旧習の打破へ、ハッキャーリで新条例始まる―結婚式は1日に
2010年08月02日付 Milliyet 紙


ハッキャーリ市は結婚式、弔問、部族主義、シャッター閉鎖、高利貸し、売春といった事柄に関して決議を行った。決議が発効し、条例に従う家族もいたが一部は従わなかった。

慣習の変更によって問題を抱えた人々のなかにゾザンさん・スアトさんカップルがいた。週末22歳の花嫁ゾザン・オズデミルさんと28歳の花婿スアト・カヤさんの結婚式は、決められた条例に従って本来ならば三日間のところを一日半行なわれた。

ハッキャーリで結婚式の条例や、部族主義の廃止、部族主義に端を発する事件の根絶、高利貸し・弔問の風習や売春の防止、社会的事件の発生時にしばしば行われるシャッターの閉鎖に関連し、十二日前に住民集会が行われた。

ハッキャーリ市は、住民の意見も取り入れながら27項からなる条例の草案を作成した。平和民主党(BDP)党員であるアブドゥッラー・クルチ副市長は五日前に記者会見を開き、決定事項を発表した。その翌日には市議会議員や県議会議員、宗教関係者、村長ら、また街の中心部で商人や住民に草案文書が配られた。自治体の関係者らは決定事項が全住民に伝わるようにと、金曜のフトバと説教の際この話題に触れるよう依頼した。

■「結婚式は一日じゃ足りない、せめて一日半は必要だ」

決議の発効後、子どもたちを結婚させた家族のうち一部は依然昔の慣習に従って結婚式を行ったものの、大多数の家族は結婚式を一日だけ行なった。今週末にもゾザン・オズデミルさんとスアト・カヤさんの結婚式が、自治体の取り決めのもとで行われた。
結婚式を三日ではなく一日半に短縮した花婿のスアト・カヤさんは、ハッキャーリの風習と結婚式に関する決定の両方をを支持する形で、自らの結婚式を昔に比べて短くしたと話した。カヤさんは「決議では結婚式の期間が三日ではなく最短で一日半になったらいいと思います。一日だけの結婚式なんて考えられないので」と語った。

結婚式の付添人であり赤新月社ハッキャーリ支部局長のファドゥル・アルチチェキ氏は、住民集会に出席し自治体の決議に署名を行なったが、結婚式の三日から一日への短縮は間違っており代わりに一日半にするべきだと主張した。アルチチェキ氏は、「私は協会を代表してこの住民集会に参加しました。この決議を支持しています。しかしハッキャーリの伝統と慣習と文化の存続のためには一日では足りません。金曜日の17時以降に執り行なわれるならば、ハッキャーリの結婚式は一日半が普通です。我々の古い民謡はほとんど過去の遺物となってしまいました。我々の文化を失ってはなりません」

■どのような決議がなされたか?

ハッキャーリ市の市民社会団体代表や町の有力者、住民らの意見を取り入れつつ作成された27項の新条例は次の通りである。
1. 結婚式の主催者の評判を傷つけるよう振舞いをしないこと、音楽の演奏による騒音を最小限に留めるため結婚式は一日に短縮すること。
2. 音楽は10時から始め、夕方の道理をわきまえた時間に止めること。結婚式が行なわれている近隣もしくは近くの墓地に亡くなった人がいる場合は配慮すること。外へ(他の場所へ)向かう花嫁のためにもこの時間帯に設定すること。
3. 結婚式の食事は12時に振舞われること。
4. 付添人が作る朝食は廃止する。
5. 花嫁を迎えに行く際、パレードの車は最大で15台までに制限すること。
6. 市外から迎えられる花嫁のパレードの車は5台より多くしないこと。
7. 花嫁側が持ってくる結納品と宝石は公開しないこと。
8. 花嫁へ贈られる金の重量は、その時々の経済状況を考慮し、最高でも共和国金貨7枚、腕輪三点、ネックレス一点、指輪二点に留めること。
9. 花嫁の家はこれまで(花嫁の)親戚への贈り物という名目で婦人・紳士服を花婿の家族に要求していたが、これからは要求してはならない。
10. 嫁入り道具を見る慣習は廃止するが、花嫁に贈り物がなされる場合は結婚当日に申し出ること。
11. 贈り物が他人を傷つける要因とならないようにすること。ハッキャーリでは人前で物を贈る制度を全廃する。
12. 花嫁を美容院に連れていく際、花嫁の家族からは最多で2名の女性が付き添うこと。
13. 嫁入り道具の披露は廃止する。
14. 結婚式へは個人で行くこと。
15. 結婚式へ力を誇示するような形で参加することは、まるで部族意識を強調しているようであり、一部の貧しい人々を追い詰めている。
16. 結婚式の招待客数は制限される。協会からリストをもらい招待客に名を連ねることは止めること、また結婚式には近しい友人、親戚、近所の人々のみを呼ぶこと。
17. 結婚式での残飯やゴミは、結婚式の主催者が最寄りのゴミ集積センターに持っていくこと。
18. クナの夜は金曜の晩に行うこと(花婿側は花嫁側に最多で3台の車で向かうこと)。
19. 弔問は弔問用の家とモスクにて行うこと。
20. 全地区で一つ弔問用の家を設けること(自治体の指示のもとで住民もそれを補助すること)。
21. 食事の時間に弔問しないこと、昼食時には遺族と外からの客のみが訪問すること。
22. 弔問に行く女性は訪問を短時間で済ませ食事時まで居残らないこと。
23. 県で社会的事件が発生した際、即座に調停することのできる委員会を設立すること(この委員会には県の世論指導者、識者、イマーム、村長、市民社会団体の代表者らが参加すること)。
24. 市の景観を清潔なものにするため、ゴミは市議会が条例する時間帯にゴミ集積センターに出すこと。
25. 市議会に無断で道を掘ったり飲料水を水道網から引いたりしないこと。
26. 町の生活を考えると、はぐれた動物は自治体の専門班が回収しなければならない。なので放牧者は目を離さず家畜を牧草地に連れていくこと、そうでない場合はぐれた家畜は自治体の専門班によって集められ、屠殺された後に慈善団体に寄付される。
27. 県民の心を乱している(高利貸し、売春業者といった)人々は、社会から排除される。(こういった人々は)結婚式や弔問に行ってはならない、また交友関係を築いてはならない。

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:19838 )