ボスフォラス第3橋は、イスタンブルの緑を失わせる―森林技術者連合でパネル
2010年05月28日付 Radikal 紙

ガリプチェ・ポイラズキョイ間に建設予定のボスフォラス第3橋の影響について、議論が続いている。森林技術者連合局イスタンブル支部は、TMMOB(トルコ技術者建築家連合)の機械技術者本部で、先週、「第3橋」に関するパネルディスカッションを開催した。

イスタンブル森林技術者連合のベシム・セルトク支部長の報告によると、第3橋の建設によってイスタンブルの森林全体の3分の1のほどの面積が乱開発の対象となる。該当地域は、「2B」指定の土地となり、合計17億リラの不正な不労所得が生まれる。以下にセルトク氏の主張の要点をまとめた。

*発表のあった260キロメートルの道路のうち182キロメートルは森を突っ切っている。これは、車道の両サイドに、安全面を考慮して40×40メートルが追加され、長さ182メートル、幅125メートルの道路が建設される、という意味になる。この場合アスファルトで覆われた土地だけでも、合わせて2,275ヘクタールに及ぶことになる。

*もっと危険なのは、この道路の吸引力によって作り出される住宅地である。全道路の20%が森林地帯をとおるTEM(ヨーロッパ横断自動車道)道の吸引力で開発されたスルタンベイリやサリガズィなどの住宅地の面積は25,000ヘクタールに及んでいる。

*新しい道路は、全体の70パーセントが森林地帯をとおる形で計画されている。これが実現した場合、単純計算で85,000ヘクタールの森林地帯が、この道路の吸引力で発生する、森林や公有地の不正使用・占拠によって生みだされる住宅開発の舞台になる。これはイスタンブルの森林地帯の3分の1の大きさである。

*イスタンブルの森林や公有地を不正に使用・占拠した結果、獲得される「2B地」は、1平方メートルが最低でも200トルコリラで売却される。85,000ヘクタール(8億5千万平方メートル)を、1平方メートル200トルコリラで割ると、合計170億リラの不正な不労所得がうまれる。これは一種の「不労所得プロジェクト」である。

*イスタンブル北部のほぼ全ての土地は、森林ではないにせよ空き地や牧草地、荒野、畑といった自然あふれる野生地である。これらの土地は、多くの植物や鳥類、哺乳類の生活環境を形成している。要するに、この道路はその全体が森や野生地を横ぎり、それを破壊することになるのである。

*橋を建設することは、トルコも批准している環境に関する国際的な合意と対立する。

*最終的な経路がいかなるものであろうと、このような行為が、北部にわずかに残るイスタンブルの森林地帯を崩壊させることは明らかである。第3橋が建設された場合、周辺やそれに接続する道路によって、(イスタンブル近郊の)「ベオグラードの森」ほどの面積の森林、さらに、それと同じ面積の畑、野生地がなくなる危険性が大変高い。

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( 翻訳者:木村納菜 )
( 記事ID:19259 )