タジュリーシュ広場で女性の着衣の乱れに抗議するデモ(その3)
2010年04月29日付 Mardomsalari 紙

社会的安全向上計画の影で動き出した指導巡回

 もっとも、当時議論されていたのは、〔王政時代の〕偶像崇拝主義からの残存物としての「へジャーブ未着用の文化」(ビーヘジャービー)をいかに撲滅するかについてであったが、最近では「ヘジャーブの乱れ」(バッドへジャービー)の撲滅がむしろ取りざたされるようになっている。

 近年のニュースをふりかえってみると、バッドへジャービーの取り締まりに関して、1385年(2006年)の「指導巡回」の開始と社会的安全向上計画の実施が思い出される。

 「社会的安全向上計画」は、治安維持軍が実施主体を担う計画であり、文化革命最高評議会の決定に沿って「貞節総合計画」というタイトルのもとで実施されたものだ。

 この計画は文化革命最高評議会で可決されたことから、政府のほかに、司法権や革命防衛隊、情報省、バスィージ抵抗部隊なども、同計画に協力した。

 治安維持軍のエスマーイール・アフマディー=モガッダム総司令官は、計画の実施当初、同計画を「貞操の安全」という名前で呼んでいたが、しばらくして、この計画は「社会と道徳の安全」という名に変更された。

 この計画は1385年と86年〔2006〜2008年〕の二年間、毎日のように新たな段階を経験し、広範な領域を含む形で行われた。それは、バッドヘジャーブな(ヘジャーブの乱れた)女性の取り締まりから、治安維持軍や司法当局によって社会秩序や安全の撹乱者として認識されていた「ならず者」の処刑までも含むものであった。

 この計画はまた、莫大な予算も獲得していた。実際、治安維持軍による計画の新ラウンドが開始された際、治安維持軍の法律・国会担当副総司令官は、「今年度、この計画を継続するために、1030億トマーン〔約100億円〕以上の予算が社会的安全向上計画に割り当てられる見通しである」と発表していた。

 社会的安全向上計画の実施に際しては、ヘジャーブの乱れた女性ドライバーの取り締まりも、警察の任務に組み入れられていた。この計画によると、ヘジャーブの乱れた女性を乗せている車、あるいは、運転手がヘジャーブの乱れた女性である車は、道徳的安全計画を実施する警察官や交通指導警察官らによって、差し押さえられ、〔警察の〕保管駐車場へと移動させられた。

 一方、こうした車は差し押さえられただけでなく、「堕落取り締まり警察署」に貼られていた指示書によると、「女性の貞節に対して迷惑行為を働いている」〔=街ゆく女性をドライブなどに誘うなど、ナンパ行為に及んでいる〕車は3カ月間の没収、ヘジャーブの乱れた人物を同乗させている車は2カ月間の没収、などと定められていた。同様に、自動車に犬を乗せてドライブをした場合や、騒音公害を撒き散らした場合にも、特定の没収期間が定められていた。

 こうした計画の実施には、さまざまな反応があったが、ともあれ、バッドヘジャービー取締りについて、大テヘラン治安維持軍のホセイン・サージェディーニヤー司令官は最新の情報を伝えている。

 同司令官は、道徳的安全計画では、指導巡回はこれまでと同様の方法で行われるのかとの問いに答える形で、次のように述べている。「指導巡回は、以前と同じ内容のものにはならないだろう。恐らく巡回は行うことになると思うし、〔違反者らに対して〕注意を与える者も絶対に必要だろう。しかし指導の方法は、これまでとは異なるアプローチになるだろう」。

 同司令官は、次のように続ける。「道徳的安全において私たちが問題にしているのは、バッドへジャービーの取り締まりだけではない。貞節に対して迷惑行為を働く者などへの取り締まりもまた、含まれている」。

 同司令官はさらに、「私たちの計画では、公園警察〔の設置〕も視野に入れている。特に夏になると、公園の利用者も増える。計画の一部には、規範を無視した品行の悪い行為への取り締まりも含まれている。〔公園は一般〕社会とは違うはずだなどと考える者が、ほんの一部だが存在するのだ」と述べた。

 大テヘラン治安維持軍の司令官はまた、「現在、道徳的安全計画の承認・通達を待っているところだ。この計画は夏前にも実行可能となるであろう」と強調した。

 昨日のテヘラン・タジュリーシュ広場で起きたデモ行進は、治安維持軍の新たな計画の始まりを予示するもののように思われる。

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( 翻訳者:山本和代 )
( 記事ID:19292 )