スィイルトの幼児性的虐待事件、市長から恥ずべき声明
2010年04月27日付 Milliyet 紙

ペルヴァリ郡の民主党所属の市長イスマイル・ビレン氏がおこなった幼児性的虐待事件に関する心ない説明は恥ずべきものだった。「ペルヴァリ郡という小さい地域では皆親戚同士です。事件は彼らの間で解決したのです。誰もペルヴァリ郡の平安を壊さないでください。」

スィイルト県ペルヴァリ郡の全寮制初等学校の生徒が、2、3歳の子供たちに性的虐待をし、そのうちの1人を殺害した事件で、家族間でこの件を解決していたということが明らかになった。

ペルヴァリ郡の民主党所属の市長イスマイル・ビレン氏は、「司法に関与しません。司法は彼らを釈放しました。ペルヴァリ郡という小さい地域では皆が親戚同士です。事件は彼らの間で解決しました。誰もペルヴァリ郡の平安を壊さないでください。自身の間で解決しました。郡長、検察官、警察にも情報は伝えています。彼らと一緒に解決したのです」と話した。ペルヴァリ郡を訪問した共和人民所属の国会議員アフメト・エルシン氏とマリク・エジデル・オズデミル氏は、ある集団から抗議を受けた。

■監察官が来た

ペルヴァリ郡のアタテュルク全寮制初等学校で去年の4月に、8人の学生が脅迫し、女学生D.S.(15)に連れてこさせた2、3歳の子供達に性的暴行を加え、そのうちの一人を殺害したという事件で町の住民は動揺している。町には今日、内務省、国民教育省、監察官二人、特別教育案内・相談総局長のルヒ・クルチ医師と2人の指導専門家を派遣した。クルチ医師は、まず県国民教育長であるフィクレト・エテケル氏、その後ネジャティ・シェントゥルク知事と面会し、情報を得た。

ペルヴァリ郡で子供達が教育を受けていた全寮制初等学校は、2004年、収容定員が378人であったにもかかわらず480人の生徒を受け入れていたことが明らかになった。学校に(公式上)登録済の学生数は378人であるにもかかわらず、去年130人の生徒が在学する一方、今年は生徒数が120人に減少したと述べた。事件に関係した生徒のうち女学生D.Sは去年卒業し、今年は在学していないと発表される一方、ただ1人の生徒が在学を続け、他の生徒は他の学校に登録するとされた。

ペルヴァリ郡には1つの高校を含め5つの学校があるが、これらの学校に全寮制初等学校も含め1人ずつ指導教員がいると述べた。

■犯罪者でなく被害者

共和人民党所属の国会議員アフメト・エルシン氏とマリク・エジデル・オズデミル氏は、ペルヴァリ郡での事件に関する調査を行っている。議員が調査している間、特別機動警察は厳しく保護措置をとり、議員を監視した。議員らは、暫く前に亡くなり、郡で5期祖国党から出馬して市長を務めたメフメト・エミン・オズジャン氏を弔問した。

議員が郡庁を訪問するという知らせに、およそ100人が、郡庁前に集まり、議員が到着した際、事件が政治の道具とされないよう異議を申し立てた。

「ペルヴァリ郡を政治の道具とするな」「犯罪者でなく被害者」と書かれたプラカードを手に持ち、「犯罪者でなく被害者」「誉れあるペルヴァリ郡の名誉を守れ」と声を合わせた。集団は、「なぜ事件のときに来ないのに、今になってきたのですか。この事件を政治の道具にしに来たのですか。沢山質問したいことがあります。それにも関心を示してください」と非難した。

■家族間で解決

厳重な警戒のもの郡庁の庭に車に乗って到着したアフメト・エルシン議員とマリク・エジェル・オズデミル議員は、フラト・チェリキ郡庁、検察官と面会した。面会後、議員らは外で待つ群衆のもとへ行き、彼らの問題を聞き、その問題に関心を持ち、議会に持ち込むと約束した。議員のうちの一人、アフメト・エルシン氏は事件に関する司法の手続は続いており、犯罪者と被害者が自身らの間で事件を手打ちにしたが、これは司法とは関係ないとし、次のように語った。

「司法には誰にも関与できません。首相と国民教育大臣が昨日おこなった会見で人々を私たちとメディアに対し挑発しているのを、正しいこととは思いません。ここの議員はどこにいるのでしょう。とりわけ、(かつてここから出馬した)首相はスィイルトにとって義理の兄弟です。義理の兄弟であるここの民の状況は良くなく、無職であることに苛まれています。何かできるのは首相たちであり、ここに投資を行うべきです。ペルヴァリ郡での問題は司法の管轄です。司法が自らの方法でこの事件を処理します。この事件を全ペルヴァリ郡民の責任に帰するべきではなく、ここの住民全員が憤っています。」

■市長「解決済みである」

ペルヴァリ郡の民主党所属の市長イスマイル・ビレン氏は、記者会見で10人の容疑者がおり、事件の容疑者は7、8歳で、事件は性的暴行ではなかったと主張した。ビレン市長は次のように述べた。

「これは子供の遊びです。7、8歳の子供がやったことはこれに似たものです。10人中3人は刑務所にいます。残った7人の子供は児童保護協会の保護下にあります。司法に関与しません。司法は彼らを釈放しました。ペルヴァリ郡は小さな地域で皆親戚同士です。事件は彼らの間で解決しました。事件発生の際においでになったのなら、すべてをお話ししましたものを。

全寮制初等学校では全トルコで起こりうるような事件が起きます。これは皆想定できることです。子供たちを刑務所に連れて行かれました。皆十分に職務をこなしました。確かにこの事件は残忍なかたちでおこりました。しかし、ここ南東部では一人の少女のために、また、このような事件のために何百人もの人が死んでいます。私たちはこの事件を血の復讐に発展させませんでした。誰もペルヴァリ郡の平安を壊さないでください。自身の間で解決しました。郡知事、検察官、警察にも情報は伝えています。彼らとともに解決しました。私たちはこの事件に腹を立てているのです、私に言わせればこの蛮行に。事件は自身の間で解決したのです。」

ペルヴァリの住民は、1年間前に起きた事件の詳細は伏されており、責任を負うべきはその時期の責任担当者であるとする。彼らは、「事件の容疑者はペルヴァリ出身者ではありません。事件の被害者はペルヴァリ出身者です。この事件を認めず非難しています。政治家にこの事件を利用して欲しくはありません。長年、多くの問題があったのに、その時やってこない政治家がいま来ていることに不満なのです。私たちは名誉ある人間です。誰ひとりとしてこの事件を郡民の責任とすることはできません。」

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( 翻訳者:畔上曜子 )
( 記事ID:18978 )