「1億5千万もの人口について語る代わりに失業問題を解決せよ」:大統領発言に対する有識者たちの反応(上)
2010年04月15日付 Mardomsalari 紙

【政治部】テレビの生番組『ベドゥーネ・ハーシーイェ(余談は脇において)』でのマフムード・アフマディーネジャード大統領の新たな発言が、再び波紋を広げている。同大統領は物議を醸すような発言を行う傾向が高いということが、再度証明された格好だ。

 アフマディーネジャード大統領は今回、「子供は二人で十分」というスローガンに疑問を呈し、このようなスローガンは西洋のものでしかないとの認識を示した。イラン歴1350年代から1360年年代〔西暦1970年代から1980年代〕にかけて、わが国では出生率が高く、国内の人口増加の原因となった。人口爆発の結果、1380年代〔西暦2000年代〕には、失業率の増加と職の不足、そしてそれに起因する社会的混乱の増大を目の当たりにすることとなった。

 政府は失業者数の計算方法を変更し、一週間のうち一時間〔以上〕働いた人を就業者に含めることにしたが、それでも失業率を一ケタ台にすることはできず、就業や住宅の問題など、結婚への道筋をめぐる若者たちの困難が解決されることはなかった。こうしたことはすべて、〔アフマディーネジャードの提唱する人口増加策と〕同じ過去の誤った政策に起因するものなのである。

 アフマディーネジャード大統領によると、西洋諸国は少子化スローガンにおいて行き詰まりにぶち当たっており、このことが自らの意見の正しさを証明しているのだという。しかしその一方で、〔1996年から2006年までの10年間の〕人口増加率が17%であるイランの福祉の充実度合いが、人口の減っているヨーロッパ諸国よりも極めて貧弱であるということは、周知の通りである。

 専門家たちは、現在の人口に対して十分な福祉を提供できるようになって初めて、人口増加の必要性を語り、人口抑制のスローガンに反対を表明することができるのだ、との見方を示している。しかし、人口のおよそ3分の1が貧困ライン以下の生活環境にある今の状況下で、このような問題を提起することは、まさに驚きであろう。

 いずれにせよ、火曜日の夜アフマディーネジャード大統領は、「人口・子ども増加」論を擁護した上で、次のように語った。「『子供は二人で十分』という考え方に、私は反対である。そのための科学的根拠もある。これは、西洋諸国が採用した誤った政策でしかない。彼らは今や、自国の文化やアイデンティティーを守るために、多額の補助金を支払っているほどだ」。

 アフマディーネジャード大統領は、「子ども未来基金」創設について、「今年のファルヴァルディーン月1日〔西暦2010年3月21日〕以降に生まれる子供全員を対象に、政府は彼らに投資するための口座を開き、家族もその投資に協力することを条件に、年間いくらかをその口座へ振り込んでいく。20年後には教育や就業、住宅、結婚のために、最小限度の資金がこれら若者たちに用意されることを、想定したものだ」と語った。

〔つづく〕


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( 翻訳者:高山奈美 )
( 記事ID:18931 )