ホワイトハウス、イラン問題をめぐって分裂:リンバート氏、辞任
2010年08月03日付 Jam-e Jam 紙

対話、制裁、軍事的選択。最近の数ヶ月間、これら3つの選択肢をめぐって、幾度も米外交政策の責任者たちのテーブルの上で検討されては、評価が行われてきた。そして今でも、〔米政府内では〕これらの選択肢のいずれか一つについて、毎日のように議論が行われている。

 上記の問題についてさまざまな意見が混在しているところをみると、いまだにホワイトハウスの当局者たちは最終的な結論に達していないようだ。国連安保理決議、そしてアメリカによる一方的制裁というかたちで、イランに対して新たに制裁強化が行われてきたが、それにもかかわらず、他の2つの選択肢についても、依然として議論が沸騰している状態なのだ。

 西側当局が「その可能性は開かれている」と常に主張してきた「直接対話」に加えて、最近では「〔軍事的〕対決」というオプションも、米外交当局者たちのテーブルの上に置かれるようになっている。もちろん米当局によれば、この選択肢は一度も排除されたことはなかったというが、〔‥‥〕現在、このオプションはホワイトハウス、及び米国務省で〔真剣に〕検討されている模様だ。

 興味深いのは、この問題についていまだ統一された見解が存在していない、ということだ。実際、最新の報道に見えるように、軍事的選択肢を選ぶか、話し合いを行うかをめぐる対立が激化しており、米国務省イラン・デスクが辞任するという事態にまでなっている。

 ジョン・リンバート氏——彼はテヘランにあったアメリカのスパイの巣窟〔=旧在イラン米大使館〕の占拠事件の時に逮捕された〔=人質となった〕52人のアメリカ人のうちの1人だ——は、9ヶ月前にバラク・オバマ氏の要請によって、米国務省イラン・デスクを引き受けたばかりだった。そんな彼が、今や米政府内に勃発した対立を理由に、職を辞したのである。

 ファールス通信がニュースサイト「NPR」からの引用として伝えたところによると、リンバート氏はこのことについて、次のように語っている。「オバマ政権が誕生してすでに一年半以上になるが、我々はイランとの関係でより良い位置が得られるのではないかと、みなが想像していたと思う〔しかし、実際にはオバマ政権の誕生によっても米イラン関係は改善しなかった〕」。リンバート氏は更に、「アメリカの現在の政府内には、イラン人の文化を理解し、この国の言葉を話すことができる人は、ほんの数名しかいない」と続けている。

 米国務省前イラン・デスクのリンバート氏は、30年来の米イラン間の反目を、外交交渉を阻害する一種の「亡霊」に譬えている。

 リンバート氏の発言から窺えるのは、ホワイトハウスは話し合いや交渉という雰囲気から遠ざかりつつあるということであり、またバラク・オバマ氏が選挙選の際、そしてホワイトハウス入り直後に表明した公約に反して、政権内の関係者らは〔対話とは〕別の選択肢〔=軍事的オプション〕を考えつつある、ということである。

〔後略〕

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( 翻訳者:曽田茜 )
( 記事ID:19893 )