メルケル独首相来土、在ドイツ・トルコ人学校へ「条件付きイエス」
2010年03月29日付 Radikal紙

アンカラを訪問したドイツのアンゲラ・メルケル首相は、ララという名前の学生から送られた、紙でできた平和のハトをエルドアン首相に贈った。メルケル首相は、ドイツのトルコ人学校に対し条件つきで「イエス」と言った。ドイツの学校と同じようにトルコ人学校が存在しても構わないが、それがドイツ語を学ばない口実になってはならない、とのことであった。

アンゲラ・メルケル独首相は、トルコ・ドイツ間で問題となっている在ドイツ・トルコ人学校について言及したが、明確な回答は避けた。メルケル首相は「ドイツ語を学ばない口実にはならない」とし、「生活している国の言語を習得することは、融合のための前提である」と述べた。また、メルケル首相は(トルコがEU加盟に際し)特権的パートナーシップとして(加盟する)いう見解を繰りかえし示しつつも、1960年代を振り返り「ゲームのルールは変わった」と表現したのは注意を引いた。

 メルケル首相はエルドアン首相と行なった会談の初めに、ララという名の9歳の学生が作った『平和の白いハト』の飾りをプレゼントした。ララさんから送られてきたトルコ語のメッセージには次のようなことが書かれていた。

 「こんにちは!このハトはあなたのもとへ届きました。それはウンナのカタリーネン・シューレという学校に通うララという9歳の子どもが作りました。ハトは「平和」のシンボルです。何日かこれを眺めたら、世界が平和であるよう、このメッセージを添えてに誰かにもしくはどこかの団体に送ってください。そしてすぐにわたしたちのところへも、できたら撮った写真を添えてメールを送ってください。そうすればわたしたちもハトの「平和の道」を追いかけることができます。このようにしてあなたもエッセンのマルガレーテンヘーエにある小学校の、またハッティンゲンのフランツィスクス・シューレやウンナのカタリーネン・シューレといった学校の、さらにイスタンブルやペーチにある学校の平和運動に貢献することになるでしょう。」

 アンゲラ・メルケル首相は、エルドアン首相にカタリーネン・シューレのメール・アドレスも手渡した。

■ 記者会見

 エルドアン首相は、メルケル首相を首相府において公式セレモニーで迎えた後、共に新聞記者たちの前に現れた。エルドアン首相は、ロシアでの地下鉄駅で発生した爆破事件への悲しみを語り、ロシア国民に哀悼の意を表した。また「我々は心から願う。テロを目指すまたテロの意図を帯びるこのような行動が、いかなる利益も生み出さないことは火を見るより明らかだ」と述べた。エルドアン首相は、メルケル首相との対談で政治や軍事、貿易、文化的事柄が話題になったと話し、既存の連携を強化するためには何ができるか話し合ったと述べた。エルドアン首相はドイツで生活するトルコ人たちのドイツ社会への融合を強調しつつ、双方が果たすべきことをすることが重要であると主張した。

■ 在ドイツ・トルコ人学校

 エルドアン首相は、ドイツがEUの議長国を務めた時期にトルコが3つの分野で交渉を開始したことを振り返り、イスタンブルとドイツで設立が計画されているトルコ-ドイツ大学に関して、今日、国会を通過することを「信じている」と述べた。またトルコでドイツ語の教育を行なっている高校の存在について言及し、「同じような条件をもった学校に関しドイツでも進展が見られるかもしれないとメルケルさんから聞き、とても嬉しい」と述べた。一方のメルケル首相は、エルドアン首相から国会がドイツ大学を承認するだろうと聞いて大きな喜びを感じていると話した。またメルケル首相は「知識と教育の分野におけるこの連携を喜ばしく思う。ここでもドイツでも大きな足跡を残すことになるはずだ」と語り、次のように述べた。

■ ドイツ語を学ばない口実にはならない

 「ドイツには多くのトルコ人学校が存在する。ドイツでドイツ語を知らずに生活するのは好ましいことではない。生活している国の言語を習得することは融合のための前提だ。ここでは同化について話しているのではない。私たちの目的は同化ではない。全ての人の文化やルーツを守りたいと思っている。しかし3代目や4代目の世代の人々が社会生活に加わることを望んでいるのです。単に労働者としてだけでなく、実業家、教師、学識者といった職業に就くことを望んでいるのです。もちろん、彼らの祖先や伝統を守りながら。国外にドイツの学校があるなら、トルコの学校があってもいいでしょう。しかしドイツで生活するトルコ人たちにとってドイツ語を学ばない口実になってはならない。」

 メルケル首相はキプロスに関する質問に答え、キプロス問題はまだ解決されていないと発言した。またアンカラ議定書の施行の重要性も強調した。

■ イランへの見解の相違

 メルケル首相はイランに関する質問に答え、対談でこの件も話題に上ったと話した。また「イランに関しては長い間前進が見られていない。イランがこの先明確な進展を見せなければ制裁について国連で決議するだろう。我々はこの件に関して意見交換を続けていくことを決めた」と述べた。一方エルドアン首相は、「トルコの状況は世界の他の国々と大きく異なっている」と述べて注意を引いた。更に次のように語った。

 「イランはエネルギー資源において、我々にとってはロシアに次ぐ2番目の取引相手である。我々の関係について語るときにこのことを軽視するわけにはいかない。今までイランに対し世界は2回の制裁を行なった。しかし私たちは制裁を決めた国々が制裁に抜け穴をつくったのを見てきた。制裁はうまくいっていない。外交でこの問題を解決しようではないか。この地域で他に核兵器を持っている国はあるか?ある。それに対して制裁が行なわれただろうか?いいえ。違いはイランは国際原子力機関に加入しているが、他方の国(イスラエル)は加入していないという点だ。」

 メルケル首相は、4月11~12日にアメリカで開かれる原子力サミットにおける投票でトルコがアメリカ及びヨーロッパ諸国と共に投票したら嬉しく思うと発言し、注意を引いた。また「アルメニア人虐殺」に関する質問に答え、「私はトルコとアルメニアの関係は可能な限りよい状態になりつつあると信じている。トルコ・アルメニア間の進展は期待できるものである」と述べた。

■ ゲームのルールは変わった

 メルケル首相はトルコのEU正式加盟に関する質問に答え「過去は過去」と話し、次のように述べた。

 「EUとトルコとの関係では1960年代初めにおいて、コンラート・アデナウアーによってトルコの加盟が提案された。その日から今日までの間にとても多くのことが変わった。トルコは経済、学問、文化的関係において大変緊密な立場にある。特権的パートナーシップは緊密な繋がりとして考えてたが、否定的に捉えられてしまったようだ。今、そのようだ。EUも、ゲームのルールも変わった。60年代に存在した状況はもはやない。結果の明瞭なプロセス。ドイツはこのことを主張している。トルコでも多くのことが変化したのが見てとれる。これを続けていかなくてはならない。最も重要なのは、アンカラ議定書の解決である。」

参照
http://www.dw-world.de/dw/article/0,,5415384,00.html

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(翻訳者:篁日向子)
(記事ID:18791)