ロシア人スパイはイスタンブルにも来ていた
2010年07月01日付 Zaman 紙


アメリカのFBI捜査官が行った近年で最大のスパイ活動捜査により逮捕されたロシア人スパイの一人アンナ・チャプマン容疑者が、ある期間イスタンブルに滞在していたことが判明した。

イスタンブルのオルタキョイ、スルタンアフメト、ボスポラスなど、多くの世界的に有名な場所で撮影されたチャプマン容疑者の写真が見つかっている。

FBI捜査官が7年に及ぶ捜査の末先週の火曜日に逮捕した11名のスパイの一人アンナ・チャプマン容疑者(28)が、フェイスブックに掲載した90枚を超える写真のうちの1枚はイスタンブルのオスマン・ホテルで撮影されたものであることが分かった。チャプマン容疑者がサイトに掲載した他の写真には、友人とともにオルタキョイとスルタンアフメトを訪れ、さらにボスポラスツアーに参加した様子が写っている。チャプマン容疑者がイスタンブルでの写真を最後にアップしたのは5月15日であることがわかった。

■ロンドンにも滞在

赤い髪に緑の目をした、メディアでは「ファム・ファタール(運命の女)」と呼ばれるチャプマン容疑者はアメリカへ向かう前、5年間イギリスの首都ロンドンに滞在し、この期間にイギリス人男性と結婚していたことが判明した。彼女は夫と離婚した後、2月にモスクワからニューヨークに移り、ロンドンの投資会社で長期間働いていたことが分かった。チャプマン容疑者の逮捕を決定した連邦裁判所は、彼女の会社の総価値は200万ドルであると発表した。

■イギリス情報局保安部(MI5)が捜査を開始

アンナ・チャプマン容疑者がある時期イギリスで活動していたことが判明した後、イギリス情報局保安部(MI5)は冷戦期以降初めて、国内のロシア人スパイをあぶりだすために捜査を開始した。MI5は、現在20カ国からのスパイがイギリスにいるものとみている。イギリス情報部によると、イギリスにいるロシア人スパイの数は、ロシア大使館関係者を除くと30名のみである。

■「人」のエキスパート

自身を「人的資源、技術、不動産を含むいくつもの分野におけるエキスパート」である女性と定義するチャプマン容疑者は、週末にニューヨークのレストランでFBI捜査官により逮捕された。スパイ活動中は「イリーナ・クトゥソフ」という偽名を使っていた容疑者の実際の名字は「クシュチェンコ」であると言われている。アメリカ政府関係者は、彼女はウクライナで生まれヴォルゴグラードで育ち、特別教育を受けたスパイであると述べた。

■フェイスブックのメッセージ

フェイスブックのチャプマン容疑者のページからモスクワの上司に暗号メッセージが送信されたものとみられている。チャプマン容疑者と、FBIにより逮捕された容疑者の一人ミハイル・セメンコのフェイスブックと、「odnoklassniki.ru」というロシアのソーシャルネットワーキングサービスのページには、何百もの支援メッセージが送られてきている。各サイトにメッセージを送る人々の多くはロシア人で、チャプマンとセメンコは無実であり、アメリカが行った捜査は「中世の魔女狩り」のようであると述べている。

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( 翻訳者:大門志織 )
( 記事ID:19559 )