イスラエル・リーベルマン外相「謝罪すべきはトルコ」
2010年07月05日付 Radikal 紙


イスラエルのアヴィグドール・リーベルマン外相は、ガザの支援船襲撃をうけトルコは謝罪を求めているが、要求に応じるつもりはないと述べた。

トルコ-イスラエル間の緊張は、トルコのアフメト・ダヴトオール外相とイスラエルのビンヤミン・ベン・エリエゼル通産相が(ブリュッセルで)行った会談で落ち着くかとみられていたが、「謝罪」か「国交断絶」かのかけひきで再び緊張が高まった。(両国外相と通産相の)会談を当初、知らされていなかったリーベルマン外相は、会談を知って以来トルコに対し、高圧的な態度をとり始めた。

イギリスBBCの報道によると、ブリュッセルでの会談の後、ダヴトオール外相は7月4日にイスラエルにより明確なメッセージを送り、「謝罪するか、国際委員会とその調査を受け入れるか、国交断絶をするかだ」と述べた。

イスラエルの外務省はすぐにこのメッセージに反応した。ダヴトオール外相の発言に関連してYigal Palmor外務省報道官は、フランスのAFP通信にコメントし、「謝罪を求めるときは、脅迫や最後通牒はしないものです…。こうしたすべてのことは、トルコの思惑には別の計画があると我々に思わせます。」

その後ヘブライ語で発信している「Walla」という情報チャンネルにコメントした別の政府高官は、イスラエルの強硬な態度をエスカレートさせた。

■(1967年の)ソ連の事例を引用

この高官は、脅迫と最後通牒がイスラエルを強硬な手段に向かわせかねないと警告した。又、この状況はトルコの問題に関するアメリカとEUの国々の世論に対し、マイナスの影響を及ぼすだろうと述べ、「この手の国交断絶のような決定が下されることは、跳ね返りの影響を生じさせている。これは、トルコの西側の友好国が、イスラエルからではなく、トルコから距離を置く原因となるだろう」と述べた。

同高官は、ソ連-イスラエル間で1967年に起きた外交危機に言及し、これが結果としてイスラエルではなくソ連が「中東政策において力を失う」原因となったと述べた。

ソ連とルーマニア以外の東陣営の各国は、1967年の6日間戦争を理由に、イスラエルと国交を断絶した。ソ連は、イスラエルの占領したアラブの地から撤退するよう要求した。2国間の国交は1992年に復活するまで、途絶えていた。

■「我々は謝罪をするつもりはない」

トルコの強硬な声明に対し、イスラエルは支援船襲撃の件で決して謝罪をするつもりはないと述べた。

朝方に会見を行った政府高官は、自国防衛のためにイスラエルは謝罪をしないのだと述べた。関係者は、「死者が発生したことは真に遺憾だが、しかし暴力事件を始めたのは我々の側ではなかった」と話した。

「謝罪」か「国交断絶」かのかけひきに、イスラエルの極右であるアヴィグドール・リーベルマン外相も加わった。リーベルマン外相は、トルコ側に対し謝罪する意向がないことを強調し、「我々は謝罪をするつもりはまったくない。そもそも我々は、トルコが謝るべきだと思っている」と述べた。

■前向きな状況、一気に崩壊

「謝罪」か「国交断絶」か、という発言を生んだこのかけひきは、ダヴトオール外相とベン・エリエゼル通産相の会談で築かれた前向きな状況を一度に壊した。ダヴトオール外相とベン・エリエゼル通産相は先週ブリュッセルで会見した。トルコ側はこの会見で、9人の命が失われた支援船襲撃に対しイスラエルからの謝罪と損害賠償の要求を伝え、事件への国際調査を要求した。イスラエルで物議を醸したこの秘密の会見は、支援船襲撃以来の2国の折衝としては、もっとも高位の担当者による会談だった。

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( 翻訳者:大嶽真梨子 )
( 記事ID:19601 )