夏休み、里帰りの在欧トルコ人の財布のひもも締まりぎみ―貴金属商はがっかり
2010年07月21日付 Milliyet 紙

夏になり市場の活性化のために外国在住者の動向を伺っていた貴金属商たちだが、今シーズンは金を売るよりも換金するほうが多い状況となっている。

トラブゾン貴金属・時計販売者協会のムーサ・バシャク会長は、アナトリア通信の記者に対し、結婚式シーズンが金市場に良い影響をもたらしていると説明した。「結婚式シーズンであるこの1ヶ月ほど、市場はわずかながらも活性化した。この状況に関係業者たちは期待を抱いている。この状況がなるべく長く続いて安心できるといいのだが。」

 金価格上昇が金に対する需要を落ち込ませるとするバシャク氏は、「最近になって金の値段が停滞したり下落してきたことで、金の購入が回復してきた。もちろん結婚式の需要によるところも大きい。一定期間続いた金の高騰によって締め付けられていた市場が、人々の購買でまた活気を取り戻しだした」と話した。

■ 販売数や重量は落ち込み

バシャク氏は、結婚式用の金の販売が昨年に比べ今年は15~20パーセントの減少であることに注目しながら、以下のように話した。
「これまでは結婚式といえば少なくとも4、5本のブレスレットを買った人々が、購買力の衰えとともに今では2本、多くても3本となってしまった。販売数が減る一方で、重量で見ても売上は減った。人々はより数を減らし、重さを減らして求めるようになっている。結婚式の贈り物として金を買う人々は、24金の品物に 103~104リラを払うより、20~30リラで薄い金貨を買うようになった。このような状況は、当然ながら結婚式の主催者側や我々にとって残念なことだ。主催者にも我々にもマイナスの影響をもたらしている。」

 また、国外に住む移民たちが現金として使用するために金を換金しに来ることにも触れた。「国外の移民たちは我々より厳しい状態だ。彼らはここで手持ちの金を崩して現金にし、それで生活をまかなっている。金の売り買いではなく、換金する流れになっている。」

 移民たちは新しく金を買う場合でも、ごく小さいものを選ぶという。「移民たちの購買力にはもはやかつての勢いはない。以前は故郷に休暇に訪れていた移民たちが、自分の財産を金に投資していた。昔は3~5本のブレスレットに2連、3連のネックレスを買っていったものだが、今やそんな買い物はなくなった。ヨーロッパで働くトルコ人も我々のように経済的な苦境に陥っている。つまり世界で起こった経済危機によって、以前は故郷で金を買っていた移民たちが今ではここでの生活のために金を売るようになった。そういった意味で、貴金属商たちは市場が長期的に停滞しているために(希望を託して)注目していた移民たちからも、期待したような結果を得ることができなかった。」

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:19747 )