ハタイ県ドルトゥヨルで緊張高まる
2010年07月29日付 Hurriyet 紙

平和民主党(BDP)が事態の調査に向かうとの発表をうけ(訳者註:ハタイ県ドルトゥヨルで、7月26日夜、警察車両に爆弾が仕掛けられ4人の警官が殉職したことをきっかけに、この地区にはさまざまなグループが集結し、緊張した状況が続いていた)、警戒態勢が敷かれていたハタイ県ドルトゥヨルで、一部の市民がテロ組織への抗議行動に出ている。ドルトゥヨルに入れないBDP代表団は引き返すことに決定したが、緊張はまだ続き、抗議行動もやむ気配がない

治安部隊の警告にもかかわらず、イノニュ通りとアルプアルスラン・トゥルケシュ公園の周辺に集まっていた市民は、テロ組織(PKK)に反対するスローガンを投げかけた。

「殉職者よ永遠に、祖国は分裂されない」「PKKくたばれ」というスローガンを掲げるグループは、時々国歌を歌い、殉職者の為に祈っていた。
市長のファドル・ケスキンは、市庁舎においてハタイ県ジェラレティン・レケシズ知事らとの会談後、市民に冷静に、慎重になるように呼びかけた。ケスキン市長は「県として平和民主党(BDP)代表団をこの町に受けいれない決定をした。治安部隊もあらゆる警戒態勢を取っている。彼らは職務を全うしている、彼らを手助けしようではないか」と述べた。

県警本部長のムスタファ・ヤヴズヨルジュ氏も皆へ冷静になるよう呼びかけ、「私達を信じて、信頼してください。どうか解散してください」と話し、市民に落ち着くよう呼びかけた。
ケスキン市長とヤヴズヨルジュ本部長の話の後、スローガンを叫んでいたグループは解散したが、しかし公園や周辺で集まっていた人々は、そこにとどまり続けていた。
また、BDPセラハッティン・デミルタシュ党首や幾人かの国会議員からなる代表団を乗せた車列は、ドルトゥヨルに入らずに、アダナ-イスケンデルを結ぶ道路の途中にあるエルズィンから引き返した。

■一触即発

ハタイのドルトゥヨル郡では、ディヤルバクルと他の県からやってきたBDP代表団が引き返したことを受け、緊張は続いているものの、アルパスラン・トゥルケシュ公園で昼頃に集結していた500人規模のグループは、戻るという決定を聞くと、フェトヒベイ通りを行進した。トルコ国旗を持ち、手には石や棒を持ったグループが、イェシルバー地区のメズバハーネまで歩いていくと、そこではBDP派のグループも行進をしていた。二つのグループは一触即発の状態となったが、衝突は警察の介入により阻止された。

BDPのハタイ県支部幹部も、グループ同士の衝突を阻止するために大きな努力を見せた。グループは、説得された後に解散しようとしていた。しかし、グループの何人かの発言をきっかけに、一瞬にして別の通りからデモ行進を再び始めた。しかし警察のバリケードに阻まれたグループは、わき道で待機し始めた。こうして二つのグループの衝突の危険性は回避された。

■賢明なドルトゥヨルの住民

他のグループの人々はというと、ドルトゥヨルで、(BDP代表団が)引き返すという決定を聞くや、住民は彼らの賢明な行動を評価するが、お互いの反発は終わることはないと述べた。
ドルトゥヨルでBDP代表団が引き返す決定をしたとテレビの速報が伝えていた際、いくつかのグループは手をたたきながらスローガンを掲げていた。

■モスクのミナレットで抗議行動

イェシルバー地区にあるイェシルテペモスクのミナレットに登った1人は、トルコ国旗を掲げ、抗議行動を行った。氏名不詳のこの活動家は、警察によりミナレットから下され、逮捕された。

■軍警察が援軍として派遣

今回の緊張により、イェシルバー地区を警備する警官らに、全員が上級軍曹や下士官からなる軍警察特別部隊が支援のためやってきた。

■「寛容なる(和解のための)テーブル」への招待

ハタイ県のジェラレティン・レケシズ知事は、ドルトゥヨルで対立している住民らは、長い間一緒に寄り添って共に暮らしてきたと述べ、しかし自然発生的に起こった一つの事件と感情的な空気が影響し、複数の事件へと発展したこと、しかしこれからは、みんながさらなる良識を持って行動することが必要だと述べた。レケシズ知事はハタイ県が「寛容なるまち」として知られていることを強調した。

■「この一連の出来事は許されない」

BDPハッキャーリ県支部のオルハン・コパラン支部長は、今回起こった事件が決して許されない状況であることを述べた。

■山火事が起こった

一方、ドルトゥヨルのオメルリ・ウルベクの上カラタシュラル地区で19時頃、火事が起こった。原因不明の出火で、ヘリコプター消火がなされた。アマノス山での火事は、この地区でのテロリストとの衝突の際に起こった可能性もあるとされている。しかし関係者はこの火事についての説明は行なわなかった。

■BDP代表団はディヤルバクルに戻った

火曜日の夜に起こった事件を現地で調査するため、朝7時にディヤルバクルから20台の車両でドルトゥヨルへと向かったBDP代表団は、ディヤルバクルへと戻った。BDPセラハッティン・デミルタシュ党首、ギュルタン・クサナク副党首、会派副代表アイラ・アカト・アタ、ディヤルバクル県支部支部長ニジャド・ヤルク、その他の同党の議員たち、市長たちそして党員らは、夕方の20時10分ころにディヤルバクルに戻った。

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( 翻訳者:近岡由紀 )
( 記事ID:19814 )