ダヴトオール外相「トルコはすべての港を南キプロス船に開く」
2010年05月21日付 Yeni Safak 紙


アフメト・ダヴトオール外相は、キプロスに存在する全ての境界線の撤廃を望んでいると述べて、 「南キプロスのギリシャ系住民に対しても、トルコにおけるすべての港の開放が可能になるように準備を行っています。その見返りとして我々が望むのは、たったひとつ、つまり一地中海人として、地中海の全ての港を使用する権利を持つキプロスのトルコ系住民の港である、ギルネ、マゴサ、エルジャン空港を開放することです。 国際的には、キプロスのトルコ系住民に3港が開放されます。我々トルコ人はすべての港を南キプロスの船舶に開放するでしょう。私がお約束致します」と語った。

アフメト・ダヴトオール外相は、イスタンブルのシェラトンホテルで開催されたユーロ地中海議会(AAPA)の政治部会の会議の中で、「トルコの外交政策」という題名でスピーチを実施した後、質疑応答を行った。

南キプロスのある議員による、「(トルコと南キプロス間における)境界線を望まないというお話でしたが、それならば何故キプロス-トルコ間の港の開放を行わないのですか。我々はEU加盟国です。キプロスのギリシャ系住民が、アナン・プランに反対票を投じているこの状態で、キプロス問題を解決する新しい方策が存在するでしょうか?トルコ系住民が新たな大統領を選出したとでも?この島の問題の解決方法を模索する上で、今後の過程は、一体どのように進行していくでしょう」という問いに対して、ダヴトオール外相は、トルコが2004年に再度加盟交渉を開始させ、港の開放に関する問題で、交渉後、国民投票の結果が「(開放に)賛成」となるように非常に積極的な姿勢で努力を行ってきたこと、これは誰の目にも明らかであると語った。

ダヴトオール外相の発言は以下のように続いた。
「キプロスのギリシャ系住民も、この和平案に'賛成'と言っていたとしたら、今日キプロスを二つに分ける境界線が残ることも、封鎖された港が残ることも無かったでしょう。 しかし、今、胸に手を当てて良く考えてみてください。この和平プランに「賛成」と答えたトルコ系住民が全ての港を封鎖されており、どこにも旅行へ行くことが出来ず、いかなる文化的及びスポーツの機会に参加できず、地中海を構成する一員でありながらどんな国際的交渉のテーブルにもつけず、和平プランに賛成票を投じていながら国際社会へ参加できずにいる一方、そういった諸々の問題を単にギリシャ系住民への港開放という問題に限定してしまって良いのでしょうか?

私は、地中海の一構成員としてのキプロスのトルコ系住民が、この交渉のテーブルに共につくことを望んでいます。キプロスが統合し、平和の中で、トルコ系住民が国会議員としてあなた方の隣に座ることを望みます。何故今まで実現しなかったのでしょう?それは、アナン・プランに賛成票を投じたトルコ系住民のせいなのでしょうか?それとも、'NO'と言った人々のせいなのでしょうか?キプロスにおける全ての境界線が撤廃されることを我々は望んでいます。 ギリシャ住民に対しても、トルコにおける全ての港を開放できるように準備を行っています。その見返りとして我々が望むのは、たったひとつ、つまり一地中海人として、地中海の全ての港を使用する権利を持つキプロスのトルコ系住民の港である、ギルネ、マゴサ、エルジャン空港を開放することです。国際的には、キプロスのトルコ系住民のために3港を開放します。我々トルコは、ずべての港をキプロスのギリシャ系住民に開放致します。しかし、平等の下で、自由の下で、全ての人が同じ権利を有することを認識することが条件となります。さもなくば、我々の確立する秩序の名前を’平和’とすることは出来ないでしょう。我々には、平和を構築する準備があります。もし、EU、国際社会、あるいはキプロスのギリシャ系住民にその準備があるなら。明日(5/22)トルコは港を開放します。トルコ系住民への港もまた開放されることを期待しながら。 それが実現して初めて、恒久の平和が訪れるでしょう。平等が生まれるでしょう。」

ダヴトオール外相は、キプロスのギリシャ系住民によってアナン・プランに反対票が投じられながらも、ギリシャ側のリーダーであるディミトリス・フリストフリアスと前北キプロス共和国大統領メフメト・アリ・タラトの首脳会談が開始された際、トルコが全面的に助力を行ってきたことやその過程を説明し、「現在、(北キプロスには)親愛なる(新大統領)エロール氏がいらっしゃいます。エロール氏も、交渉を引き続き行っていくことを言明していらっしゃいます。従って、キプロスのギリシャ側に政治的な決意があるなら、平和を構築することは困難ではないのです。全ての人が平等とみなされ、どちらがより正当であるなどと言い出しさえしなければ。 そうなれば、全ての人と共に、キプロスは平和な島となり、東地中海もまた平和な地域の状態に戻すことが出来るのです」と語った。

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( 翻訳者:沓澤実紗子 )
( 記事ID:19189 )