「私もモデルになりたい」:違法モデル業界に飛び込む人々
2010年05月22日付 Iran 紙


【パルヤー・ホダーゴリーザーデ】「最低身長は女性で170cm、男性で180cm、体重は世界標準並で〔一般に認められた〕モデルと同じくらいであること。顔は、明らかに目立つような欠陥があってはならない。例については応募書類に明記されています。…基本動作やジェスチャーをマスターするための教育課程の終了後、審査員立ち会いの下、最終試験を受けていただきます。そこで合格すれば、事務所のモデルとして、新しいブランドの広告塔になることができます…」。

 恐らく事務所の秘書であろう、スマートな服装の若い女性は、まるでこの規則の全てがモデルになるための法的な決まりであるかのように、厳かに、滔々とこう述べる。地下活動を営むモデル事務所の応募資格を述べているようなそぶりは、まったく見せない。

〔中略〕

 モデルの仕事に興味を示す若者たちを物色する、こうした事務所の非合法な地下活動が顕著な広がりを見せ始めて、すでに数年がたつ。その結果、多くの若者がさほどの活躍の機会もないまま、抜け出すことの困難な泥沼に否応なく入り込んでしまっている。

 モデル事務所は応募資格や教育内容について応募者らにこっそりと耳打ちした後、応募者の中から必要条件を満たしている者を選び出し、訓練期間を経て、服や鞄、靴や化粧品、その他ブランド品の広告のモデルとして彼女らを利用する。しかし、こうした事務所の多くがどのような活動をしてきたのか、その裏側を覗けば、多くの若者が知らない苦い現実が見えてくる。

モデル=スーパースター

 モデルになることは、多くの若者にとって手の届かない遠い夢である。しかし若者たちは、この夢を手に入れるためならどんな苦労も厭わない。厳しいダイエットだけではない。彼女たちはどんな服装も着こなすことを要求され、観客らの好奇のまなざしに晒される。地下ファッション・ショーに来ていた観客たち、そしておそらく、世界中の衛星放送の視聴者たちのまなざしにも…。

 マーンダーナー、26歳。彼女は某事務所所属のモデルとして、数年を過ごし、こうした地下ファッション・ショーの知られざる現実のほぼすべてを知っている人物だ。にもかかわらず、彼女はモデルになることが最大かつ最高の生き甲斐だと考えているという。なぜなら、

 「モデルはスポットライトを一身に浴びる存在。つまりみんなが、彼・彼女の登場に息をのむ、そういう存在なのよ。いい?ある有名ブランドが新しいファッションを作る、で、その服を初めてみんなの前で身につけて、モデルっぽく歩くのがあなただとしたら、それってサイコーじゃない!

 もし〔‥‥〕うまい宣伝用の振り付けなんかできれば、巨額の契約を結べるし、世界の有名なモデル雑誌に推薦してもらえることだってあるかもしれない。そうすればあなたも、本物のスーパースターになれるってわけ。いまや〔‥‥〕全ての人があなたを知っている。あなたが宣伝しているファッションは、すごいファッションだって、みんなが認めてくれる。…これって本当にすごくない?私の夢はね、いつかそういう本物のモデルになることよ」。

〔後略〕

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( 翻訳者:永田彩香 )
( 記事ID:19279 )