スペイン領セウタ市のイスラム協会、同市による占領記念の祝典計画を非難
2010年07月27日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ セウタのイスラム協会、ポルトガルの占領600周年を記念する祝典を非難

2010年7月27日付『クドゥス・アラビー』紙(イギリス)HPコラム面

【ラバト:本紙】

 モロッコの地にありながらスペイン領となっているセウタ市のイスラム協会は、「2015年財団」への支援を募るために行われている活動を非難した。同財団は、同市がポルトガルに占領された600周年記念式典を開催することを望んでいるという。

 モロッコの「ヘスプレス」紙電子版は、同協会のムハンマド・アフマド・アリー代表が発出した次のような声明文を掲載した。「右派・国民党が政権を握るセウタ自治政府が本来モロッコ領であるはずの同市のポルトガル占領600周年を祝賀することは、同市に住むイスラム教徒の権利に対する侮辱と不敬の表れである。なぜならこの植民地は、ジョアン1世とその息子のエンリケ航海王子が犯した集団虐殺の象徴だからである。エンリケ王子はキリスト教の名の下に我々の先祖の権利を踏みにじった戦争犯罪者ならびに集団虐殺の首謀者であるにもかかわらず、国民党関係者によって同王子を讃える銅像が共存の象徴として街の真ん中に建立された。同王子こそが、土地を奪い、女性を辱め、無辜の子どもや老人を殺戮したにもかかわらずである」。

 また、同声明は、「同市のイスラム教徒の代表」と自称している政治会派がこの式典に参加していることも非難し、「彼らは、この街に住む一般の市民、特にイスラム教徒にとっては、罪深く不名誉な存在でしかなくなった」と述べた。

 イスラム協会は、1415年[※ママ]にポルトガルの手に落ちたメリリャ港の占領600周年を祝う計画については、一部の人々の意見を反映したものに過ぎないとしている。こうした人々は、スペインへの帰属を誇り、4つの文化の共存を支持しながら、セウタ市の評判や名誉を汚すような人々の行為を心の底から嫌悪するよう焚き付け、それが恥ずかしいと感じる感覚を植えつけるために、歴史上の名所や人物を利用しているのだという。

[※訳注:1415年はセウタの陥落、メリリャの陥落は1497年とされている]

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( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:19817 )