首相、クルド語で「'Tu bi xer hati'」―バルザーニー・クルド自治政府議長明かす
2010年06月25日付 Radikal 紙


バルザーニー議長:エルドアン首相はクルド語で「Tu bi xer hati(ようこそ)」と私を出迎えた

イラク北部にあるクルド自治政府のメスード・バルザーニー議長は、今月初めにトルコを訪問した際に、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が彼をクルド語で「ようこそ(Tu bi xer hati)」と迎えていたことを明らかにした。トルコでの会談後、フランス、ドイツ、オーストラリアの各国を訪問したメスト・バルザーニ議長は、北イラクへ戻るとアルビル空港で記者の質問に答えた。彼が党首を務めるイラク・クルディスタン民主党(IKDP)の公式ウェブサイトのニュースによると、バルザーニー議長はトルコでの会談について語った。

●「PKKのこの行為を予想していなかった」
メスード・バルザーニー議長は、自身のトルコ訪問中にPKKの攻撃があったことに言及し、「PKKが戦闘を開始し、これに対しトルコではクルド自治区との境界で爆撃が始まった。これは本当に全く好ましくない状況だ。私がトルコにいる時にこのような事が起きるなど、本当に予想していなかったことだ」と述べた。
バルザーニー議長はトルコとイランからPKKに対して行われた爆撃についても触れ、「我々はクルディスタン地域の境域が爆撃されたことを非常に厳しい言葉で非難したし、いまも非難する。我々はトルコとイランの軍事行動を非難する。PKKの行為は、トルコとイランのクルディスタン地域の境域への爆撃の口実を作っている。私は三者が問題を平和的な方法で解決するよう呼びかけている」と述べた。
メスード・バルザーニー議長は、彼がトルコ滞在中に越境軍事作戦に許可を出したというPKK支持のウェブサイト上にある情報を否定し、「どのような形であれ、我々がトルコとイランのクルディスタン境域への爆撃に許可を出したことはない。このように報道されたニュースは、現実的であることから間違いなく乖離している。我々は爆撃を厳しく非難したし、今も非難している」と語った。

●「私にクルド語でようこそと言った」
メスード・バルザーニー議長は、トルコにこれまでと異なる新しい空気があり、広い意味で政治解決のプロセスが進んでいると語り、トルコとの相互理解の点において相違があるが、経済関係の拡大とこの理解の変化を土台として平和へのプロセスを支援し続けていくと述べた。
バルザーニー議長はトルコへ招待されたこと、そして自身が訪問したことでいくつかの変化があったと述べ、「彼らは以前はクルディスタンという地名も、クルディスタン地域も認めていなかった。しかし今回の訪問が終わってみると、いくつか変化していることが見られた。公式な招待状がクルド自治政府議長という肩書きで送られてきたし、トルコのレジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、会談で私をクルド語で『Tu bi xer hati(ようこそ)』と迎えてくれた」と述べた。

●「イラク国旗が掲げられれば良かったのだが」
アフメト・ダヴトオール外相と行った会談の際、なぜトルコ国旗のみが飾られ、イラクまたはクルディスタンの旗が飾られなかったのかという記者の質問に、バルザーニー議長は「我々はクルディスタン地域において、独立した国家ではない。連邦制であるイラクを構成する連邦地域だ。クルディスタンの旗が会議室に飾られないのはあり得ることだ」と答えた。

バルザーニー議長は、アメリカのオバマ大統領、ブッシュ前大統領と行った会談においても、クルディスタンの旗が飾られなかったと説明し、ダヴトオール外相との会談でイラク国旗が飾られなかったことについて次のように語った:「ダヴトオール外相との会談で、私の後方にイラク国旗があるかどうかについては本当に気づかなかった。私にも分からないが、なぜ会議室にイラク国旗が飾られなかったのだろうか。我々の要望でイラク国旗が部屋から撤去されたのではない。もし飾られていたなら、喜んで受け入れただろう。我々はイラクの一部だ。この問題は、より外交議定に関係することであり、これについてはイラクとトルコの外相間での解決が必要だ。」

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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:19514 )