イスタンブル路面電車で高校生2名死亡、ようやく歩道橋議論へ
2010年03月12日付 Milliyet 紙

路面電車の事故で亡くなった高校生2名は昨日(11日)、最後の旅へと旅立った。一方、歩道橋がなかったために彼らは亡くなったと主張する生徒たちは、高校で行われた追悼式で、「我々の中の三人ではなく、私たちみなが死んだのです」というプラカードを掲げた。イスタンブル広域市(İBB)は歩道橋設置を検討すると発表した。

路面電車に轢かれて亡くなったバフチェリエヴレル・ケマル・ハスオール・リセの9年生のデニス・テキン君(15)、イレム・ディンチソイさん(16) は、昨日、友人と家族がむせび泣く中、最後の旅へと旅立っていった。歩道橋がないために友人が亡くなったと主張する生徒らは、学校で行われた追悼式に出席したバフチェリエヴレルのシェヴケット・ジンビル郡長の辞職を求めた。保護者と生徒の反発にもかかわらず、ジンビル郡長は正式な歩道橋の設置要請はなかったと述べ、「事故にあった生徒たちは(警報)シグナル・システムのある場所を渡っていたなら、この事故は起こらなかった可能性があります」と述べて自己弁護した。イスタンブル広域市は昨晩会見を行い、学校の前に歩道橋を建設することを検討していると述べた。
この事故にあったのは、人生これからという3人の高校生であった。前日の17.30に終業のベルが鳴ったので、友達とともに帰宅するため、学校があるメフメト・アーキフ・エルソイ通りから道路の反対側に渡ろうとした。自動車がひっきりなしに通るのをみた2人の生徒は反対側に渡ることをあきらめたのにもかかわらず、デニス・テキン君、イレム・ディンチソイさんとブケット・ブルットさんは、危険な思いをしてまで、2車線の道路を渡り、路面電車道に入った。目撃者の説明によれば、車道の車はどうにか避けることができたが、横から接触した路面電車の下敷きになった。約15メートル引きずられた3人の生徒のうちテキン君とディンチソイさんは亡くなったがブルットさんは重傷を負った。

■高校では怒りと涙
ケマル・ハスオール・リセは昨日喪に服した。昨日の始業に際してエユップ・ギュルメズ校長は生徒らに、「我々のあらゆる努力にもかかわらず、歩道橋は建設されませんでした」と述べた。テキン君とディンチソイさんのために正午ごろ追悼式が行われた。追悼式の前に高校の前に集まった大勢の生徒たちは、事故が発生した場所から路面電車道と通りの交通を遮断し、300メートル離れたところにあるメフメト・アーキフ路面電車停留所まで行進した。生徒らは度々スローガンを掲げ、そこで暫くの間座り込みをした。ある生徒は座り込みの際に気分が悪くなり、通りかかった車で病院に連れていかれた。生徒らはその後、手に白と赤のカーネーションを持ち、襟にはイレムさん、デニス君とブケットさんの写真をつけて追悼式に参列した。

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■歩道橋検討へ
事故に関してイスタンブル広域市(İBB)が昨日会見を行った。会見では、事故の際に路面電車は通常のスピードで運行しており、車輌のブレーキに問題はなかったと述べられたが、会見の要約は以下の通り。「今回の事故はバージュラル-ギュンギョレン線が開通した2006年9月以来、最初の死亡事故です。事故現場の約200メートル後方には信号機のついた歩道があります。この地帯の歩道には歩行者が道路に入ることを防ぐ意味で、(警報)シグナル伝達システム付き歩道橋まで、約一メートルの鉄製のガードレールがあります。問題となっている高校と向かいにある公園―住宅街を結ぶために歩道橋の建設が検討され、その試みは続いています」

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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:18681 )