アラブ報道記者総連、大半のアラブ諸国で報道の自由がいまだ制約されているとの声明
2010年04月27日付 Al-Ahram 紙

■大半のアラブ諸国の報道記者が、表現の自由の制限に苦しんでいる

2010年04月27日アル・アハラーム紙(エジプト)アラブ諸国面

【チュニス:ロイター】

 昨日チュニスで[アル・アハラーム紙の元編集長]イブラヒーム・ナーフィウ氏が議長を務めた会合を閉幕するにあたり、アラブ報道記者総連は、大半のアラブ諸国では未だに報道記者が禁錮刑を含む表現の自由に対する制約に苦しめられていることを確認した。

 今回の会合ではアラブ諸国における民主化の進展ぶり、中でも報道と表現の自由をはじめとする公的自由の推進、さらにはパレスチナやモーリタニアでの報道記者の状況について検討がなされた。

 マクラム・ムハンマド・アフマド事務局長が読み上げた閉幕声明では、社会や権力と報道との関係を規定する法的基盤が、個人の自由の保護や、職業倫理を守る名誉憲章の適用にあたって未だ脆弱であると指摘された。

 また、意見の対立が広がり、悪化の一途をたどっているアラブ世界の現状において、[名誉棄損や国家騒乱といった]報道が関わった犯罪に禁錮刑をも含む自由の制約をもって臨む法律が、アラブ諸国の報道を統制する法体系の一部であり続けているとも指摘された。さらに、ほとんどのアラブ諸国の報道記者は検閲や嫌がらせ、低賃金にあえいでおり、さらにはイラクやパレスチナでのように、紛争を抱える国々で困難な状況下で働く記者たちがいる点も言及された。

 アラブ報道記者総連のイブラヒーム・ナーフィウ会長は、閉会声明が読み上げられた後に開かれた記者会見において、国際ジャーナリスト連盟がアラブ諸国の記者組合の内部事情に干渉することは受け入れられないと述べ、また最大の災難は欧米の諸組織による報告書には反体制側からの情報しか盛り込まれておらず、合法組織や独立した立場を取る当事者などに接触する労を取ろうとしないことにある、と主張した。

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( 翻訳者:松屋直子 )
( 記事ID:19007 )