃえばいいんじゃねえ?」って言ったんだ。俺たちもそうだなって思って、バイクに乗って通りに出たんだ。最初のヤツから5万トマーン〔約5千円〕盗んだ。このカネを使って、8千トマーンのナイフを買った。で、家に帰ろうと思ったんだけど、ファリードが二人目を指さして、「もう一回盗まねえ?」って言ってきたんだ。そこで、俺とモハンマド・レザーはファリードのバイクで〔ファリードが指さした〕男の方に近づいた。で、ヤツのカバンをひったくったとき、俺の頭にヤツのコブシが飛んできた。で、俺も頭来て、ナイフでヤツの手と胸を刺して、すぐに逃げたんだ。

警察の警告

 首都テヘラン刑事警察長官のアッバース・アリー・モハンマディヤーン大佐は、事件現場の再現を行っている傍らで、各家庭に対して警告を発しつつ、本紙記者に次のように述べた。「誠に遺憾なことだが、自分の子供の行動や生活を正確に監視・把握していない親が、一部に存在する。後々に起きる問題の多くの根源が、ここ〔=親の監督不行届〕にあるのだ。自分の子供がどこら辺を行動範囲としているのか、どんな友達、どんなクラスメートがいるのか、もし親たちがきちんと監督していれば、このような痛ましい暴力犯罪をわれわれが目にすることも、もっと少なくなっているはずなのだ」。

 首都刑事警察長官によると、捜査の結果、これら3人の少年には金銭的に困窮していた様子は全く見られず、単に「興奮の発散」のために盗みを働いていたことが分かったという。

 モハンマディヤーン大佐は、「テヘラン東部で似たような事件が5件発生していることから、現在これらの件についても容疑者らへの取り調べが続けられている」と強調している。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:18647 )