イラン国内での外資系銀行設立をめぐる制限、完全撤廃へ
2010年05月26日付 Jam-e Jam 紙

【経済部:セイエド・アリー・ドゥースティー=ムーサヴィー】イランの国会は昨日、イラン経済に外資系銀行が進出する際の障害を完全に撤廃する内容の法案を可決した。これにより、この問題をめぐって凍結されたままの状態にあった〔外国資本のイラン国内進出へ向けた〕動きが始まる可能性もある。

 本紙記者の報告によると、国が定める新旧の通貨・財政関連法規のなかには、外資系銀行が国内に参入する際に大きな障害となっていたものが存在してきた。例えば「旧型」の障害としては、1351年〔西暦1972年〕に可決された「国家通貨・銀行法」や、1379年〔2000年〕に通貨信用評議会が民間銀行の設立に関して定めた決定事項のなかに言及されている、さまざまな規則などを挙げることができる。

 他方、最近になって国会が可決した「新たな」法律のなかにも、外資系銀行がイラン国内に参入する際の大きな制約となっているものがある。

 「憲法第44条政策法第5条」も、こうした巨大かつ「新たな」障害の一つとなっている。この法律はもともと、〔国営企業の〕民営化の促進をその使命としていたにもかかわらず、しかし同法の第5条には、国内であるか国外であるかにかかわらず、個人ならびに法人に対して民間銀行設立の権利を与えない内容が含まれているのである。
〔※憲法第44条は、国の経済を国営・協同組合・民間の三つに分けることを規定した条項で、国営企業の民営化促進の法的根拠となっているもの〕

 この条項によると、認められる銀行株の所有限度は、直接的であれ間接的であれ、協同組合ならびに非政府系公益団体で最大10%、〔民間の〕個人・法人で5%と定められている。

 こうした制限は事実上、国内の民間部門・国外に居住するイラン人・海外の民間投資家らが、たとえ希望していても、イラン国内に〔民間〕銀行を設立することを不可能にする要因となってきたのである。

〔中略〕

 「イラン海外投資・技術経済サポート機構」の情報によると、現在イラン国内に銀行を設立したいとする海外からの要望が6件寄せられており、こうした要望の一部は過去6ヶ月間のものだという。しかし法律上の障害の為に、こうした要望は叶えられぬまま、放置されていた。しかし昨日の国会の可決により、こうした制限はすべて撤廃され、外資系銀行の参入に道が開かれたのである。

〔後略〕

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( 翻訳者:塩尻菜穂子 )
( 記事ID:19305 )