アフマディーネジャード大統領、国会・護憲評議会が決めた3法を憲法違反と批判
2010年06月08日付 Jam-e Jam 紙

法律の可決と施行、そして互いのプライドとステータスの防衛をめぐって、立法と行政の二権の長が、非難の応酬を始めた。これをきっかけとして、マフムード・アフマディーネジャード大統領は、アフマド・ジャンナティー護憲評議会書記に対し、国会で可決された一部法案にはイラン・イスラーム共和国憲法にそぐわないものがあると強調する書簡を送る事態となった。
〔※訳注:国会の可決した法律が憲法に反しているか否かを判断する権限は護憲評議会にあり、大統領にはない。また国会で可決されたすべての法律は護憲評議会のチェックを受けることになっており、それゆえ大統領が法律を憲法違反として批判することは、護憲評議会の権限に挑戦することにもなる〕

 昨日、こうした書簡がジャンナティー護憲評議会書記に送付された背景には、ここ数週間にわたり、法の施行や〔可決された法の〕シャリーアとの適合性、政府による法律違反などをめぐって、大統領と国会議長が批判合戦を繰り広げていることが挙げられる。

 アフマディーネジャード大統領は同書簡のなかで、憲法の実施という自らの使命に基づいて、自身が気が付いたことを指摘すると但し書きをした上で、国会で可決されてはいるが、しかし憲法に反しているとされる3つの法律について言及した。

 アフマディーネジャード大統領はこの書簡で、「住宅供給整備保護法」に農村部の住宅政策についての一節を付加する内容の議会提出法案について触れ、「このような法律は、投機的な土地転がしの原因となるものであり、したがって、憲法第45条及び第49条、ならびに最高指導者の勅令に著しく反するものである」と記した。
〔※憲法第45条は国有地に関して定めた条項、第49条は不当に得られた財は国によって没収されることを規定した条項〕

 大統領はまた、同書簡のなかで、この法律は国会の内規にも反していると指摘し、「議会提出のこの法案によって、国および公共の資産は大きく目減りする。これは、予期せぬ政府財源の減少を引き起こすことにもなりうる」と強調した。

 大統領はまた、職業学校や教員養成センター、シャヒード・ラジャーイー大学への学生の受け入れ法案に関しても反対を表明し、こうした案を決め、学生の受入数を指定することは、明らかに行政が行うべき仕事であり、〔国会の〕こうした動きは憲法第60条にそぐわない、とした。
〔※憲法第60条は、最高指導者の権限に関わるもの以外のすべての行政関連業務は、大統領ならびに各省の大臣によって実行されるものであることを規定した条項〕

 アフマディーネジャード大統領はさらに、国会は行政権が関わる事柄に干渉したり、意志決定を行ったりしてはならず、行政上の決定は行政権にのみ帰属する、と強調した。

 大統領はまた、国会の可決が法律に違反していることの理由として、憲法第126条及び第57条に言及し、「残念ながら近年、政府による法的行動に対し、新たな法律を制定することで行政権の法的権限を無力化しようとする動きが国会に見られる。国会は、政府の法に則った意志決定を無効化しようと目論んでいる」と強調した。
〔憲法第57条は三権の分立を定めた条項、第126条は大統領の権限を定めた条項〕

〔中略〕

 さらに大統領の書簡には、憲法第67条に定められた〔国会議員就任時に読み上げられる〕宣誓文と議会内規第17条の規定に忠実であるべき国会議長としては、同議長の言動には驚くべきものがあると指摘する内容も記されている。

問題の背景

 アフマディーネジャード大統領がこうした書簡を出すきっかけとなったのは、大統領出席のもと非公開で開かれた会合での、あるハプニングがあるものと思われる。この会合に出席した「憲法第90条委員会」の委員らが、国会によって可決された法律がきちんと施行されていないと〔大統領の面前で〕不満を述べたことに対し、大統領は国会への批判で答えたと言われている。
〔※「憲法第90条委員会」とは、「国会は三権に対する市民の訴えを調査し、結果を公表しなければならない」という憲法第90条の規定にもとづき、問題の調査を行う国会の委員会〕

 政府は否定するものの、国会が事実と認めたこのハプニングは、国会の公開本会議場にも尾を引き、国会議長や一部国会議員らが本会議の場でコメントを出す事態に発展した。

 「憲法第90条委員会」の非公開会合のなかで、国会議員の政府への指摘ないし非難に対して、大統領が批判めいた言動を行ったことに反応する形で、アリー・ラーリージャーニー国会議長は日曜日の公開本会議で、次のように表明したのである。「〔政府による〕法律違反の事例は確かに存在するが、それをここで申し上げるつもりはない。しかし、もしこの問題にこだわるようであれば〔=大統領が「憲法第90条委員会」の指摘を非難する言動を続けるようであれば〕、そうした〔政府による法律違反の〕事例を国会議員と国民双方に公開し、適切な措置を講ずることもあるだろう」。

〔後略〕

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( 翻訳者:水谷陣也 )
( 記事ID:19381 )