シリア訪問のシムシェキ財務相、「準備は万端、あとは投資をまつだけ」
2010年07月27日付 Hurriyet 紙

メフメト・シムシェキ財務大臣は、トルコとシリアの関係があらゆる分野において完ぺきであると述べ、「例えばヘルヴァ(お菓子)を作ろうと思うなら、必要なものは全て整っている。自由貿易協定があり、ビザは撤廃された。関係は非常に良好な水準にある。あとは実業家らがお互いに一歩踏み込んだ話し合いをするべきだ」と話した。

 様々な要人と会うためにシリアを訪れているシムシェキ財務大臣は、アリ・アフマド・マンソウラ・アレッポ県知事を訪問した。シムシェキ財務大臣は、訪問の際の談話で、世界的文化遺産という観点から非常に重要であるアレッポを訪れ、幸せであると語った。シムシェキ財務大臣は、「トルコとシリアの関係は政治的、経済的なあらゆる分野において完ぺきである。この関係をさらに前進させるために必要な政治的意志はある」と話した。

 シリア訪問は初めてであり、もっと早くに訪問すべきでしたと語るシムシェキ財務大臣は、「友好国、姉妹国であるシリアの発展、さらなる繁栄、安定は我々にとっても非常に重要だ。私はここを自分の家のように感じている。私は本当に心地がよい」と述べた。

 政治的には、さまざまな課題を成し遂げ、政治的関係が完ぺきなものになったと述べたシムシェキ財務大臣は、「あとは実業家らが一堂に会し、二国の繁栄をさらなるものにするために共に努力することになる」と話した。

■トルコ―シリア共同銀行の設立
 シムシェキ財務大臣とマンソウラ知事はその後、県庁舎の会議室においてアレッポ商工会議所の会員である実業家らと一堂に会した。シムシェキ財務大臣は、実業家らが一堂に会し、より多くの雇用創出、投資、取引の増加のため全ての条件が整っていると話した。
 シムシェキ財務大臣は、「シリアとトルコはこの地域が安定、平和、そして繁栄するための非常に重要な二人の役者だ。我々は国家としてシリアの発展、進歩のためあらゆる種類の支援を与える準備ができている。これによりトルコとこの地域は利益を得るだろう。我々には将来の輝かしい栄光が見えている」と話した。

 トルコが投資と改革において、この8~10年間で大きな変化を経験したと表現するシムシェキ財務大臣は、8年前、トルコは世界23番目の経済国であったが現在は16番目の経済国であると強調した。

 シムシェキ財務大臣は、銀行、電気通信インフラにおいて意味ある進歩があったと説明する一方、「この枠組みにおいて我々は、我々の経験や蓄積をシリアへ伝えようと確固たる決意を持っている。トルコ―シリア共同銀行の設立をも考えている。多分、来期に、この問題も結論が出るであろう」と話した。
 トルコが世界の観光業分野で、観光客数では7番目に位置しているとするシムシェキ財務大臣は、二国が観光においても協力し、共同機関を設立する可能性があると述べた。

■ヘルヴァを作るための全てが整っている
 トルコが以前から年間10億ドルに迫る外国資本を引き入れ、経済危機前には年間200億ドルに達したが、経済危機により減少があったと述べたシムシェキ財務大臣は、「今後数年間で再度上昇に転じるだろう。外資企業数も急速に増加し、2010年下半期には2万5000社に達した。これも、改革が行われれば国家がどのようになるかをしめしてくれる、非常に素晴しい指針である。トルコは外国資本という観点で非常に興味引かれる国である」という形で述べた。

 トルコ―シリアの関係が緊密になることで、非常に素晴しい経験の共有が可能となると語るシムシェキ財務大臣は、次のように述べた。
「我々はお互いから非常に多くのことを学ぶことができる。わざわざ一からやり直す必要はない。我々は、成功例から刺激を受け、自国をさらに前進させることができる。トルコとして我々は、シリアの同胞とあらゆる経験を共有する準備が整っている。なぜならシリアの進歩はトルコの利益へ通じるからである。
 我々はシリアの同胞の味方である。ヘルヴァを作るために必要なものがあるなら、それらは全て整っている。自由貿易協定があり、ビザは撤廃され、政治的対話は最高の水準、関係は非常に良好な水準にある。あとは、実業家らがお互いに一歩踏み込んだ話し合いをすべきである。共同でさまざまなことを行いながら、トルコで、シリアで、第三の国で、イラクで、ヨーロッパでどうだろうか・・・。我々の国家の利益に、世界の発展に貢献できる能力をあなた方は有しているのだ。政治的には我々はあなた方を支援する。あなた方のより多くの雇用、より多くの付加価値のある生産のために、われわれは地固めをしようと決めている。常にあなた方に対し我々の扉は開かれている」

■トルコ人実業家へ投資のよびかけ
 実業家らの質問にも回答したシムシェキ財務大臣は、国境での税関の問題に関し、「我々は国境門すべてを近代化し、人、車両、物品の往来の簡素化のための改革に着手した。あなた方が抱えるこの問題は、かなり改善されるだろう」と話した。

 シムシェキ財務大臣は質問を受け、教育活動に対しさらに力を入れ、この件についても協力を行う必要があると話した。

「トルコからシリアへ投資する投資家がどうして増えないのか」と問われたシムシェキ財務大臣は、二国間の投資機会をきちんと紹介する必要があると強調した。
 アリ・アフマド・マンソウラ・アレッポ知事は、現在のトルコ―シリアの二国間関係は世界の国々にとって前例となるようなものである述べた。二国の経済が共に発展すべきだと述べるマンソウラ知事は、トルコ―シリア間における20億ドルの対外貿易高は非常に小さく、今後数年で50億ドルまで増える可能性があると述べた。

 アレッポ計画産業特区には54のトルコからの投資がなされており、トルコ人実業家による投資の増加を望んでいると述べたマンソウラ知事は、次のように話した。
「我々は貿易規模の拡大のためあらゆる種類の努力を行う予定だ。継続的なトルコからの投資がシリアで行われ、両国においても共同投資が行われることを望んでいる。トルコ―シリアの貿易規模は非常に小さく、これがどんどんと拡大されることが、われわれの望みである」

 マンソウラ知事は、パレスチナに人道支援を行う船舶に対しなされた攻撃をも非難し、「トルコのこれに対する返答は堂々たるものだった」と話した。メフメト・シムシェキ財務大臣はマンソウラ知事を訪問する際、『イスタンブル2010年ヨーロッパ文化首都』の書籍を贈った。マンソウラ知事はメフメト・シムシェキ大臣へ螺鈿細工の箱や様々なプレゼントを贈った。

 さらにシムシェキ大臣は、訪問時に知事庁舎の階段から転落し負傷した在アレッポ・トルコ総領事館のフェライ・サレム職員を病院へと訪問し、健康状態を尋ねた。

 メフメト・シムシェキ財務大臣の妻エスラ・シムシェキも今回の訪問には同行し、会議にはガズィアンテプ産業会議所コチェル所長、ガズィアンテプ商業会議所のメフメト・アスラン所長、アドナン・ケチェジ・在アレッポ・トルコ総領事、クズル・グループ会長でガズィアンテプ・スポーツクラブのイブラヒム・クズル会長も参加した。

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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:19794 )