4000年前の脳施術後の頭蓋骨発掘―カイセリ・キュルテペ遺跡
2010年07月23日付 Milliyet 紙


カイセリ-シバス国道沿いのキュルテペ遺跡調査で発見されたアッシリア商人の白骨を調査した結果,この人物は約4000年前,頭部の膜の炎症を治療するために,頭蓋骨の開窓手術を受けていたことが判明した。
アンカラ大学のフィキリ・クラクオール教授(言語・歴史・地理学部,考古学科)は,アナトリア通信の特派員に対し,1948年から継続的に行われているキュルテペ/カニシュ・カールム(商人居留区)の発掘地区で,2010年の調査が始まり,発掘初日に非常に重要な墓が発見されたと語った。クラクオール教授は,注意深く墓を発掘した結果,その場所からアッシリアの男性商人のものとおぼしき骨や武器,私物が発見されたとし,次のように語った:

■ 4000年前の男性に手術
「カニシュ遺跡での発掘初日,より正確に言うと,遺跡のクリーニング作業中にその墓を発見しました。アッシリア商人居留地時代の4000年前に作られた墓です。そこで見つかったアッシリア商人とおぼしき人骨のそばには,商人の私物や,武器として使われた槍・斧もありました。発見された頭蓋骨を発掘調査団の人類学者が鑑定したところ,このアッシリア商人は生前に手術を受け,回復してから死亡していたことがわかりました。(おかげで)今年は高いモチベーションで発掘を始めることができました。」アナドル大学のハンダン・ウスチュンダー教授も,こうした頭蓋骨を見たのは初めと語り,次のように説明してくれた:

■ 手術は成功し,健康は回復した
「キュルテペでは(これまでに)何百もの人骨が発見されています。しかし,この人骨は他に類を見ない特別なものです。アッシリア商人の頭骸骨には,きちんと切られた痕が残っています。6×3平方センチメートルの傷跡から,頭に穴を空ける手術が行われ,これが成功して彼の健康が回復したことがわかります。彼は今から4000年前に頭部手術が成功していたことを,現代の我々に示しているのです。彼が頭部の膜に炎症を起こし,手術の結果回復したことは明白です。この手術は非常に腕の良い人物によって行われ,成功したようです」

■ キュルテペ遺跡とは
キュルテペ遺跡は,アナトリアの人々が初めて文字とであったアナトリア最古の中心都市で,その歴史は今から5000年前にまで遡ることができる。この遺跡の学術的な発掘調査は1948年タフスィン・オズギュッチ教授によって始められた。遺跡の中心地からは,今日に至るまで5万点近くの粘土板や考古学的な遺物が発掘されている。遺物の多くは,カイセリに(収容可能な)博物館がないため,アンカラのアナトリア文明博物館に運ばれ,保管・展示されている。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:19759 )